のすたる爺や

文明の果てなる地からのメッセージ

イタチ

2013年08月31日 | 日記・エッセイ・コラム

130831  イタチです。

 野生のイタチではありません。ペット用の輸入されたイタチで、万一逃げても増えないように去勢されています。

 イタチもね、かわいいんだけどね、悪いことするんですよ。

 昔よくあったのは鳥小屋に忍び込んで鶏を殺したり卵を食べたり。昔の農家の鳥小屋なんて今のように網ではなく、板で太陽光が入る程度の隙間を作って鳥が逃げないようにしていただけですから、頭の小さいイタチはその隙間に簡単に入り込めるんです。

 私が子供の頃我が家の鳥小屋に入り込んだイタチが鶏殺して食べたものの、食べ過ぎて腹が膨れて鳥小屋の隙間に頭だけ突っ込んで動けなくなっているところをとっ捕まえたことがあります。

 イタチは分類上ネコ目イタチ科。ネコと祖先を同じにする近い種類ですが、遠くで見ると妙に似ています。ネコが匍匐前進しているような低い姿勢で歩きますが、丸っこさなど妙にネコに似ています。

 もともと人間と共生しなくてもやっていける品種なので、一線は引いておきたいですね。

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シリア

2013年08月30日 | 日記・エッセイ・コラム

 どうやら化学兵器の使用をめぐってシリアと国連でドンパチが始まったのかな?宣戦布告なき開戦になった感がありますが、国連が国際法違反の宣戦布告なき開戦をやらかしてよいのかな?勝てば官軍の国連ですから。

 シリアで使われたと言われている化学兵器がどんなものなのか?アラブ方面ではマスタードガスが使われた実績はありますが、今回は?

 生物化学兵器の恐怖。日本はかつてオウム事件で体験したはずです。

 1994年の6月だったと思いますが、松本市で毒ガス事件が起きました。サリンという毒物だったことがわかるのはまだ後のことでしたが、興味深かったのは私の周囲の農家の人たちが口をそろえて「有機リン系の毒物」とその時点で断定していて、さすがに農薬を扱う農家だなと感心しました。

 農協で毒物劇物の資格取らせたり、知識豊富な農家のおじさんたちはテレビが知ったかぶりで流す映像をにでてくる農薬の袋などを見て「あの除草剤ならうちにもある」とか、「この農薬を濃縮すれば材料になる」なんて話題で暇つぶしになりました。

 何とかとハサミも使いようではありませんが、武器も毒物も、知恵も、どう使うかと言う心構えだけです。

 サリンなどの有機リン系の毒物を開発したのは、旧ドイツのバイエル社で、現在も存在する会社です。農業に使う除草剤や殺虫剤でバイエル社が開発した薬品は不可欠。農業関係者はとてもお世話になっている会社です。

 同じように戦前化学兵器などを研究していた731部隊はミドリ十字として残っています。化学兵器の技術情報は連合国にとって重要だったんですね。

 さて、今回シリアで使われたと言われる化学兵器はどこの国の技術なのか?

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ウメモドキ

2013年08月29日 | 日記・エッセイ・コラム

130829  山の中でフウリンウメモドキの実を見つけました。

 日本各地で生息が減って絶滅危惧種に指定している県もあると聞いていますが、こちらでは比較的頻繁に見かける木です。

 野鳥の糞からウメモドキが出てくることがあるので、鳥が食用にしているようです。

 火急の課題は、食えるのか?食えないのか?と食べてみましたが、味はしないし果肉もろくにない。眺めるだけが無難な赤い実でした。

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ミネラル

2013年08月28日 | 日記・エッセイ・コラム

 大汗をかいたら脱水症状を匂わせる症状が出ました。

 わき腹と腕が痙攣し、こむら返り状態になりました。こむら返りと言うと通常ふくらはぎがつる状態ですが、今回は肋骨の脇と、ひじから指先に「吊る」症状が出ました。

 昔柔道をやっていた頃にはよくあった症状ですが、あの時代は「根性」で何とかなると言われていたけれど、最近は脱水症状とか熱射病なんてまっとうな病気の一種として呼ばれるようになりました。

 神経の伝達物質のカリウムやナトリウムが不足して起きる症状で、スポーツや仕事で汗を大量にかくとショッパイものを食べたくなるのも、体がナトリウムを要求している証左です。

