ボクの奥さん

ボクの奥さんは、甲斐よしひろさんの大ファン。そんな彼女との生活をお話したいと思います。

2021年春~夏の連ドラ7

2021-08-31 20:10:00 | 日記
続いては、定番の「警察モノ」をご紹介しようと思うんですが
前々クールのドラマネタの際に「相棒」シリーズを振り返ったこともあり
今回は「警視庁捜査一課9係」から「特捜9」シリーズをまとめてみます

…というのも、前クールの「特捜9シーズン4」の第3回に
「9係」の初回からレギュラー出演なさっている津田寛治さん演じる村瀬刑事が
「最近、昔のことをよく思い出す」と胸の中で呟き
シリーズの登場人物たちについて、村瀬刑事の目線から、その人となりを語り
シリーズの流れを説明するといったストーリーが組み込まれていて

定期的に放送されている人気シリーズの固定ファンサービスと共に
新たなファン獲得のためのテコ入れなのかなあと…?
我が家には、長いキャリアを誇るバンドのリーダーの方の熱烈なファンがおり(笑)
こうした取り組みには敏感なもので…(笑)

そもそも「9係」がスタートした時に、数多ある連ドラの中で
奥さんが「キライな役者さんが1人もいない」どころか
むしろ「好きな人ばっかり」というキャスティングのドラマは初めて(笑)とあって
放送があるクールのたびに、毎週のオンエアを楽しみにしていたんだけど

村瀬刑事は、エリート意識が高く、出世することに血眼のイヤミな奴で(苦笑)
このチームの中では「仇役」的なポジションだったのが
「9係主任、14係係長まで務めた」ものの「部下の不祥事で9係に戻されてからは、ヒラに落とされた」辺りから徐々に変貌を遂げ

「その9係もやがて解散、所轄の刑事課で主任を務めていたところ
また同じメンバーが集まることになった。それが警視庁特捜班だ」
…と大まかな流れが、村瀬刑事の独白で紹介されたトコで
「おはようございます!」とイノッチ演じる浅輪刑事が登場

村瀬刑事が、7~8年に仕事着として着用していたスーツのポケットから出て来た
葡萄の房の形をしたイヤリングを見せ「見覚えがないか?」と訊ねる件を経て
先に署へ向かう浅輪刑事を見送りながら、再び村瀬刑事の独白…
「まさか、あいつが主任とはなあ…浅輪直樹統括警部補…

9係に入った当初は、青二才を絵に描いて額に入れたような奴だと思っていた
底の浅い正義感で熱くなり暴走するところは、とても刑事とは思えず、見るたびゲンナリしてた
就任早々、大失態を犯したこともあり、苛立ちしかなかった

性格も、愚鈍な優しさ、過度の実直さ…とても刑事に向いているとは思えなかった
コンビを組んでいた係長も野放しにするだけで
育てようとしてないように見えて
つい俺も浅輪には厳しく接していたように思う

だが、予想に反して、2人は次々と事件を解決して行く
最初は、係長が浅輪を上手く使いこなしていると思っていた
しかし、徐々にそれだけではないことに気づいて行った
浅輪の真っ直ぐな優しさが、係長と化学反応を起こしていたのだ

時には、事件の参考人が、まるで村の駐在さんに話すように心を開くのを見て驚くこともあった
その優しさは、他の刑事たちを変えて行き、加納係長(渡瀬恒彦さん)さえも変えたように思う
特捜班の主任になってからは、後輩である浅輪に、みんなが守られているようにすら感じる時がある
もっとも、本人は気づいてさえいないだろうが…」

と、まずは浅輪刑事について語ってくれましたが
加納係長が、家庭を顧みず仕事に打ち込んでいたせいで
妻の死に目にも会えず、娘(中越典子さん)と絶縁状態だったのを
未来の娘婿となる浅輪刑事が、父娘の仲直りに大きな役割を果たしたことは
過去の映像でサラッと流れただけでした(苦笑)

ともあれ、村瀬刑事が署に到着し、今度は新藤刑事(山田裕貴さん)についての独白…
「新藤亮巡査、新宿中央署刑事課から転属…新藤は、初めて会った時から好感が持てた
浅輪と初めて会った時とは真逆だ。同じ新人でも、新藤に対しては先に良い所が目につく
多少、自信過剰だったり、早計な所もあるが、愛嬌で済まされる範囲だろう
あの若さで、冷静で人徳があったら気持ちが悪いというものだ

浅輪の時と違うと感じるのは、俺が年を取ったからかも知れない
みんなが成長を見守って来た浅輪直樹が…と思うと感慨深いものがある
いつも目の前のことに一生懸命で余裕がないのは、加納係長と真逆だが
言葉じゃない部分で教えるところはそっくりだ」

