ヌマンタの書斎

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国産化の壁

2019-08-26 12:42:00 | 経済・金融・税制

国産化、出来るのかしら。

そう思わざるを得ないのが、今回のホワイト国指定解除に伴い日本から輸入できないと困る高純度フッ化水素などを国産化すると言い出した韓国である。

この国、口先だけは立派だが、結果が伴わないことが少なくない。その具体例を二つ挙げたい。

まずはアジア最強だとの謳い文句で知られる韓国の戦車K2である。この戦車のパワーパックは国産を目指していたのだが、どうも上手くいかない。ちなみにパワーパックとは、エンジンで発生した動力を変速機やシャフトを通じて駆動輪に伝える機構のことである。重さが50トンを超える戦車のパワーパックの製造は極めて難しい。

半導体などITパーツと異なり、製造機器があれば簡単に出来るものではなく、その製造には焼き付け、冷却など公開されていない独特のノウハウが必要となる。その基礎技術のない韓国メーカーでは製造は難しく、仕方なくドイツ製のパワーパックを購入したのだが、契約に違反して勝手に分解して壊してしまいドイツが怒る。

謝罪もせずにヌケヌケと国産化を再び言い出したのだが、やはり上手くいかない。おかげで車体はあるものの、動くことが出来ないK2戦車が倉庫で鎮座している始末である。

更に間抜けなのが、潜水艦である。元々はドイツ製の潜水艦を輸入していた。しかし、日本の最新鋭艦に対抗して、再びドイツ製の新しい潜水艦を購入したが、その際開けてはいけないと契約に明記されたブラックボックス部分を勝手に開封。元々潜水艦はどこの国でも機密事項だらけの兵器だけにドイツが激怒。

修理を依頼しても受けてもらえず、仕方なく国産化を言い出し、無事コピーして韓国製の潜水艦を竣工させた。ところが、こいつが欠陥だらけ。ボルトは抜けるは、浸水は起こるはで、潜水どころかまともに航海さえ出来ない。

韓国製のボルトの欠陥が判明したものの、他にも次から次と欠陥が見つかり、現在もドッグに置かれたまま。ところが呆れたことに、2番艦、3番艦と造り続けて、昨年4番艦も完成した。

欠陥を直さずに建造したものだから、どの艦もまともに航海さえ出来ていない。あげく、狭い、臭いと海軍兵からの評判が悪くて、志願者がいないため、今年になっても一隻も稼働していない。使えない潜水艦が4隻もあり、ドッグを塞いている始末である。

更に厚かましいことに、この潜水艦をインドネシアに輸出する気である。ジャカルタまで航海できるのか、関係者は疑問視しているが韓国政府は意気揚々と輸出成功を誇らしげに語っている。

挙句に更に大きい3千トン級の潜水艦の建造計画をぶち上げている。1800トン級の潜水艦を満足に作れないことは念頭にないらしい。

言うまでもなく韓国は自動車やIT機器のみならず家電製品から鉄香A船舶まで扱う輸出大国である。にもかかわらず、戦車も潜水艦も満足に作れないのは何故か。ここにこそ、韓国の大きな欠点がある。

家電から製鉄、自動車製造、IT機器製造は全て製造システムを外国から導入している。アメリカ、日本、ドイツなどから生産ライン、工作機器、マニュアルなどを全て輸入してきた。その結果、最も効率よく製造が出来たのだが、その反面製造するための現場の苦労を知らずに成長したのが韓国の企業である。

韓国の企業は総じて消費者が欲しがる商品(マーケティング力)を素早く(トップダウン方式)販売することに長けている。その手法は一点集中型であり、大量生産によるコストダウンで世界市場を席巻してきた。

その一方、地味で試行錯誤の繰り返しである製造の基幹部分を外国任せにしてきた。この基幹部分は、職人の勘や非公開のノウハウに拠る部分が多く、容易に真似できない。

一例を挙げれば、イタリアの車やバイクの排気管(エキゾーストパイプ)がある。イタ車の魅力の一つに、あの排気音があることは確かだ。腸に響く排気音に胸をときめかす男性は多いと思う。あの排気管は、大元は機械造りだが最終工程は大半が職人の手作りで、最新の3Dプリンターを使っても同じ音は出ない。

私はあまり詳しくないが、イタリア製のスーツや婦人服も、手縫いの技巧が込められていて、機械縫いではあのデザインは作れないらしい。日本の着物にも、やはり機械では実現できない縫い方などがあると聞いたことがある。

このような人の手による技術は、AIや3Dプリンターでも完全には真似できない(まァ、現時点では、であるが)。今回問題になっている高純度フッ化水素などの加工技術も、長年の基礎化学の積み重ねがベースにあるため、それがない韓国のメーカーでは容易には作れない。

でも油断大敵である。かつては日本の製鉄会社にしか作れなかった自動車用の薄型鋼板は、退職した日本人を高額で雇用して、その製造ノウハウを盗み取った前科がある。同じ手口で、そのノウハウを盗み出したシナの製鉄会社との訴訟で、その実態が明らかになったことを覚えている方もあろうと思う。

多分、同じことをやらかすと思います。独特のノウハウをもった職人たちは定年後も再雇用するなどして確保しておかないと、日本は後で痛いしっぺ返しを喰らうでしょうね。

コメント
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