花邑の帯あそび

1本の帯を通して素敵な出会いがありますように…

花邑日記-2009年2月3日(快晴)-

2009-02-03 | 花邑日記

presented by hanamura


「花邑日記」

今日は節分ですね。
昨年のことになりますが、夕方近くに家路に帰る道を歩いていると、
どこかから「鬼はー外!」という子どもの声が聞こえてきて、
日本ならではの風情を感じました。
節分は日本の文化を現在に伝える大切な行事なのだと、
改めて実感しました。

さて、着物や帯などの材料となる布地にも、
日本ならではの文化をみることができます。
また、その布が織られた産地によって異なった個性があるので、
その土地の風土を知ることも出来るのです。

今日紹介する「ざざんざ織り」も、そのひとつです。

「ざざんざ織り」は昭和のはじめに平松実氏が創作した
静岡県の浜松のみで作られている絹織物です。

「ざざんざ織り」は「玉糸(たまいと)」と呼ばれる双児の繭(まゆ)と、
真綿から手引きして紡いだ糸を用いて織りあげられます。
そのしなやかな絹のつやと、草木染めによる深い色合いには、
他の絹織物にはない独自の風合いがあります。

「ざざんざ織り」という名前の由来は、
浜松の有名な松の「ざざんざの松」という名前からつけられているそうです。
そしてその「ざざんざの松」は、その松の下で足利将軍義教が
「浜松の音はざざんざ」と詠んだことからつけられた名前なんです。
なんとも、風情と歴史を感じさせる呼び名ですよね。



この「ざざんざ織り」からつくられた着物は、
とても丈夫でしっかりとしているので、
冬場でも単衣で着ることができます。

上の写真は、花邑で取り扱っている「ざざんざ織り」の単衣の着物です。
紫がかった深い茶の地色と、「ざざんざ織り」ならではの風合いが素晴らしいです。

下の写真は、「ざざんざ織り」の着物をほどいて、帯に仕立て替えたものです。
無地一色ですが、「ざざんざ織り」ならではの風合いがあります。



シンプルながらも存在感のある織物です。

花邑のブログ、「花邑の帯あそび」
次回の更新は2月10日(火)予定です。


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