 最近は塩分控えめが常識になりつつあるご時勢ですが、私は結構薄味好み。血液さらさら、血圧正常でルンルンなんですが、汗を大量にかくと筋肉がつりやすい。手足の筋肉がつるのならまだよいのですが、もし心臓の筋肉がつると。そう考えると注意しなければなりません。

 やばいなとは思っていたんです。もう少したってから水分補給しよう、ポカリスウェットを飲もうと思っていたんですが、症状が出始めてから補給しても遅かったようです。

 汗を大量にかくようなときはキュウリの塩漬けを食べています。カリウムもナトリウムも補給できますから。

 とりあえず、今夜は味噌汁をいつもより多めに飲みましたが、久々にイリコダシで味噌汁作ってみたら、これがまたよくできたんです。具はジャガイモでした。

 明日のミネラルは補給できたので、寝ます。

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バブル

2013年08月27日 | 日記・エッセイ・コラム

 同級生から「男女7人夏物語」のビデオを借りてきて見ています。

 バブル景気が始まった頃の1986年ごろ作られたドラマですが、その頃はテレビを持っていなかったのでほとんど見た覚えがありません。この友人のビデオも平成になって夕方の再放送で録画されたものらしいのですが、世代的には私たちより少し上の世代をモチーフに作られたドラマでした。

 ちょうどこのドラマが作られた頃には私も東京にいた時代ですが、雰囲気が妙に面白くてはまってしまいました。

 景気が上向きだった時代だったためか、明石家さんまが主演だからなのか、真剣にやっても失敗してもどこか不真面目で明るい。

 私たち20代だった者達にはただ単に忙しくて働かされた時代だったような気もしますが、バブルで踊った人たちもそろそろ定年を迎える時代になりました。

 アベノミクスでバブル景気が起きると警告するなんたら評論家も多いけど、「24時間戦えますか?」のあの意味のわからない元気さも良かったような気がします。

 「男女7人」には「秋物語」もあるそうで、全部見終わったらそちらも借りることになっていますが、「半沢直樹」も見なければなりません。時折、合間に孫の幼児番組が混ざって録画されているのが妙に面白いビデオです。

 昨年、猿が屋根で運動会をしてテレビのアンテナを曲げてしまってから、かれこれ1年半テレビをみられないせいかつになっていますが、「本ばかり読んでいると変な思想にかぶれるから」と、同級生が話題のテレビドラマを録画して持ってくるので、時流は一応つかんでいます。

 「じぇじぇじぇ」ってなんだ?と聞いたところ、「NHKはほとんど見ないから気にすることはない」と、どうやら見ていないようです。

 そういえば、昨年の今頃から韓流ドラマを持ってこなくなったな。となぜなのか聞いてみたら「飽きた」。

 思想信条に関係なく、これぞ真実?

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足跡

2013年08月26日 | 日記・エッセイ・コラム

130826  家のそばでクマの親子が歩き回った足跡を発見しました。カボチャが荒らされていました。

 今年は山の木の実が豊富なんだから向こうで暮らせよ!と言いたいのですが、労せずにおいしく大量に食べられる人里は連中にも便利なのでしょう。

 人里に出れば楽になれると勘違いした仔グマがそのまま大きくなれば、やがて無防備に人里に出てきておりに入るか撃ち殺される。

 クマのお母さんのしつけ教育に「これで将来開けると思ってるの?」と問いたいくらいです。越えてはならない一線は越えてはならんのです。

 よく左巻きの人たちが何か猟奇的な事件が起きると「社会のせい」と叫んでいますが、「社会の責任」ならそれは自分達の責任でもあることはあまり真剣に考えていない。

 クマが人里に出るのは人間のせいと単純に言う人たちだって「ほんならあんたが悪いんやで、あんたが責任とりや!」と言ってやりましょう。

 最近しみじみ思うのだけれど、害獣が人里を荒らすと、住民はそれらを山奥に追い払おうとします。でもそれは何の解決にもなっていないんじゃなかろうか?被害が別の地域に行くだけのこと。

