フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

3月22日(金) 晴れ

2013-03-22 22:11:02 | Weblog

  8時、起床。肉ジャガかけご飯の朝食。『深夜食堂』第二部第19話に登場する。結婚詐欺師の女が男を騙すときの料理である。つまり家庭料理の代表として使われているわけだ。本当に男の多くが肉ジャガにそんなに弱いのかはひとまずおくとして、ドラマの中では、その結婚詐欺の女が作る肉ジャガは豚肉を使っていて、一般的には牛肉を使うものだと言われて、自分の家は貧乏だったから、肉じゃがもすき焼きも豚肉だったと述懐する(これも男の心理を考えての計算済みの戦略なのである)。

 で、今日の朝、私が食べた肉ジャガは豚肉である。また、私が子どもの頃に食べていたすき焼きも豚肉であった。しんみりとする。

 妻に、「子供の頃、肉じゃがは豚肉だったのか」と聞いたら、「そうね」と言った。「すき焼きもやはり豚肉だったのか」と重ねて聞いたら、「すき焼きはさすがに牛肉だったわ」と言った。さすがに・・・か。ますますしんみりする。

   昼前に母と息子と一緒に墓参りに行く。


鶯谷

  お寺で妹と待ち合わせる。

 

 

  墓参りの後、妹は浅草に買物に行く。われわれ3人は蒲田に戻ってから、「シビタス」でホットケーキの昼食。

  私と息子はソーセージとのセットを注文。少食の母は、ソーセージは付けず、ホットケーキも2枚ではなく1枚で注文する。しかし、注文がちゃんと理解されていなかったようで、母のホットケーキも2枚重ねで出てきた。1枚はアルミホイルで包んでもらって持ち帰る。   

 

  母がホットケーキを食べながら、人生で初めてホットケーキを食べた日のことを話した。それは私が1歳半のときで(昭和30年10月)、父母と私と3人で横浜に遊びに行った日に、山下公園のそばのレストランだったかカフェだったかで、その餡子の挟んでいないどら焼きのようなものを食べたのだそうである。その日のことは私の記憶にはないが、写真が残っている。大きな貨物船のそばで、私は正ちゃん帽をかぶって、たたずんでいる。ホットケーキ自体の写真はない。そうしたものを写真に撮る習慣がなかったのだろう。フィルムは無駄にしてはならなかったし、食事中に料理の写真を撮ることも無作法な行為だったのだろう。 

 

   帰宅してしばらくして、宅配便が届く。『泣くな、はらちゃん』のキャラクターグッズの「はらちゃんノート」が届いたのだ。

  衝動的に大人買い(10冊)してしまったが、さて、このノート、何に使おう。たいてい私の場合、文具に関しては、存在が用途に先立つのである。買ってから何に使うかを考えるのである。

   昨日の『最高の離婚』の最終回。二組の男女とも別れなかった。とりあえず継続ということで終わった。これからもいろいろあると思いますが、よろしくね的な終わり方だった。連続ドラマはひとまず終わる、しかし人生は続く、みたいな。まあ、それはいいですよ、他の終わり方といっても難しかったと思います。でもね、二人を繋ぎとめるものとして一方は子供、他方は飼い猫(ペットは子供の機能的等価物である)が使われていた点が気に入らないわけです。それを使いますか、使っちゃいますか、ええ、有効性は認めますよ(子はかすがい)、でも、反則とまでは言いませんが、ちょっと陳腐なんじゃないですか、と光生(瑛太)の口調を借りて言っておきたい。

  娘の所属する二つの劇団のうちの1つ、「ドラマティック・カンパニー・インハイス」の次回公演の情報です。

   タイトル「光」

   4月13日(土) 15:00、19:00

   4月14日(日) 13:00、16:00、19:00

   場所 吉祥寺櫂スタジオ

   料金 2000円 (学生証提示1500円)

