悪口だけは敵わない。
そりゃあ、男だって悪口を言う、その点は女と変わりは無い。だが、その悪口のレベルが違うと思う。辛辣というか、思わず後ずさりしたくなるような強烈な悪口は、女性の方が圧涛Iに強烈だ。
あれは先天的なものなのか、あるいは女性同士のお喋りから育まれるのか知らないが、悪口の凄さだけは、到底女性には敵わないと思っている。
ついでだから言っておくと、私は悪口には鈍感だ。母と妹二人の家庭に育ったので、女同士のお喋りには馴れている。いや、正確に言えば、右から左へとそのお喋りを通過させることに馴れている。
いちいち聞いてなんていられない。よくもまあ、あれほど意味のない話を延々と出来るものだと思うが、「うるさい!」と止めても、効果が無いので何時しか雑音のように無視することにしてしまった。
もっとも私自身、悪口を言わない訳ではない。「何気に毒舌ですね」と言われたこともある。まァ、悪意を溜め込んで、煮込んで吐き出すことが偶にあるので、あまり人様のことは言えない。
でも、悪口のレベルというか、その悪辣さ、辛辣さは、遠く女性のレベルには及ばないと自覚している。もっとも昔、新宿の某スナックでそんな話をしていたら、常連客のオカマさんから「あら、あたしたちだって相当なものよ」と言われて、思わず納得したことがある。
たしかにあの手の方々の悪口も相当なものだ。してみると、悪口の男女差なんて、役割の差なのだろうか。
表題の漫画は、週刊SPAで数年前に連載されていた。「ゴーマニズム宣言」の後を受けて連載されたせいか、当時の社会風潮を実に辛辣に描いている。
当時、一世を風靡した著名人を、バッタバッタと切り裂き、煮込み、磨り潰す。リスペクトとは、よくぞ言ったものだと呆れたが、毎週立ち読みしていたのだから、私も趣味が悪い。
私とてたまには悪口を口にするが、朱に染まって赤くなるのが嫌なので、ほどほどに控えるように心がけている。でも、やっぱり他人の悪口を聞くのは、暗い楽しみがあることは否定しがたい。
そんな楽しみを満喫してくれた漫画でした。でも、これ一作で作者は悪口漫画を止めてしまったようです。やっぱり、なにかしらの反動があったのかなァ?
ちなみに発行元の扶桑社では絶版扱い。まァ、内容からして無理はないのですがね。興味がありましたら、古本屋を探してみてください。
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