 それなら街場に向けて追い払ったほうがよいのではなかろうか?檻で捕まえた動物も「ほご」を訴える人たちがたくさんいる都市部に連れて行った放してやれば一番安全。

 でも建前正義を叫ぶ人たちほど、自分が当事者になると掌を返すんですよね。きっと親のしつけが悪かったんでしょう。昨今のクマのお母さんなみに。

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野外コンサート

2013年08月25日 | 日記・エッセイ・コラム

 久しぶりに涼しく、秋を感じさせる心地よい風が吹く一日でした。

130825  21世紀の森の野外コンサートに仲間達が出展しているので、弁当を食べに行ってきました。お昼ごろ関係者の札をつけてちょこっと顔を出して、弁当食べてから「お先に失礼!」とコンサートが始まる前に逃げてきました。

 ちょうど私が行った時間帯は地元のアルペンホルンの愛好グループが演奏している時間でした。

 他にも地元の和太鼓などのグループの演奏の後芸能人が出てくる予定でしたが、そこまでいるのも退屈なので、弁当だけいただいてきました。

 メインが錦野亘。漢字で表記された名前になじみがなかったので、誰?この人?とわかりませんでした。空に太陽があるかぎりで知られる「にしきのあきら」さんだったんですね。

 この野外コンサートは20年以上やっていると思いますが、最初の頃は南こうせつが何年も来ていたり、井上陽水などフォーク系が中心のコンサートでチケットを入手するのも難しかったようです。

 私が記憶するかぎり4年前に因幡晃が来たのが最後で、この3年は山本リンダなど「往年のスター」に路線が変わっています。

 何のお役にも立てないどころか、ただ飯食いに紛れ込んでこんなこというのも僭越ですが、客も少ないようですし、そろそろ無駄なことやめたら?

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寄生

2013年08月24日 | 日記・エッセイ・コラム

130824  今年は山の木の実の類はほとんど豊作です。昔懐かしい旺文社文庫のマークのようです。

 ヤマブドウもたっぷり実をつけています。敵はサルか?クマか?はたまた人間か?

 山葡萄の葉っぱの上に奇妙な粒粒を発見しました。ちょっと見ると新種の果実?ブドウのムカゴ?ヤマブドウ青春のニキビだろうか?

 指で撫でればポロリと落ちる不思議なできものです。一体その正体は?

130824a  ヤマブドウハトックリフシと呼ばれる「虫えい」。つまり虫の住処です。

 ハエの一種の幼虫がこの赤い実のようなできものの先っちょに住んでいます。

 ちょっとおいしそうね!なんて食べると文字通り腹の中でウジがわくかも?

 秋になって葉が落ちる頃には中の幼虫も大きくなり、葉と共に地面に落ちて、這い出てきたウジは土の中にもぐって更なる成長の時をまつ。

130824b  虫えい、虫こぶなどと呼ばれるこうした寄生昆虫の巣はクリの葉っぱやブナの葉っぱなどでも見つけることができます。

 物によっては発破の裏側に巣を作ることもあります。

 木の幹などには菌えいなどと呼ばれるコブができることがありますが、幹や葉っぱにたくみに取り付いて生活する興味深いパラサイトはたくさんあります。

 これも自然の面白さ。

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2013年08月23日 | 日記・エッセイ・コラム

 久しぶりに1日中雨でした。今月に入って初めてではなかろうか?

 午後は病院でハチに刺されたときのエピペンと呼ばれる注射を支給して貰うための問診に行ってきました。過去3回ほどスズメバチでアナフィラキシーショックを起こしているのでエピペンは必需品ですが、現在持っている薬が賞味期限切れになるので、新年度版を入手するための処方箋をもらうために問診と説明を聞きに行ったわけです。

 昨年は8人ほどの集団で一からげになって説明を聞いたのですが、医師が使い方の説明をするときに間違えて本物の針と薬が入っている注射器を自分の太ももに尽くさしてしまったためプチ騒ぎになりましたが、血圧が上がって「心臓がどきどきする」と言いながら講習は終わりました。

 今年はどんな楽しいことが起きるだろう?と期待していましたが、何事もなく普通に説明も終わってしまいました。薬品の成分にはステロイドが入っているので、「ドーピング検査は大丈夫でしょうか?」と聞くと、「その前にドーピングが問われるような競技の選手には絶対なれないから心配するな」と言われました。

