ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

居眠り運転

2012-05-18 11:44:00 | 日記

車内にまで響くトラックの警報音で目が覚めた。

場所は東名高速の上り車線。箱根を越えて、厚木に向かう広々とした緩やかなカーブに差し掛かったあたりだ。

昨年のことだが、どうしてもやむを得ない事情で、日帰りで大阪に車で出張した帰りのことだ。夕刻に大阪を出て、渋滞の京都を抜けて、雨が振り出した深夜の東名高速を一路疾走して東京を目指した。

浜松を抜けて、静岡を通過した頃には疲労を感じ、清水のスパに立ち寄って休憩するつもりであった。しかし、思ったよりも快適に走れたため、もうひと踏ん張りと気負ったのが原因であった。

トンネルとカーブが連続する箱根外縁を越えて、関東平野に入ったあたりで気持ちが緩んだ。走りなれた道であったので、油断したのだろう。次第に目が重くなってきたのは自覚していたのだが、いつのまにかウツラウツラ・・・

トラックのホーンに起されて、はじめて自分の車が蛇行していることに気がついた。トラックは私の車を追い越して、急に車線変更して私の前に立ち塞がり、尻をふってみせてからスピードアップして去っていった。

多分、嫌がらせだろう。

私の蛇行に驚いた腹いせなんだと思い、苦笑してやり過ごす。いや、本当は感謝するべきなのだろう。あのまま居眠り運転を続けていれば、間違いなく大惨事を引き起こしていたはずだから。

居眠り運転は怖い。あの時、はじめて体験したが、分っていても、あの疲労感からの居眠りを完全に防ぐのは難しいと思う。

5月の連休に相前後して、居眠り運転が原因と思える交通事故が多発した。京都や千葉、群馬と死傷者が出たので、ニュースなどで目にした方も多いと思う。記事を読みながら、他人事ではないなぁと思わざる得なかった。

高速道路の居眠り運転は、休憩を十分とる以外に根本的な解決策はないと思う。経験的に、ほんの十分程度の仮眠でも眠気は治まる。だが、やはり不安は残る。車によってはレーダーなどの技術を駆使して、安全な車間距離をとったり、ブレーキまでかけてくれるものがあるらしい。

長年ホンダ車にこだわっていた知人の方が、最近スバルに乗り換えたので理由を聞いたら、上記の自動ブレーキング・システムに興味があったからだと言っていた。ドライブの好きな方だが、高速の長距離運転には最近若干不安を感じていたらしい。すでに高齢といって良い方なので、賢明な選択だと思う。

もっとも乗り換えた後に感想を聞いてみたら、低重心のスバル独特の運転感覚が面白く、高速よりも一般道の山道などをドライブしているそうだ。まだ一度も自動ブレーキのお世話になっていないとも言っていたが、そのシステムを信用しているようだ。

高速の居眠り運転はともかく、ここ最近目立ったのが、通学通勤に使われる生活道路での死傷者事故だ。これはいくら警告の看板を掲示してもダメだと思う。スピード出す奴は出すからね。そこで思い出すのは、ヨーロッパでよく見られる石畳の道だ。

アスファルトやコンクリート敷きの道は、凹凸がなく快適に走れる。しかし、市内の生活道路などは、わざわざ石畳を残して、スピードが出せないようにしてある。これだと低速運転を強いられるので、歩行者などにつっこむような死傷事故を大幅に減らすことが出来ると思う。

実際、日本でも意図的に凹凸を設けてスピードを抑える仕組みがある道路を散見することがある。主に坂道のカーブ手前などに多いようだが、歩行者の多い市街地でも活用できるシステムだと思う。

ただ、路面改修工事が必要なので建設費用がかかるうえに、維持管理の費用も必要となる。だから、いまだ普及しているとは言いかねるが、通学途上に車に突っ込まれて死傷した子供を嘆く親の映像などを見ると、予算をかけても設置したほうが良いように思う。

少なくても、何に使うかさえ不確定な箱ものに税金を投じるならば、交通事故を減らす効果がある凹凸道路にこそ税金を投じる価値があるのではないか。

失った命は戻らないが、今後のことを考えるなら十分検討の価値はあると思います。


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2 コメント

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Unknown (ちいちゃん)
2012-05-22 12:54:42
ヌマンタさん、こんにちは。

アメリカで日本車といったら、トヨタを筆頭にホンダ、ニッサン、マツダ。。。ですが、最近スバルが人気。日本車に全く興味の無い(失礼ご容赦を)私には不思議だったのです。

あ。。そうなのね。安全性が秘密だったのね。

うちの近くの道路には沢山凹凸があります。凹んでいるのは「ディップ」、逆に瘤上になってるのは「バンプ」。どちらも車の減速するためのもの。

私の車は車高がとても低いので、バンプを越える前で殆ど完全停止。ハンドルを右に切って斜めに進入。前輪がバンプを越えたところでハンドルを左に切って斜めに通過。そうしないと足元でずりずり悲しい音がします。

嫌いだけど、安全のため(特に住宅街の道路で遊んでいる子供達のため)には必要だし役立っていると思います。

それに、本当にハイパフォーマンスの車に乗ってる人達(私も含むのだぞ)は道路で遊んでいる子供達をリスペクトし、バンプを本当にゆっくりと車をブイブイ言わせながら乗り越え、かっちょ良く走り去る。これが粋。

バンプを無視して減速せずに通過する連中の多くが「ハイパフォーマンスもどき」日本車オーナーなのが恥ずかしい。。貧乏臭いぜ、お前ら。で、日本車嫌いなった私です。
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Unknown (ヌマンタ)
2012-05-22 13:03:41
ちいちゃん、こんにちは。スバルの人気は、低価格で高品質な4WD(四輪駆動)が始まりでした。またエンジンが水平対列エンジンという珍しいタイプであるがゆえに、低重心が可能となり、操作性に優れた車となります。この運転感覚を好む方は少なくなく、スバル・マニアを生むに至っています。実際、あんな変わったエンジンを作っているのは、スバル以外ではャ泣Vェだけです。日本車でも際立って個性的なのは確かだと思いますよ。
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