先週、中立国での試合となったワールドカップ・アジア二次予選のアウェイでのシリア戦があった。
結果は5-0の圧勝なのだが、問題はそこではない。この試合、日本では地上波でのTV放送がされなかったのだ。過去にない醜態なのだが、実はむしろ歓迎する声も大きい。この試合の放送権はシリアのサッカー協会が持っているが、それをUAEの代理店が買受けて日本との交渉窓口になっていた。
ところが、この代理店、相当にふっかけたらしい。日本では深夜の放送であり、しかも勝つことがほぼ分かっているシリア相手の試合である。その放送に一億円をふっかけたらしい。しかし、日本での代理店である電通がそれを拒否しての値下げ要求を返し、UAEの代理店と揉めにもめて、最後は契約未締結となり放送されなかった。
前代未聞の珍事ではある。
試合を観れなかった日本のサッカーファンには気の毒な話だが、案外とこの日本側の対応に賛意を示す人は多い。まず経済原則からいって、一億円は日本国内の放送に見合う対価ではなく、むしろこの悪しき前例を認めるほうが弊害が多いと判断したからだ。
実は次の試合はアウェイでの北コリア戦であり、既に相当な対価をふっかけてきているとの報道もある。久しく国際大会から離れていた北コリアのサッカーは暴力的であり、下手でもある。むしろ日本選手の怪我が怖い。無理をするくらいならば引き分け、あるいは負けでも良いほどだ。まぁ若手主体の試しの試合で十分だと思っている。
試合を観たい気持ちもあるが、北への資金提供の意味合いが強く、これで核兵器や弾道ミサイルの購入費用に充てられるくらいならば無放送で良いと思う。
ちなみにシリア戦だが、私はアラビア語の解説がチンプンカンプンなYou-Tubeの番組でしっかりと観ていた。でも北コリア戦は開催地次第では難しいだろう。シナあたりで試合をやってくれればネットでの観戦は可能かもしれませんがね。
それはともかく、現在の放送権の不当な高額売買の元凶は、まちがいなくFIFAです。金儲け主義に毒された腐敗しきった組織だけに自主改革は望み薄なのは、オリンピック協会といい勝負。どちらも西欧のスポーツ貴族どもが支配する魔窟です。中東の王族やらアフリカの独裁者を巻き込んで味方につけているので、公の場での改革はまず無理。
対抗できるのはスポーツ倫理にこだわるアメリカぐらいですけど、アメリカの弁護士たちが深く関与しているようなので難しい。オリンピックも同じですけど、ワールドカップ及びサッカー業界は、スポーツをネタに食い荒らすスポーツ貴族どもが占拠していることは知っておいたほうが良いと思います。