その昔、日曜の夜9時ごろになると「木下恵介アワー」と言うドラマの時間帯がありました。TBSだったっけかな?ウルトラマンを見てそのままチャンネルを変えなければ「泣いてたまるか」の後にこの時間帯だったような記憶があります。
何しろその頃の私はまだ時計が読めなかったもんで、なんだかわからないけれど、ウルトラマンの始まる7時は読めました。
木下恵介アワーが始まると寝るのが良い子の慣わしでしたが、あまり良い子ではなかったので時々見ていた記憶があります。
今にして思い出せば「冬の雲」だったと思いますが、田村正和や近藤正臣なんかが出ていて、沖雅也とよく間違えた仲雅美も出ていました。
ドラマの内容はまったく覚えていませんが、ドラマで使われた音楽は妙に印象に残っており、ひとつはロシア民謡と言うよりソビエト歌謡に分類される「ポーリュシカ・ポ-レ」で、仲雅美が歌ってヒットし、日本でこの曲が知られるきっかけになったと思います。
もうひとつ妙に印象に残っているのが「苦しき夢」というドイツの曲で、妙にくさいせりふが付いた演出になっていて、今聴いても星飛雄馬の失恋か?と言わんばかりに臭いのですが、いいメロディーだなと記憶に残っていました。
邦題は忘れたけど中学生のときに音楽の教科書にでていました。冬の夢」だったけかな?「夕べの夢」だったけかな?損なような日本名だったと思います。明治の時代には日本に紹介されていたようで、「墓詣で」なんて邦題だったようです。
本国ドイツでは「私は夢を見た(Ich Hab Die Nacht Geträumet)」と言う題名です。
あくまで私の意訳ですが、こんなことを歌っています。
「夜半、私は悪い夢を見たようだ。それは庭のローズマリーの木に生えた。
墓場は庭の花壇にあった。木々の緑から冠が鼻の上に落ちた。
私は花を束ねて小金の花瓶に挿した。花は砕けて私を打ち据えた。
私はわずかばかりの真珠やバラを見た。その夢が何を意味するのだろうか?もしやあなたが死んだのでは?」
悲劇が大好きなドイツ人だけあって、元の歌のほうは結構不気味な暗示感じさせる歌ですが、聴いてみるとドイツ版のほうが肩の力が抜けていて明るく聴こえてしまいますかなり不気味な歌なんですが。
さてさて、先日の「二十四の瞳」も木下恵介の映画で有名でしたが、たまたま「冬の雲」を取り上げてみてから、あ、先日二十四の瞳の悪口書いちゃった!と、気がついたしだいで、特に木下恵介のことを取り上げたかったわけではありません。
TBSのこの時間帯って半世紀近い「ドラマの時間帯」だったんですね。名人劇場なんてエンタメもありましたが・・・。
今は航空自衛隊をモチーフにしたドラマが好評みたいですね。我が家はサルがアンテナひん曲げてくれたおかげでこの1年ほどテレビが映らないので近所でビデオ借りてきて見ています。