…といつの間にか浅輪刑事の話になっていて(笑)
村瀬刑事に、刑事として成長するためのアドバイスを求めた新藤刑事に
「浅輪を見て学べ」と一言(笑)
心の中で「浅輪に任せておけば大丈夫だと思う」と付け加えてました(笑)

続いては、初回からず~~っと…って、現在もまだ
進行形で「天敵」の青ちゃん(吹越満さん)が登場(笑)
「青柳靖警部補…世の中に刑事を職業とする人間は数多くいるけれど
自分とこんなにも合わない刑事は、彼だけだと思っている

独りよがりで、子供っぽく、気に入らないことがあればすぐに怒り
自分より有能な人間に対しては、ひがみこそすれ決して尊敬することもなく、全く人として成長しない
それでよく警察という組織に身を置いていられるなと思う

もし、万が一、青柳さんのことをアウトローでカッコいいと思う者がいるとしたら
そういう人間とさえも、自分は合わないと思う
どんな思考で、この問題刑事をカッコいいと思えるのか判らない
自分勝手に行動すれば、それでカッコいいのか!?

青柳さんのせいで、どれだけの人間が迷惑を被っているのか
判っていてカッコいいと言っているのか!?
だとしたら、人を気遣って、社会のルールを守り
地道に一生懸命生きている人間は、カッコ悪いのか!?

彼の刑事としての能力が低いとは思っていない
むしろ類いまれな捜査センスを持っていると思っている。ただ、自分とは合わない
万が一、一緒にコンビなんか組まされたら、確実に双方とも潰れてしまうだろう
本当なら、一緒には働いてはいけない2人かも知れない
それなのに、もう10年以上、一緒に働いている

彼とこんなに長く一緒にいるから、自分は満足いく
ポストを得られてないのかも知れないと、疑心暗鬼になることもある
もしも、自分の刑事人生に青柳さんがいなかったら?と想像してみたこともある
すると、彼のいない職場は恐ろしくつまらないことに気づいた

青柳さんとは、とことん合わないけれど
そういえば、人間性を嫌いになったことは1度もない」
…と、最後の方を除けば、ほぼ予想通りの人物評が並んでますが(笑)
お互い相手よりも先に犯人を検挙したいと競い合うあまり

より有利というか、犯人逮捕への最短ルートと思える
手がかりや目撃者を調べることを「俺が!俺が!」と取り合ったり(苦笑)
捜査の過程で入手した情報を捜査会議で明かさず、抜けがけしようとしたり(苦笑)
大人げないトコは似た者同士なんじゃないかと…?(笑)

その青柳刑事の相棒である「矢沢英明巡査部長(田口浩正さん)」については
「青柳さんの陰に隠れて、初めはほとんど眼中になかった
矢沢を見る目が変わったのは、自分が主任からヒラ刑事に転落してからだ
ヒラ刑事の視点から見ると、矢沢のことが見えて来た

青柳さんが熱くなればなるほど、自分は意識して冷静になっていること
9係のメンバーを常に観察していること。妻と子供を愛していること
そして、それ以上に青柳さんを愛していること
たぶん、この男は、いつも自分のことを後回しにして行動している
常に他人のことを1番に考えている。それは、被害者や加害者に対しても…

チームの中で、1番頼れるのは矢沢ではないだろうか?
最近、その思いは確信に近づいて来た」と絶賛
ただ、やはり本人の言う通り、出世したい、自分はこんな所にいる人間じゃないと
チームのメンバー全員を見下していた頃から、矢沢刑事はずっと矢沢刑事だったし
年齢を重ねるに連れ、その「矢沢イズム」に磨きがかかっただけなんですよねぇ(笑)

ちなみに…この日は、村瀬刑事の相棒「小宮山志保刑事(羽田美智子さん)」が外出中だったので
矢沢刑事からランチに誘われ、あろうことか青柳刑事と呉越同舟(笑)
もっとも、村瀬刑事が矢沢刑事の誘いに乗ったのは
例のイヤリングに見覚えがないか訊ねるためだったんだけど(笑)
青ちゃんがトイレに立った隙を狙って質問する辺り
青柳刑事が絡むと面倒くさくなるという気持ちが滲み出ていてツボりました(笑)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2021年春~夏の連ドラ6

2021-08-29 21:55:00 | 日記
さて、我が家の今クールNo.1ドラマ「TOKYO MER」です♪
「走る緊急救命室」というサブタイトルの通り
「待っているだけじゃ助けられない命」を救うため、事故や災害、事件の現場に駆けつける…
って聞いて「コード・ブルー」のドクターヘリを思い浮かべたんだけど

あちらは、応急処置をして病院へ搬送するのが基本で
土砂崩れなどで救急車両が現場に辿り着けない場合に威力を発揮するのに対し
こちらは、8トンの「ERカー」にオペ室が搭載されているため
搬送時間なしに現場で緊急手術が可能とあって
これまでのところ「死者を1人も出さないこと」という使命に応え続けてます

