甲斐さんは、甲斐バンドのライブに関して…「あと、もう1コ、すごい心がけていたのは
喜怒哀楽を判りやすく出す…っていうのは、すごい心がけてましたね
(『要するに…その…要するに、バンドとして?』と中井さん)
バンドとして…あの…僕が、バンドのメンバーにも(喜怒哀楽を)見せる
オーディエンス…観客にも判りやすく出すっていうのは、心がけてた…っていうか
もう、絶対そう持って行こうと思ってたんで…
客も覚えるんですよ『あっ!この人、超…意外とトンがってるな』とか
『せっかちだな』とか『ここで怒るんだ!?』とか…」と話されてましたが
奥さんは「全然『意外と』じゃないけどね(笑)」とクスクス笑う一方で
「『ここで怒る』っていうか『今日も怒る』って感じの時期が長かった」と
「お金払って怒られに行ってた」当時を思い出し遠い目…(笑)
ともあれ…「ナンか…ナンか、みんな…みんな、こう…『押してもダメなら引いてみな』
…みたいなことなんですよね、実は…客と、あの…バンドの関係って…」と甲斐さん
「で、僕、最初の3曲、ガーッと押すんですけど
例えば、NHKホールでやってて、3階の上の所(の観客)が、こう…揺れて来たら
もう、そっから、僕、引くんですよ
すると、客はこうなるんですよ(…と前に乗り出す姿勢)
そういうのがもう、こう…年間に150本とか(ライブを)やってると
だんだん、押し引きが判るようになって…っていうのもあるんで…
まっ、特にバンドのメンバーには、すごい喜怒哀楽をハッキリ…
判りやすく出すようにしてましたね」と説明なさってましたが
「あえて『出す』っていうより、自然に出ちゃうタイプじゃね?(笑)」と奥さん(失礼!)
更に、中井さんが「そのバンドのメンバーが、喜怒哀楽、出されるとムカついたでしょ?
その…甲斐さんに対して…?」と、心配そうにお訊ねになると
甲斐さんは「うん、そう!そう!そう!もちろん!」と返され(笑)
中井さんが「イヤ『もちろん!』って…」とツッコまれたトコでも
「イヤ、そういう人なんですよ~!気をつけてくださ~い!(笑)」とアドバイス(失礼!)
ただ、中井さんのツッコミに対して、何人かのスタッフの方の笑い声が聞こえたし
やっぱりフツーは、そんな「もちろん!」案件じゃないってことですよね?(笑)
でも、甲斐さんが「そうしたら、議論になるじゃない?僕、議論がしたいんですよ
(『あっ!ただ…』と中井さん)
僕が全部、(曲を)作ってるから(メンバーが)何か言わないと、全部成立して行く…
(『だから、こっち(メンバー側)から出して欲しいわけ?』)
そうです、そうです、そうです…(『喜怒哀楽を?』)
そう!それでもう、僕が喜怒哀楽、判りやすい形で出すと…(『向こうも出して来る?』)」
…と話されるのへ、中井さんも食い気味に言葉を発するようになられて来てて(笑)
それは、甲斐さんの話し方に慣れて来られたためなのか?
それとも、お二人は案外?似た者同士でいらっしゃるのか?ビミョーな感じでした(笑)
それはともかく…「絶対、向こうもちょっとね
色んな思いがあるじゃないですか?だから、出して来るんで…
(『それで、カツン!となって「もう解散だ!」みたいなことは…?』)
イヤイヤイヤ!もう絶対ならない、それは…
まっ、もちろん、イスは飛ぶわね…(『イス飛ぶ!?』)…お前は蜷川(幸雄)か!?って…(笑)
それはウソです(笑)もっと酷かったと思うんですけども…」と甲斐さん
…って、この言い方だと「イスが飛ぶ」のが、ウソみたいですよね?(笑)
「その代わり、そこで出すだけ出して、みんな揉めるだけ揉めたら
そのまんま、絶対一緒に食事に行くんですよ
その時は一切ない、仕事の話、しない
(『じゃあ、アメリカ的ですよね』と中井さん)
そう、それをすごい言われましたもん」とおっしゃってましたが
その昔、ライブ後のミーティングが長引いて、出待ち時間が長くなり
奥さんが、日付けの変わる頃に帰宅したら
「きっちりドアチェーンまで掛けて閉め出された」んだとか…(苦笑)
まあ、そのわずかに開いたドアの隙間から手を入れて、自力でチェーンを外したそうだけど…(笑)
ここで、六角精児さんのナレーションが入り…
「甲斐は、福岡市で理髪店を営む親の元に生まれた
(1953年 福岡市生まれ…とのクレジットと、1歳の甲斐さんの写真が映り)
ラジオからは、最新のアメリカンポップスや
ロックナンバーが流れていた(…と、1950年代の福岡市中心部の映像)
そうした音楽を3人の兄と共に、甲斐は浴びるように聴いて育った
(…と、3歳の甲斐さんが、バットを右で構えておられる写真)」…と紹介されたあと
甲斐さんは「基本的に、もう小学校の3年の途中くらいにビートルズが出て来て
リバプールサウンドっていうブームがあったんですよ
ビートルズ、ストーンズ、アニマルズ、キンクスとかそういう…
それが、小学校3年の2学期くらいに(出て来て)、その洗礼を全部浴びちゃったんで…
あと、あの…福岡は(米軍)基地が4つ…3つか4つくらいあったんで
FENがガンガンかかってるんですよ
(画面下には『FEN(現AFN Pacific)…
在日米軍関係者などに向けたラジオ放送』というクレジット)
そいで、向こうの…ホントに最新の『HOT 100』を聴けるんですよね
(『HOT 100』…アメリカのシングル人気チャートとのクレジット)
それもすごい良かったと思うんですけどね
まっ、もちろん、英語で喋ってますけど、ガンガン…『うおっ!』って感じでしたもんね」と話され
「…っていうことは、結構その…それだけ幼少期に、そういう英語とか入ってるってことは
耳で覚えるってことですよね?」という中井さんの言葉に
「そうです、そうです。例えば、日本人って…ハーモニーやるじゃないですか?
で、ハーモニーやる時って、みんなこう…集まって、こう…『Woo~』って、一斉に声出して
3声で出したとした時、こう…まとめる感じで『Woo~』って合わせに行くんですよ
でも、アメリカ人なんて、特にそうなんですけど、もう一斉に全員が強く出すんですよ
『ワアーッ!』って出しといて、ここで(…と前方に腕を伸ばされ)まとまるっていう…」と返されると
中井さんは「ふーん…ここで(…と両手で胸の辺りに輪を作られ)まとめないってこと?」と質問
甲斐さんも中井さんと同じように、胸の辺りに輪を作られ「ここでまとめない
だから、やっぱ考え方が違うんですね、やっぱりね
ナンか、フィジカル…フィジカル的だっていうかね
そういうのが、ナンか、人に教えられる前から、自分でナンか判ってたし…」
…と、甲斐さんファンの皆さんには、お馴染みのハーモニー論を披露なさってましたが
先日、奥さんがクイーンのライブ映像を観ているのを、チラッと眺めていて
今更ながら、このバンドのハーモニーの美しさにビックリ!
ナンていうか、いわゆる「コーラスグループ」ではないのはもちろんなんだけど
あんなに個性豊かな4人が、それぞれ好きに歌ってるように見えて
実は、ものすごく声の相性が良いのか?ってくらい
少なくとも、ハーモニーに関して、このバンドの完コピをするのは
かなり難しいんじゃないか?と思うほど、耳に心地よいハーモニーでした♪