   チケット予約 inhighs_ticket@hotmail.co.jp


3月21日(木) 晴れ

2013-03-22 09:58:34 | Weblog

  8時半、起床。バターライスの朝食。ご飯にバターを置いて、ご飯を被せて少しの間蒸し、醤油をちょっと垂らして、軽く混ぜて食べる。ただそれだけ。わかる人にはわかるだろうが、『深夜食堂』第一部第5話で登場する。『深夜食堂』の第何話がとくに好きかという話になると、私の見聞する範囲では、男性は「第5話 バターライス」、女性は「第7話 タマゴサンド」をあげる人が多い。男はロマンチストで、女はリアリストということか。前者は若き日の恋が長い空白のときを距てて成就する話。後者は若い二人の恋が格差的現実の中で結ばれずに切ない終わりを迎える話。 

  午前中に歯科医院。終わってから、呑川の桜の様子を見に行く。

  てっきり閉店したものと思っていた「梶山ベーカリー」が営業をしていた! なんだかホッとする。

   桜は七分咲きといったところか。川面に花びらはまだ散っていない。今週末が見頃だろう。

   一方、我家の桜はいまが見頃である。道行く人が「きれいですね」と言ってくれるので、母は喜んでいる。 

  昼食は外に食べに出る。ちょうどランチタイムだったので、「まやんち」、「ムッシュのんのん」、「すみっこ」・・・いずれも満席だった。待つか、空いている店に行くしかないが、空いている店には二種類あって、味がいまいちの店と値段が少々高めの店。待つのはいやだし、味がいまいちの店はもっといやだ。ということで「西洋料理SUZUKI」へ行く。本日のランチ(チキンのコンフィーとカニコロッケ)を注文。ドリンクは別注文。コーヒー400円。ただし、食事をした客がコーヒーを注文するとサービスでスイーツが付いてくるので(前回もそうだったのでそう判断する)、コーヒーを頼まない手はない。〆て1900円。平日のランチとしては、ちょっと高いが、とても美味しかった。

 

 

   西口のディープな界隈を散歩して帰る。


池上線の踏み切り

「水タバコあります」に多国籍な街であることを実感する


天ぷら屋が二軒並んでいる


「大本営」! 

    夕方、「まやんち」へ行く。ランチタイムは満席だったが、5時を過ぎるとたいてい座れる(ラストオーダーは6時で、6時半閉店)。カフェの営業を水・木・金・土の週4日から木・金・土の週3日に減らした分、一日あたりの混み具合が増したようである。

   期間限定の桜のスイーツの盛り合わせを注文。桜あん入りで桜の塩漬けがアクセントになっている桜のパウンドケーキ、加賀棒茶で煮出したミルクで作る桜の花びら入りのアイスクリーム、桜のクリームを挟んだ抹茶のマカロン、である。桜尽くしの一日。

   くまざわ書店で以下の本を購入。

     小山清『落穂拾ひ・犬の生活』(ちくま文庫)

     西崎憲『短篇小説日和 英国移植傑作線一1,000』(ちくま文庫)

     小川糸『さようなら、私』(幻冬舎文庫)

     角田美津代ほか『女ともだち』(小学館文庫)

   『ビブリア古書堂の事件手帖』で取り上げられて注目された小山清の作品が新たに文庫化された。「落穂拾ひ」の冒頭の一節。

     「仄聞するところによると、ある老詩人が長い歳月をかけて執筆している日記は嘘の日記だそうである。僕はその話を聞いて、その人の孤独にふれる思いがした。」

   これはブログとの関連でいろいろと考えさせる一節ではなかろうか。ブログにもいろいろなものがあるが、私のブログに関しては、ブログで書かれている内容は、「事実」と「嘘」の間にある。間といっても、ちょうど中間という意味ではなく、あるときは「事実」寄り、あるときは「嘘」寄りである。すべてをありのままに書いているわけではなく、かといって、事実無根の嘘八百を書いているわけでもない。リアルとファンタジーの間に展開する世界だ。