 今年はヤマカガシに噛まれる事故があったそうで、マムシの血清は常時置いてあっても、ヤマカガシは初めてだったそうで、日赤病院を通じて搬送してもらったそうです。薮塚にヘビセンターがあり、ここでは各種毒蛇の血清を作っておいてあるそうで、日赤がここから運んできたそうです。

 私は小学校2年生のときにマムシに噛まれたことがあります。朝の校庭の草むしりのときに噛まれて、担任の先生に背負われて村の診療所に連れて行かれたものの、血清がなくて、役場のジープで沼田の病院まで取りに行ってもらったそうです。

 マムシに噛まれて死ぬ人よりもハチに刺されて死ぬ人のほうがはるかに多いのですが、マムシに噛まれた後遺症は四十数年後も出てきます。冬など寒くなると右手の手のひらが痛くなり、小指と薬指を動かすと痛くなるときがあります。

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マキシマ

2013年08月22日 | 日記・エッセイ・コラム

 夏の甲子園は前橋育英高校が優勝して終了しました。群馬の夏は最後まで終わらなかった。おかげでバテバテです。

 甲子園はラジオで時々聞く程度でしたが、今回のチームには利根沼田地区から4名の選手が出ていました。エースの高橋投手は今は沼田市ですが、昔の利根村の郵便局員のせがれだと今日はじめて聞きました。

 さらに、今日もホームランを打った私の村から出た田村という選手。父親は私のすぐ下の弟と同級生で、結婚前は年中我が家に来ていました。あの当事まだ珍しかったV6エンジンを搭載したブルーバード・マキシマに乗っていたので「マキシマ」と呼んでいましたが、そういえば「マキシマ」の姓は田村でした。

 マキシマの息子といえばおぼえがあります。私の弟達と海水浴に行った帰りに私の実家によって2次会をしていたとき、パンツ一丁(紙おむつ一枚)でテーブルの上で踊っていたお調子者の赤ちゃんで、酒屋の前掛け巻いて相撲取りの真似させたり、大人達のおもちゃになっていた赤ちゃんでした。あれが甲子園で優勝した選手になったかと思うと世の中わからないものです。

 たまたまそんな話をしていた人が、以前ゴルフの最中に同じパーティーの人がポックリ亡くなった事件のことを話してくれました。

 炎天下の出のゴルフの最中に心筋梗塞でポックリは良くあることですが、そのほとんどがパターのときに倒れているのだそうです。思い切りクラブを振るときではなく、精神統一してちょこっとボールに当てるパターのときが多いというのも驚きでしたが、パターとティーショットとかが何のことやら?私には皆目見当が付かないので、そこからのレクチャーになり「こんなことも知らないのやつがいるのか?」と向こうに驚かれていました。

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ナナカマド

2013年08月21日 | 日記・エッセイ・コラム

 残暑厳しい中、夏ばて?

 キリギリスになったわけではないのですが、キュウリを8本食べただけで1日生き延びています。

 前夜、ビニール袋にキュウリを入れて塩をまぶし、冷蔵庫に放り込んでおいたものを3本、夕方は半分に裂いたキュウリにミソを塗って夕食。

 日ごろ晩酌はしないのですが、キュウリとビールはあまり相性がよくないのか?私的にはキュウリでビールはやりません。そんなわけで冷たい緑茶の番茶を飲みながらキュウリポリポリかじりながら満腹になったような気になりました。

 この暑さで気が変になったのか?赤く紅葉し始めたナナカマドを見かけました。どのうち正気に戻ると思いますが、雨が少なく猛暑になると樹木は自らの身を守るために葉を落として仮眠状態になることがありますが、そこまで乾燥しているわけではありません。

 細きナナカマド

なぜ揺れながらたっているの ひょろひょろしたナナカマドよ
頭をたれて 柵に触れそうになるまで

道を隔てたこちらでは 広い川の向こう岸に 
同じように一人ぼっちで 高い樫の木がそびえている

どうすればナナカマドは 樫の木のもとに行けるのかしら
それができるなら 私は揺れたり曲がったりしなくてもすむのに

細い枝で 私が彼にぴったりと寄り添えることができたなら
夏も冬も いつでも彼とささやきあうことができたなら

でもナナカマドにはできない 樫の木の元へ越えて行くことが
きっとみなしごの彼女は いつまでも一人ぼっちで揺れているだろう

Тонкая рябина

Что стоишь, качаясь, Тонкая рябина,
Головой склоняясь До самого тына?

