ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

キャタピラー 匣咲いすか

2013-04-24 11:35:00 | 

芋蟲(キャタピラー)とは、蝶や蛾の幼虫で、毛虫以外のものを指す俗称である。

なお、誤解されがちなのだが、形状がイモのようだから芋虫なのではなく、芋科の植物(サツマイモやジャガイモなど)の葉について食べることから、その食害の被害に悩むお百姓さんが付けた名称でもある。

率直に言って芋蟲なんて自然界では弱者であって、草葉を大量に食べる食害虫ていどの認識しかなかった。ところが武器をほとんど持たない芋蟲が、とてつもなく生命力の強い怪物だと、この漫画を読んで初めて知った。それにしても、まさか芋蟲を主人公にもってくる漫画が登場するとは思いませんでした。

ちなみに主人公はあくまで芋蟲の特性を付与されただけで、芋虫そのものに変身する訳ではない。もっとも相方の華蟷螂は戦闘時にはカマキリの鎌を使うし、敵方のサソリや蜘蛛は毒針やクモ糸を使う。

では、主人公の武器は・・・? こればっかりは読んでもらうしかない。正直、私は呆れてしまいましたが、その説得力に納得してしまったのも事実です。

ただ、私はこの漫画の絵柄はあまり好きではない。おたく少年の理想的な女性の容姿(細身で巨乳)に好感が持てず、連載当初は流し読み程度。興味が湧いたのは、むしろ敵方の弾丸蟻(パルャlラ)の造形に惹かれたからでした。

なにせこの蟻は、雀蜂なみの猛毒を持つだけでなく、きわめて凶暴で巨体。蟻には珍しく単独行動で捕食する世界屈指の危険な蟻として知られている。その弾丸蟻の特性を付与された敵のキャラときたら、太った醜悪な中年男として描かれている。しかも主人公を辟易させるほど強い。

こりゃ面白い漫画だなと思ったのもつかの間、すぐに休載してしまった。その後再開したが、時折休載されることに疑問をもっていた矢先でした。先日のことですが、作画者の匣咲いすかさんが急逝されました。

死因は報道されていませんが、巷では自殺説も流れているようです。休載が多いわりに病気等の話もなかったので、精神的なものだったのかもしれません。ただ、報道によるとまだ27歳だったというから、いささか早過ぎる死であったと思います。

まァ、原作者があり、また他の作品からスピンオフした漫画でもあったので、作画者を変えて再開されるかもしれません。それでも、せっかく面白くなってきた矢先の訃報であったので、たいへん残念に思います。

この漫画はTVゲーム界で知られたスクエア・エニックス社が刊行した少年向け漫画雑誌ガンガンの成功を受けて、青少年向けに刊行されたヤング・ガンガンという隔週発売の雑誌に掲載されていました。漫画雑誌の世界では、まだまだマイナーな存在ですが、けっこう気鋭の新進漫画家の登竜門になっているので、私は注目しています。

いささか稚拙な構成の漫画もないではないのですが、大手とは一味違う漫画を楽しめるので、今後も注目作品を取り上げようと思います。


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