presented by hanamura
冷たい雨の日がつづいていたかと思うと、
ここ数日間は、夏本番のような暑い日がつづいています。
暑くなってきたためでしょうか。
装いも涼やかな夏仕様のものを選んでしまいます。
とくに着物の場合は、絽や紗、麻など、
ほかの季節にはみることができないめずらしい素材のものが多くあり、
見た目にも涼やかなので目がいってしまいます。
そこで、今回はそうした夏物素材の中から
「紙布(しふ)]という織布をご紹介します。
紙布は、その名前からも想像できるとおり、
「紙」が原料になっています。
和紙の産地として有名な宮城県の白石市で
江戸時代の初期頃につくられたのがはじまりです。
和紙を細かく裂いてつないだものが「紙糸(かみいと)」になります。
この「紙糸」を織ったのが「紙布」になります。
白石市では、この紙布が和紙と同様に特産品となり、
やがて江戸幕府への献上品になりました。
上の写真は、明治時代につくられたものです。
こちらは「木綿紙布(もめんじふ)」とよばれる、
緯糸に紙糸、経糸に木綿糸を用いて織り上げたものです。
また、経糸に絹糸が使われている「絹紙布」もあります。
「紙布」は、和紙を原料としていながらも、
水に強く、とてもじょうぶな点も魅力のひとつです。
もちろん紙が原料なので、
さらりとした手触りの質感は夏にぴったりです。
しかし、この紙布も現代では少量しか生産がされていないので、
たいへん稀少なものになっており、
とても価値のある布とされています。
ご覧になったことがない方は、この機会をお見逃しなく。
花邑のブログ、「花邑の帯あそび」
次回の更新は5月19日(火)予定です。
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