А через дорогу За рекой широкой
Так же одиноко Дуб стоит высокий.

"Как бы мне, рябине, К дубу перебраться,
Я б тогда не стала Гнуться и качаться.

Тонкими ветвями Я б к нему прижалась
И с его листами День и ночь шепталась".

Но нельзя рябине К дубу перебраться,
Знать судьба такая - Век одной качаться

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逆輸入

2013年08月20日 | 日記・エッセイ・コラム

 ベルギーの片田舎を舞台にした「フランダースの犬」、テレビでアニメ化されたこともあって、その美しく悲しい物語はほとんどの日本人が知っていることと思います。

 原作はA Dog of Frandersと英語で、英国の女性作家ウィーダ(1839~1908)によって書かれた英国文学です。ウィーダは旅行好きで紀行小説をいくつも書いており、その中の一つがベルギーを舞台にした「フランダースの犬」です。

 16世紀から17世紀にかけて活躍したペーター・ポール・ルーベンス(1577~1640)の拠点だったアントーワープの近くの村に住む貧しい少年ネルロは、両親を早くに亡くし祖父によって育てられ、年老いた犬パトラッシュと共に貧しい生活ながらも誠実な少年。

 ネルロは画家になりたい夢を持ち、アントワープの大聖堂にあるルーベンスの絵を見たいと言う夢を持っています。大聖堂には3枚のルーベンスの絵があり、「聖母昇天」の絵はいつでも見られたが、「キリスト昇架」「キリスト降架」は拝観料を払わなければ見ることができず、その拝観料もない貧しい生活をしています。

 貧しさゆえに泥棒の汚名を着せられ、最後は大聖堂に行き、夢だったルーベンスの絵を見ながら愛犬パトラッシュと共に死んでしまう悲劇です。

 日本にこの「フランダースの犬」が紹介されたのは明治42年のことです。日露戦争勝利のイケイケムードの中、小川未明などロマンチックでセンチメンタルな児童文学の潮流が始まる頃です。貧しいけれど画家になる夢を持っているネルロが、最後には貧しさゆえに認められないままに死んでしまうはかなさが日本人の琴線に触れたようです。

 「フランダースの犬」は英国でもあまり知られていないどころか、舞台となったベルギーでもまったく知られていない物語でした。時代は20世紀末。生活の向上した日本人が海外に出るようになります。テレビで見たフランダースの犬の故郷を見ようと人々がベルギーに押しかけるようになります。

 アントワープ界隈も「そんな物語があったのか?」と寝耳に水で、押し寄せる日本人観光客が「フランダースの犬の舞台はどこですか?」と訪ねまくるものですから、「こりゃどこかにフランダースの犬の舞台を作らなければならない」と腰を上げます。

 アントワープから数キロはなれたホーボーケンと言う村がネルロのふるさとに名乗りを上げました。ここを訪れるのは日本人だけだそうで、私の弟もパリに短期留学していたときに出向いています。その頃はまだネルロとパトラッシュの銅像はなかったそうですが、後に銅像ができます。ところが、このパトラッシュが小説とは似ても似つかない小型犬で、ネルロと一緒に荷車を引く大型犬ではありません。原作にも労働に耐えた大型犬とあるのですが、彫刻家は小説を読んでいなかったのでしょう。

 元々はイギリス発なのでしょうが、フランダースの犬は日本からの逆輸入と言う形でベルギーに押し寄せました。

 ロシアにも思わぬ日本からの逆輸入があります。♪日曜日に市場に行って♪”一週間”の歌がそうです。元々はウクライナの一部地域で歌われていた村歌で、ほとんど忘れられたような歌だったそうです。

 日本でロシア民謡やソビエト歌謡が一般に親しまれるのは戦後のことで、シベリア抑留者などが抑留中にロシア兵が唄う歌をおぼえて持ち帰ったものなどが多かったようです。こうした抑留者からの帰還者には共産主義者になったものも多く、労働運動や、背後に共産主義者が関わる歌声運動などにロシア民謡やソビエト歌謡が用いられるようになります。

 ロシア民族の好む旋律が日本人に受け入れやすいメロディーだったこともあったり、コーラスを考慮して作られたソビエト歌謡は学校の音楽教育やコーラス愛好家に好まれました。

