ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

士道SIDOOH 高橋ツトム

2011-04-13 12:24:00 | 

凛とした空気をまとった人に出会えることは稀だ。

残念ながら、私はこの凛とした気風を身につけるには至っていない。憧れながらも、この年に至るまで縁遠いものとなってしまった。

どうやったら、あの冷たい空気のなかで凛々しくそびえ立つ冬山のような厳しさと美しさをまとえるようになるのだろうか。

おそらくは、全てを投げ打ってしまいたくなるような苦境にあっても、己の矜持を貫き通せるような厳しい経験を積む必要があるのではないか。

そう考えると合点がいく。私は苦しくなるとバタバタともがき、あがいて、最後には何が何でもその場を抜けきることだけを考えてしまう。

たしかに逆境を切り抜けてきたとは思う。だが、そこにはただ、切り抜けただけの不様な自分がいたことに気がつかざる得ない。思い出すと赤面を禁じえないほどの、惨めで不様な生き様であった。

だからこそ、苦境にあっても己の矜持を貫き通せるような、凛とした雰囲気をまとった人に憧れるのであろう。

現在、凛とした風情を持つ人物を描かせたら右に出るものがいないのが、表題の著者だ。週刊少年ジャンプに長く連載された表題の漫画は、幕末の日本にあって凛として己の生きる道を貫いた若者たちを描いている。

西郷や勝、慶喜など歴史上の著名人が数多く登場するが、主人公は無名の雪村兄弟だ。歴史の裏舞台にあって、激動の日本を激しく熱く駆け抜けた若者たちの生き様は胸を打つ。

なかでも百舌の気高く美しい姿には脱帽。今の漫画界で、これほど美しく、しなやかで、それでいて気品のある女性を描ける人はいないのではないかと思わせる。

既に連載を終えているが、単行本買い揃えようか否か、現在真剣に悩んでいます。地震後、本が飛散する我が部屋の片付けは、まだ終わっていない。果たして、この20冊近い単行本を置く場所があるのか?

困ったもんである。


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2 コメント

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Unknown (アブダビ)
2014-06-24 22:00:24
凛とした男というと、クラッシャージョウの挿絵で有名な安彦某氏もたまに良いのを描きますよ。
「王道の狗」は主役を筆頭にウジウジした男が出てこないのが魅力でした。
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Unknown (ヌマンタ)
2014-06-25 12:39:56
アブダビさん、こんにちは。安彦氏もいくつか取り上げたい作品はあるのですが、未だ記事は書いていません。いつかは・・・と思っています。
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