いつから嫌いになったのだろう。
子供の時は、野球と云えばジャイアンツ。これしかありえなかった。まだドームになる前の水道橋の後楽園球場にも、何度か足を運んでいる。
長島の引退試合を見に行こうと画策したが、先生に見破られて廊下に立たされたぐらいの巨人ファンだった。V9時代の栄光はかすかに覚えている程度だが、それでも当時のレギュラーの選手は、だいたい暗記していた。
長島監督になっての低迷期でさえ、巨人ファンであることを止めようとは考えもしなかった。まァ、他の球団のことを、ほとんど知らなかったせいでもある。
はっきり記憶しているのは、江川のトレード騒動の時だったと思う。いや、その前の長島監督更迭の時から、もやもやしたものはあった。だが、はっきりと巨人の首脳陣は汚いと自覚したのは、この江川騒動の時だった。
その頃から、野球にも好きな野球、嫌いな野球といった判断をするようになっていた。私が好きだったのは、走る野球だ。ベースに全力で駆け込む迫力。飛来する打球を全力で走って捕球する名プレー。バッテリーの隙をついて盗塁する緊迫感。これぞプロ、といった名プレーこそ野球の醍醐味だと思っていた。
ところが、あの頃の巨人のプレーは大雑把であった。とにかく打つ、しかも特大のホームラン狙い。だから、勝つときはホームランが飛び交う派手な試合が多かった。そして負ける試合は、打てない試合だ。
それでも、まだ嫌いではなかった。ただ、応援しがいのないチームに堕したとは思っていた。そう感じ始めると、他のチームを真剣に見る時間が増えていた。
例えば屋敷や高橋を擁した太洋ホエールズ。このチームはとにかく走る。走り出したら止まらない。攻撃力が弱いので、ペナントを制する力はなかったが、塁に出れば何かを期待できるチームだった。スーパーカー・トリオがそろい踏みでもすれば、ワクワクするような期待感が持てた。
そして西武ライオンズ。日本シリーズで巨人を木っ端微塵に打ち砕いた。優勝の目前、涙する清原の姿が忘れがたいが、私には球界の盟主巨人の虚像が砕かれた思いのほうが強かった。
明らかに西武のほうが、緻密で、明確で、メリハリの利いた高度な野球をやっていた。そう自覚すると、巨人の人気が、日本テレビと読売新聞による情報操作で作られたものであることが理解できた。
もう、巨人ファンでいることが出来なくなった。
現在は、それほど熱心に野球を見ることは無いが、どちらかといえばアンチ巨人になっている。そりゃ、巨人にだってイイ選手はいる。名プレーはあるし、決して悪いチームだとは思わない。でも、もう応援できない。今は、旬のチームを楽しむことにしている。
今年のペナントならば、日ハムと楽天が面白い。別にファンになったわけではないが、いいプレーをするチームは応援したいと思う。
表題の漫画は、私がまだ巨人ファンでいられた時代でさえ、呆れてしまった怪作だ。なにせ、主人公がマウンドで過労死した漫画なんて、私の知る限りではこれだけだ。
無茶苦茶な魔球で試合を盛り上げる安易な姿勢も笑えるが、これほどまでに巨人の虚像を信じきれる姿は哀しくさえある。
誰が言ったか忘れたが、全国の巨人ファンって、巨人が勝つ姿に自分を重ね合わせているらしい。高度成長期にV9を成し遂げた巨人は、勝者の理想像であったのだろう。
長引く不況と、デフレの日本では、もはや高度成長は夢のまた夢。明治維新で居場所をなくした侍と同じく、勝ち続ける日本に姿を重ね合わせた球界の盟主・巨人という幻想も、もはや泡沫の夢とかしたのだろう。
>"侍ジャイアンツ 後期OP"
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>"侍ジャイアンツ 前期ED"
>"侍ジャイアンツ 後期ED"
私も中学生の頃、プロ野球に夢中だった時期があって、やっぱり巨人ファンでした。はじめて後楽園球場に「巨人ー中日」戦を見に行った時の感動は今でも忘れられません。
V9時代はほとんど覚えてないのですが、父親がよく試合を見ていました。長嶋の引退試合もテレビで見たのを覚えています。
今は・・・もう全然興味なくなってしまいました~。ヌマンタさんと同じ様な気持ちの流れな様な気がします。
「侍ジャイアンツ」は大好きでテレビで毎週欠かさず見てましたよ!あの魔球が凄いんですよね~。(笑)
私、「巨人の星」よりこっちの方が好きかも。(^◇^)
あの魔球というか、奇抜な投球は、漫画ならではの楽しみでしたが、実際やろうとすると全て失敗します。つうか、出来る訳ありませんね。