朝から微妙なお天気でした。
そして寒い。
こんにちは。I権禰宜です。
さて本日も神社についてのうんちくを一つお話しましょう。
決して「ブログのネタが無いから」というわけではありませんよ。
今回お話するのは「諸社禰宜神主法度」
・・・読めます?
「しょしゃねぎかんぬしはっと」と読んで下さい。
この諸社禰宜神主法度。簡単に言ってしまえば、江戸時代に幕府が発布した・・・
神社・神職に対する法令
です。
「武家諸法度」とか「禁中並公家諸法度」なんかは比較的耳にした方も多いのではないでしょうか。ちなみに「武家~」は武士に対する、「禁中~」は朝廷に対する法令です。宗教関係では仏教寺院に「寺院諸法度」が出されています。
そんな諸社禰宜神主法度ですが、全部で5ヶ条から成っております。
以下このようなものです。
定
一、諸社の禰宜神主等、専ら神祇道を学び、其の崇敬する所の神体、いよいよこれを存知すべし。有り来たりの神事、祭礼いよいよこれを勤むべし、向後怠慢せしむるにおいては、神職を取り放たるべき事。
一、社家の位階、前々より伝奏を以て昇進を遂ぐる輩は、いよいよ其の通りたるべき事。
一、無位の社人は白張を着すべし。其の外の装束は、吉田の許状を以て着すべき事。
一、神領は一切売買すべからざる事。(附、質物に入るべからざる事。)
一、神社小破の時は、其れ相応に常に修理を加ふべき事。(附、神社は懈怠なく掃除申し附くべき事。)
寛文五年七月
以上の5ヶ条が諸社禰宜神主法度です。
最初の最初の条文には神職の心がけについて述べられていますね。次の条文は神職の位階について。つまり神職が位を受ける際の取次ぎについてです。
吉田神道の本拠地・吉田神社
さて三条目にある「吉田の許状」とは京都の公家・吉田家の事。つまり神職が身に纏う装束については吉田家の許可が必要ということです。神職が好き勝手に装束を着る事は出来なかったんですね。吉田家はこの裁許状を発行することで、全国の神社(一部例外はあるものの)に君臨しました。
四条目はそのまんま。神社の土地を売買したり質にいれたりしてはいけないという事。そして最後は社殿は常に修理して、掃除を怠らず境内を清浄にせよという事が述べられています。
二条目と三条目はともかく、それ以外は現在の神職心得としても充分通用しそうですね。
・・・それだけ神職のやっていることは変わっていないということでもありますが(笑)
I権禰宜