ヌマンタの書斎

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日本サッカーの現状

2009-08-26 13:50:00 | スポーツ
いい気になりすぎだ。

近頃、日本サッカー協会のお偉いさんたちの増長ぶりが目に余る。たしかに昔に比べたら日本のサッカーは強くなった。今のお偉いさんたちが現役選手の頃のヘタッピぶりが嘘のように強くなった。

少なくともアジア・レベルでは間違いなく上位に入る強豪になった。だからといって、かつてのヘタッピ・プレイヤーたちの技量が上がった訳ではない。レベルが上がったのは現役選手たちであって、日本人監督やコーチのレベルは、せいぜいアジアの中位程度だと思う。

とりわけFWの指導や、GKの指導になるといささか心もとない。これは未だに世界に通用するFWを育てた実績がないことからも立証できる。GKに関してはなにより川口ら現役選手らが外人コーチの指導をこそ求めていることからも、まだまだ日本人コーチの技量の低さがわかる。

それでもガンバ・ユースや広島ユースの躍進ぶりをみると、日本人コーチの技量も上がってきていることは確かだと思う。それは認めてもいい。

一番の問題は、日本サッカー協会の幹部たちのレベルの低さだ。彼らは日本サッカーが人気がなく、不遇な時代からサッカーを支えてきた功労者だ。また川淵氏の尽力により、プロサッカーを実現して、日本サッカーの強化に貢献したこともたしかだ。

だが、いかんせんアマチュア上がりのサッカー好きに過ぎない。世界で戦うための確固たる方針を示し、それを実現するだけの技量に致命的に欠ける。

これはサッカー協会の幹部だけの問題ではない。日本各地にある各サッカークラブの幹部たちにも共通する課題だ。その典型が大分トリニータの幹部たちであろう。

このチームは設立以来苦難続きであった。スポンサーに逃げられての資金難は毎年お馴染みの恒例行事。何度もJ1入りを目指して奮闘するも、なかなか結果が出ずに苦しんでいた。

そこに現われたのが、ブラジル人監督のシャムスカだった。ブラジル本国では選手としての実績はないに等しいが、青年監督として頭角を顕し、3部のチームを全国優勝に導いた。その手腕を見込んで大分が招聘したところ、監督として見事/な手腕を発揮して、ついにはナビスコ杯での優勝まで果たした。

しかし、このチームは資金力がない。シャムスカ監督は若手の発掘、指導に関してはJリーグ屈指の名コーチでもあるが、その若手をチームに留めるだけの資金がない。おかげで毎年有力な若手選手が他のチームに取られてしまう有様だ。

従って大分トリニータは、いつも守備的な試合をやらざる得なかった。金がないので、若い選手を育て、技量の未熟な選手たちを率いて勝つためには、守って守ってのカウンター攻撃に活路を見出すしかなかった。だからこそリーグ最小失点のチーム作りをシャムスカはやらざる得なかった。

弱いチームが勝つには、まず守りから。これは世界共通の鉄則だ。これを徹底すれば、弱小チームにだって強いチームに勝つことができる。Jリーグでこれを最も徹底して行ったのが大分トリニータというチームだった。

それをよりによってツマラナイ戦い方だと蔑んだのが、日本サッカー協会の某幹部だ。この人は、Jリーグ屈指の金満チームのフロントから協会幹部に横滑りした人だけに、資金力のないチームの戦い方が分ってない。

またサポーターも悪い。守備的な戦いから、見ていて面白い攻撃的なチームへの変貌を求め、その意向を受けた大分トリニータの幹部までもが、シャムスカに戦術変更を求める有様。

ここで選手も勘違いをした。ナビスコ杯での優勝や、リーグ戦での上位の成績を真に受けて、攻撃的なチームへの変身ができると思い込んだ。おそらくは、シャムスカ自身もそのような変化にトライしたい気持ちはあったらしい。

しかし、そのためにはより一層の選手のレベル向上が不可欠であり、そのための補強も絶対必要だった。その補強を求めたが資金難に喘ぐチームにその余力はないと断られる。これで勝てというのだから、いくら名将シャムスカでも頭を抱えた。

そのうえ、いざリーグ戦が始まるとチームの中核を支えるベテラン選手たちに故障が続発した。なかでも二人のブラジル人ボランチの欠場が痛かった。しっかりと守ることが出来なくなった上に、中途半端な攻撃がむしろかえって隙を作り、気がついたら連戦連敗。

にもかかわらずフロントはチームの補強に及び腰。これでは勝てない。とうとうシャムスカ監督解任の事態に追いやられた。さすがに新監督は外国から求めたが、おそらくはJ2落ち確定だろう。これはチームのフロントの責任であり、ちょっと勝っていた程度で増長したツケでもある。

私としては、この名監督に次期オリンピック・チームの監督をやらせてみたかったが、アホな日本サッカー協会の幹部から、次も日本人監督でとの鶴の一言があって立ち消えになったらしい。しかも解任された監督には任せられないとの捨て台詞つきだとか。(ならば、マリノスを首になり浪人中だった岡田現日本代表監督は何だ?)

私にはシャムスカ以上の監督が日本人に居るとは到底思えない。日本人選手の技量が上がったことは確かですが、だからといって日本人指導者の力量が上がったわけではない。これこそが、日本サッカーの弱点であり、この増長を直さない限り、日本のサッカーが今以上に向上することは難しいと思います。
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