ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

ボルグ/マッケンロー(ネタバレあり)

2018-09-30 18:06:00 | 日記
前回のセイヤングで、大坂なおみ選手の話題になった時
甲斐さんが触れられた映画「ボルグ/マッケンロー」を観ました♪

甲斐さんが、大坂選手の戦いぶりをご覧になって
「ナンか久方ぶりに、ちょっと熱くなりましたね
ああ、やっぱ格闘技だなっていう感じがですね
僕ら、それ一番、生で熱く観てた時のね
しかも、その時の一番スゴイ試合が映画になったっていうことなんで…」

…と話されていた通り、1980年のウィンブルドン決勝戦
3時間55分にも及んだ、まさに「死闘」とも言うべき名勝負を軸に
「氷の男」と「悪童」が、そこに至るまでの道のりを描いた作品なんですが

甲斐さんが「マジ、そっくり!」と驚かれていた
ボルグ役のスベリル・グドナソンはもちろん
その幼少期を演じたのが、ボルグの実子レオ・ボルグということで
ボルグ本人のホームビデオか?(笑)と思うほどリアルだし

ハンディカメラやステディカムを駆使したという試合シーンも
本物の試合の映像を使ってない?(笑)ってくらい臨場感たっぷりで
「やっぱ格闘技だな」という甲斐さんの言葉にナットクです

特に「炎のタイブレーク」と呼ばれた第4セットの22分間で
7回もマッチポイントを迎えたボルグと
それを阻止して最終セットに持ち込んだマッケンロー
どちらもフルラウンドを戦ったボクサーにしか見えません(汗)

でも、この映画で一番驚いたのは
「マシン」のように正確無比、常に冷静沈着なボルグと

セリーナ・ウィリアムズ選手の主審への抗議についてコメントしたことに
松藤さんから「お前が言うな!(笑)」とツッコまれたマッケンロー(笑)
アメリカのメディアにさえ
「アル・カポネ以来最悪のアメリカ人」と非難された「悪童」が
実は「似た者同士」だったという事実!

一番初めにボルグの幼少期のシーンが映し出された時
一瞬「ん?マッケンロー少年?」と思ったくらい(笑)
…って、もし2人の髪の色が同じだったら、気づかなかったかも!?(笑)

ボルグ少年は、負けず嫌いで喜怒哀楽が激しく
すぐにキレて、手がつけられなくなる性格で
他の選手の父兄から、我が子と試合をさせたくない相手No.1…(苦笑)
6ヶ月の出場停止処分を受けたこともあったらしい(汗)

ウィンブルドンの1回戦に勝利したボルグが
テレビでマッケンローの試合を観ていた時
審判に「うるさいハトを何とかしろ!」(笑)と文句を言う姿に
かつての自分を重ねるシーンと

ラケットを叩きつけ、審判に噛みつき、コートに唾を吐くなど
「紳士のスポーツ」にあるまじき行為の限りを尽くすマッケンローを見て
あんなに頭に血が昇ってちゃ、まともなプレーは出来ないだろうとの意見に
「いや、違う」と、ボルグだけが、マッケンロー独自の集中の仕方を見抜き
実際、その直後にマッケンローがサービスエースを決めたシーンが印象的でした♪

そうやって、ストレスやプレッシャーを発散するマッケンローとは違い
ボルグは、その才能を見抜いたレナートコーチによって
沸き上がる怒りや不安を1打1打に込めろと叩き込まれ
感情をコントロールすることを覚える訳ですが
ボクがもし、どちらかの人生を選べと言われたら、断然マッケンローだな(笑)

…というのも、ボルグにとって
この1980年のウィンブルドンは、5連覇がかかった年で
ただでさえ、最も権威あるグランドスラムに出場するというプレッシャーに加え
ファンの期待やメディアの取材攻勢によるストレスも半端なく

何よりもボルグ自身が、この大会に敗れたら、みんなに忘れ去られてしまう
自分が何者でもなくなってしまうといった存在証明をかけてしまったこと…
自分で自分の首を絞めるというか、王者ならではの葛藤というか…(汗)

そういったもののために、ちょっと散歩に出かけたつもりが
婚約者のマリアナから「遅かったのね」と言われるまで
時間の感覚がなくなっていることに気づかなかったり
モナコの自宅のベランダに立っている内に
遥か下にあるプールへ今にも飛び込みそうになったり(汗)

試合が近づくに連れ、極端にナーバスで不安定な精神状態が高じ
いつもと同じホテル、いつもと同じ車、いつもと同じ道順といった
安心感をもたらすはずのこだわりに狂いが生じると更に不安や恐怖を募らせ
マリアナを部屋から追い出したり、コーチをクビにしたり…(汗)

眠る前には、50本のラケットを1本ずつ丹念にチェックし
心拍数を下げるために、室内をキンキンにして身体を冷やすという
ルーティンもままならないくらい追い込まれる…って

「ウィンブルドンがなんぼのもんや」という気持ちと
そうやって命をすり減らすような思いをしてまで打ち込める
まさに「人生そのもの」というものを手にしたことへの羨望が入り交じり
決勝戦が行われるセンターコートへ出て行く後ろ姿に胸が痛むやら
結果も、その過程も知っているはずの試合シーンに手に汗握るやら…(苦笑)

でも、この映画で描かれたエピソードなんて何も知らずに
リアルタイムで試合を観た時よりも
映画の中の試合を観た後の方が、より一層感動すること間違いなしです♪
甲斐さんが「ボルグ好き」になられたきっかけとおっしゃっていた
「サーブを打つ前の息づかい」も堪能できますし…(笑)

おまけに、ラストで「似た者同士」の2人が言葉を交わすシーンが添えられ
壮絶で息詰まるドラマの連続の後に、一服の清涼剤って感じで、観賞後感は爽快♪
世界の渡部さんのように上手くは書けませんでしたけど
よろしければ「劇場へどうぞ!」(笑)

余談ですが…この翌年のウィンブルドンでは
マッケンローがリベンジし、ボルグの6連覇はならず…
ボルグは自身の存在証明とどう向き合ったのか?と気になってしまって…(汗)

ただ、1983年にツアーの過密スケジュールに抗議したボルグが
26歳の若さで引退したことに関して
マッケンローが「ボルグほどの選手がラケットを置くのだから
今のツアーシステムは間違っている」と
コメントを発表したことに改めて拍手を贈りたくなったのも
この映画のおかげだけど…♪
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