ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

「クビキリサイクル」 西尾維新 

2006-05-02 11:20:05 | 
世の中には、数多くの書籍があり、一人の人間の一生のうちで読める本は限られてきます。どうせ読むなら、良質の本を読みたいと思いますが、くだらないが楽しい本もあり、いつも読む本の選択には困るものです。

新聞の書評欄を参考にすることもあるし、人からの紹介もあるでしょう。しかし、私は現在売れ筋の本に手を出すことは余りありません。著者がお気に入りであったり、仕事上の必要性からベストセラー本を買うことはありますが、むしろそれは例外。

偏見かもしれませんが、私は良い本は、なかなか古本屋には持ち込まれないと思っています。また古本屋で安値で大量に出回っている本は、いくらベストセラー本でも、わざわざ読む価値は少ないと考えています。もちろん例外は多々あります。いくら良い本でも、大量に売られれば値段は下がるし、人気がないがゆえに安い場合もあります。

しかし、発売後半年以内で、売れている本であるにも関わらず、なかなか古本屋に出回らない本は、読んでみて結構当たりが多い。

最近の当たりが、この西尾維新の「戯言シリーズ」です。本屋さんの店頭によく並んでいましたし、売れているのは知っていましたが、なかなか古本屋に出回らないので、機会があったら読んでみたいと思っていたのです。

読んでビックリしたのは、この作者の言語感覚。ちょっと新鮮でしたね。推理小説としては並みですが、登場人物の個性が奇想天外。チョコパフェにゼリーをトッピングしたかのような人物像は、予想外というか、常識外の登場人物に驚かされた。まあ、身近に居て欲しくない人たちばかりですがね。世代間の断絶を感じたのは久々です。共感はしないけれど、面白いと感じました。

もしかしたら、30年前「アルキメデスは手を汚さない」の小峰元を読んだ当時の大人たちは、今回の私のように感じたのだろうか?
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (タク)
2006-05-02 16:20:31
痛快明快な古本考、なるほどな~、とおもってしまい
ました。古本屋に良く出ている本って、いつもどうな
のかな、、と思ってしまいます。で、結局買わないん
です。
ホントに気に入ってる、心に残ってる本はぼろぼろに
なっても、あるいは一回しか読んでなくても、古本に
出しません。
ちょっと考えればあたりまえのことだったんですね。
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Unknown (あい)
2006-05-03 11:46:48
 いい本にかこまれているとしあわせです。かの斉藤茂吉も、四方が本棚になっている書斎にいるときなどは機嫌がよかったそうです。
 タクさんの言うヌマンタさんの「古本考」、わたしも共感しました。これまで何回か古本屋に本やCD、
DVDなどを売りましたが、いづれもいろんな理由で自分にとって愛着のないものばかりでした。
 ただ、自分にとってはそんな本でも他人が興味を示す場合もあるし、その逆も然りです。
 古本屋にもまた出会いがありますね。
 ときどき「私がこの本を選んだんじゃなくて、この本に私のほうが呼ばれたのかもしれない。」という感覚を得ることがあります。
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Unknown (ヌマンタ)
2006-05-03 22:41:52
良い本との出会いって、本当に嬉しいですね。私にとっては、大規模な本屋さんよりも、小さな古本屋こそが情報の宝庫です。神田神保町、早稲田、高円寺、吉祥寺あたりの古本屋巡りが、私の休日の楽しみです。
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