 ソビエト時代、日本の有名なコーラスグループのダークダックスがソビエトに招待されました。モスクワ公演に向けて今まで唄っていない新しいレパートリーを探したところ、ウクライナの村歌”一週間”の譜面が見つかり、これをレパートリーに加えてモスクワ公演で披露しました。

 ”一週間”は観客のほとんどが始めて知る歌だったようで、日本から逆輸入と言う形でロシア人達の耳に入ることになりました。

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高校野球

2013年08月19日 | 日記・エッセイ・コラム

 あまりの暑さでぐったりどころか生命の危機さえ感じてしまいます。

 テレビも昨年から映らないし、興味なかったので見ていないのですが、前橋育英高校がベスト4に勝ち進んだみたいで、まだ夏が終わらない。2番バッターの田村選手というのが、我が家のすぐ上の集落の少年らしいので、私の村からも甲子園にバスツアーに行っているもようです。

 どこの家の子供?と聞いたら○○さんの孫と言われて、あぁ、とわかりました。もはや高校生の両親が年下で、祖父母のほうがなじみがある年代になってしまいました。

 夕方、共同浴場で話を聞いたら9回裏まで茨城県の高校が勝っていたものの、突然、向こうのエースが足がつる状態になり降板し、急遽ピッチャーが変わってからエラーなどもあって同点に追いつき、延長でサヨナラ勝ちをしたそうです。

 相手ピッチャーに起きたアクシデントの原因は熱射病だそうですが、脱水症状で起きるナトリウムやマグネシウム不足による神経の伝達能力の異常ですね。これが心臓で起きたらポックリですよ。

 昔はスポーツ=根性でしたから、練習中に水を飲むな!が「是」でした。こむら返りなど筋肉がつるのは年中行事で、これがいかに危険なことか?なんてことは指導者も考えていなかったようですが、「今になって考えると」で検証するとこの指導者の無知で命を落とした少年も多いことでしょうね。

 勝った高校より、土壇場で力尽きて負ける要因を作ってしまった相手に投手のこれからが気になります。

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ハーレー

2013年08月18日 | 日記・エッセイ・コラム

130818a_2  高原の湖に○○塾なる看板をつけたワゴン車がやってきました。

 山の熊や猿に向かって、「今すぐここから立ち去れぇ~」とやるのか?と期待していたら、小学生くらいの女の子と、茶髪のヤンキー風のママと、見るからにいかつい坊主頭のおじさんが出てきました。

 湖のほとりでランチを食べて、家族で散歩して、やっていることは普通のファミリーの休日でした。

130818b_2  右翼の宣伝者と入れ違いに入ってきたのはハーレーの軍団で、こちらはマジに轟音を立てて入ってきました。

 ハーレーと高原の湖。これも似合いません。

 最近は教習所でオートバイの大型免許が取れるので、大きなバイクが増えましたが、私は30歳になるときに県の試験所で限定解除という試験を受けて大型バイクの免許を取りました。

 一時、1340ccのハーレーに乗ってみたのですが、雨が降るとブレーキは利かないし、コーナーでは腹を擦るし、山道が多い山間地域では乗りにくいバイクでした。

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エゾセミ

2013年08月17日 | 日記・エッセイ・コラム

130818  何を勘違いしたのかエゾセミが人の手の指に停まりました。

 サナギから羽化して間もないのか?まだ娑婆の経験が少ないから木の枝か何かと勘違いしたのでしょう。

 あと1-2週間社会経験をつめばベテランのセミになる???と言うより、死んじまうか。

 いにしえの日本語の枕詞によく出てくる「うつせみ」や「うつそみ」はセミの抜け殻のことですが、続く言葉は「命」や「人」や「世」を導き出し、そのはかなさを命短いセミの抜け殻にかけています。

   意外だけれど、セミはカメムシの仲間なんだそうで、木の汁などを吸って生きているのは同じだけれど、カメムシのように臭い臭いは出しません。そういえば、セミの小便などといって、あわてて木の幹から飛び去るセミが小便を引っ掛けていくことはよく知られています。小便といってもさっきまでセミが吸っていた木の樹液で、あわてて飛び去る際に飛び散ったものなんですがね。

 さて、セミを飛ばそうとしたのですが、なかなか上手に飛べないので、笹の葉の上にセミをのせて立ち去りました。

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