世界一健康長寿のニライの風来坊

豊饒を齎す理想郷は海の彼方の蓬莱島!ニライの島夢郷!!その桃源郷を求めて南の風来坊は今日も迷走する。

沖縄民話「トーカチ(88歳)の由来」

2005年09月13日 | Weblog
沖縄では、60歳で「還暦」、88歳で「トーカチ」と呼ばれる<米寿のお祝い>、97歳になると「カジマヤー(風車)」のお祝いをする。今回は「トーカチ(米寿)」のお祝いの由来についてお話します。■八つで死ぬ運(米寿祝いの由来)■【本部町】昔、とても丈夫な八歳になる男の子がいました。ある時、天から神様が白髪のお爺さんの姿で降りて来ると、その男の子の手を捕まえて、「おまえは、体も丈夫だが八つまでの命と決められているんだ。」と言うと、神様を祀っている山の方へ歩いて行きました。子供は、急いで家に帰るとお母さんも驚くほど大きな声でうわぁうわぁと泣き出しました。「どうした、誰かにいじめられたの。怪我でもしたの。」と聞くと、子供は「いいえ、今、白髪のお爺さんから、お前の寿命は八つまでしかないと言われたんだ。」と答えました。お父さんは、男の子から話しを聞くと、急いで馬に乗ってそのお爺さんを追いかけました。しばらくして追いつくと、お父さんは馬から降りて地べたに手をつけてお願いしました。「私の息子の寿命は八歳までだそうですが、助けて下さい」。白髪のお爺さんは、知らん顔して通り過ぎて行きました。すると、お父さんはまた馬を走らせて、その人を追い越すと今度は地べたに頭をつけてお願いしました。「どうか、お願いします。一人息子の命をもう十年でいいですから延ばして下さい。」と、お父さんが言うと、「そうか、それでは何月何日にお酒とご馳走を持って天の神様にお願いに行きなさい。」とお爺さんは答えました。その日になると、お父さんはとびきりおいしいお酒とご馳走を重箱いっぱいに詰めて持っていきました。寿命を決める神様は、友達と夢中になって碁を打っていました。人が傍らにいることも気がつかないのでお父さんは持ってきたお酒とご馳走を差し出し、二人の前に置きました。すると、二人の神様は酒を飲みご馳走を食べました。しばらく経って、碁の勝負が終わったので、お父さんは、「私の息子は今年で八つになります。天では八つまでの寿命と決められているそうですが、後十年でもいいですから、息子の命を延ばして下さい。」と、お願いしました。「人間の寿命というのは生まれた時に決まっているから変えることはできない。しかし、私たちは碁に夢中になって酒やご馳走をたくさん食べてしまった。これは困った。もう一度男の子の命を延ばすことを考えてみよう。」お父さんは、何年延ばしてもらえるのか心配していると、「それでは、上に八と書いてやろう。」と息子の寿命が書かれている所に、八の字を書き足しました。お父さんは、八歳にもう八歳足したのだから息子の寿命が十六歳までと思っていると、この男の子は、八十八まで長生きしました。こんなに寿命を延ばしてもらって大変うれしいので、それから八月八日には八十八歳のお祝いの斗掻(トーカチ:米寿のお祝い)を盛大にするようになりました。これは、八八歳の祝いを八十八と書くと米の字になるので米を計る時に使う竹の斗掻(とーかき)に因んでいるということです。付則:沖縄に関する有益な情報及び教育的記事は一般に広報したいと思い、転載させていただきました。当民話は、沖縄国際大学文学部 遠藤庄治教授のご厚意により再掲載させて頂いております。その転載・複写、一部引用等の二次利用は、教育目的、学術的な研究目的、啓蒙的な意義のある活動(営利を目的としないもの)において自由に可能です。・・・