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牛肉アレルギー、マダニ唾液腺に原因物質 島根大医学部初確認

2016年02月23日 19時44分38秒 | 医療情報
牛肉アレルギー、マダニ唾液腺に原因物質 島根大医学部初確認
臨床 2016年2月23日 (火)配信山陰中央新報

 島根半島などに生息するフタトゲチマダニの唾液腺に、牛肉アレルギーを引き起こす物質が含まれていることが、島根大学医学部(出雲市塩冶町)の千貫祐子講師(皮膚科)らの研究で分かった。元来、マダニ類に原因物質が含まれるとみられていたが、唾液腺で確認したのは初めて。かまれてアレルギーを発症するとの学説を裏付ける研究成果として近く、論文を欧州の専門誌で発表する。

 千貫講師によると、牛肉アレルギーの主な原因となるのは、細胞間の情報伝達などを行う物質の一つ「α(アルファ)―gal(ギャル)」とされる。原因物質が体内に入ってきたとき、体が異物と認識する人に、アレルギー反応が起こることがある。

 海外の研究では、マダニ類が媒介するロッキー山紅斑熱の多発地域と、牛肉アレルギー患者が集中する地域が重なるため、マダニ類との関連が指摘されてきた。また、マダニ類の一種の消化管に原因物質が存在することも分かっている。

 アレルギーの原因を突き止めるため、千貫講師と同医学部の森田栄伸教授(皮膚科学)は2011年、東京慈恵会医科大と共同研究を始めた。島根県内では日本紅斑熱の患者の感染地が島根半島部に集中し、ニホンジカなどに寄生するフタトゲチマダニ(体長2~3ミリ)が主に感染を媒介しているとされていたため、同マダニを対象に調べた。

 同医科大が育てたフタトゲチマダニを使い、唾液を分泌する唾液腺を調べた結果、原因物質を検出。島根大医学部付属病院で受診している牛肉アレルギー患者の血液とのアレルギー反応を確認した。

 人がフタトゲチマダニにかまれる際、唾液を通じて原因物質が人体内に入るとみられる。マダニ類にかまれなければアレルギーを発症した人でも、治ることも期待できる。

 千貫講師は、他のマダニ類も同様に原因物質を持っている可能性があると分析。牛肉アレルギーの予防策として「山や草むらに出掛けるときは肌の露出を減らすなど、マダニにかまれない対策を徹底する必要がある」としている。

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