presented by hanamura
「花邑日記」
冷たい北風に吹かれて、おもわず顔がこわばってしまう日が多くなってきましたね。
「木枯らし1号」も吹き、いよいよ冬も間近です。
庭に生えた苔の上には、北風に吹かれて枯葉が落ちていました。
この日、その枯葉にまぎれて一枚の鳥の羽を見つけました。
作業場では、これから訪れる冬に備え、
ホットカーペットをひきました。
早速そのホッとカーペットに電源を入れて、
帯へと仕立てるために布をつなぐ作業をはじめます。
今回、帯に仕立て替えるのは、
流水に花や扇が散らされた図案のきれいな布です。
その詩情ある美しい文様に惹かれて、仕入れました。
実はこの布は、着物の袖の部分をほどいたものなんです。
今回はその袖の部分を2枚用いて帯に仕立て替えます。
しかし、この布2枚をつなぐだけでは
帯へと仕立てるための長さが足りません。
そのため、別の布もつなぎ合わせる必要があります。
今回は、上品な柄行きを生かすように、
別の布も上品な花柄の地紋が入ったものを用いることにしました。
布地の色や素材感もぴったりです。
しかし、布の表側だと光沢がありすぎて、
美しい柄行きが目立たなくなってしまいます。
そのため、裏側の光沢がない方を用いることにしました。
さて、布をつなぎ合わせるときには、
はじめに帯を結んだときに
「お太鼓」や「前」になる部分の柄行きを決める必要があります。
そのため、花に扇が散らされた柄行きがきれいに見えるような配置を考えます。
このときに決めた柄行きによって
帯を結んだときの印象が変わります。
そのため、
「少しずらした方がいいかな。」
「たれの柄はどうだろう。」
と気を配りながら、慎重に鯨尺を使って何度もはかります。
柄行きが決まったらつなぐ部分に針で目を通して、
布と布をつなぎ合わせます。
ようやく、帯に仕立てられる分の長い布地ができて、
仕立ての作業に取りかかります。
さて、今回お話しした帯はもうすぐお目にかかれると思います。
お楽しみしてください。
花邑のブログ、「花邑の帯あそび」
次回の更新は11月11日(火)予定です。
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