このMER(モバイル・エマージェンシー・ルーム)は
赤塚東京都知事(石田ゆり子さん)の肝いりで発足し
チーフに任命された喜多見医師(鈴木亮平さん)を中心に、研修医(中条あやみさん)
麻酔科医(小手伸也さん)、看護師(菜々緒さん、フォンチーさん)
臨床工学技士(佐野勇斗さん)らと、危険を顧みず任務を遂行するんですが

このチームをモデルケースにして、全国に拡大する構想と共に政界進出を狙う
赤塚都知事を排除したい白金厚生労働大臣(渡辺真起子さん)の命を受け
医師免許を持つ官僚・医系技官(賀来賢人さん)が
チームの一員でありながら、MERを潰すべく暗躍中で(汗)
前回、MER解散の決定打になると目されていた喜多見チーフの過去…
「空白の1年」が、ついに明らかになりました!

ただ、MER発足当初は、何かと喜多見チーフと対立し、チームワークを乱して来た音羽先生が
回を重ねるごとに「官僚」<「医師」に傾いて来て
甲斐さんのお友達の文珍師匠演じる大物政治家・天沼幹事長と一緒に
病院内のエレベーターに閉じ込められる回では

もう1人の妊娠中の患者と幹事長、どちらの治療を優先するか?…
つまり「医者」を取るか「官僚」としての人生を取るかの決断を迫られ
本当は、その妊婦さんに投与されている点滴の薬剤を見て
エレベーター内で容態が急変した時のために
MERを呼んだことを察していたらしき喜多見チーフに
「音羽先生の判断に任せます!あなたは医者ですから」と言われて妊婦さんの治療を選択

…って、そもそも幹事長は、不正献金疑惑逃れの仮病入院だし(苦笑)
音羽先生を援護するためにエレベーターに乗り込んで来た喜多見チーフから
「協力してくれれば、あなたはヒーローじゃないですか!」と言われちゃうし…(笑)

まあ、この喜多見チーフはナカナカの「人たらし」で(笑)
事故や事件の現場を仕切っているレスキュー隊や、警察の特殊部隊を相手にしても
こちらだって命がけで患者を救おうとしているんだ!的な熱意でもって
いつの間にか協力関係を築いてしまうので(笑)
権力を振りかざすだけの政治家なんて、赤子の手をひねるようなもの(笑)

唯一、その「人たらし」の技術が通用しなかったらしい?のが
循環器外科医の元妻(仲里依紗さん)みたいで、いつも喜多見チーフには塩対応(苦笑)
ただ、喜多見チーフが、ここぞという時に「高輪先生」じゃなく「千晶」と呼ぶと
しぶしぶOKしたり、アドバイスに従ったりするってことは
多少の?神通力はあるのかも知れません(笑)

ちなみに…エレベーターが止まったのは、地下で火災が発生したためなんだけど
その発火の様子が「タワーリング・インフェルノ」の発火シーンに似ていて、ザワつく我が家(笑)
その火災を一番に発見するのが、警備員役のO.J.シンプソンだった…とか
甲斐さんが、事件のあったシンプソンの家に行ったことがあるって言ってた…等々(笑)

ともあれ…エレベーターシャフトを伝い、酸素ボンベを持ってやって来たレスキュー隊員に
文珍幹事長は、自分だけ先に助けろ!と手を伸ばし、エレベーターの中で何度もジャンプ(汗)
その衝撃でゲージを支えているワイヤーの1本が切れ、墜落の危険が急増(汗)
「タワーリング・インフェルノ」にも、この手の「クズ」が出てたなあと…(苦笑)

で、この喜多見チーフの懐柔に、赤塚知事の「大人の駆け引き」が乗っかって
幹事長がめでたく「ヒーロー」となったおかげで(笑)
音羽先生は、エリートコースから外れることを免れたし
医系技官になったのは、日本の医療制度をより良くするためということが明らかになり

「音羽先生、尊い!」「今夜は神回!」との声が高まる中
かつて「踊る大捜査線」の中で、いかりや長介さん演じるヒラのベテラン刑事
和久さんが、織田裕二さん演じる青島刑事に
「正しいことをしたいか?だったら偉くなれ!偉くなって上へ行け!」と
アドバイスするシーンを思い出された方が多数いらして
我が家は「そうか!音羽先生は『室井さん』なんだ!」とナットク(笑)

あと、奥さんも含め、腐女子の皆さん?の間では
援護に来た喜多見チーフが、音羽先生に両手が使える酸素マスクを着けてやり
音羽先生の両頬を手で挟んで、顔を覗き込むシーンや
エレベーター内から救出されたあと、意識を失って倒れそうになった音羽先生を
喜多見チーフがしっかりと抱きとめるシーンを観て「音羽先生ヒロイン説」が急浮上(笑)

鈴木亮平さんは「孤狼の血LEVEL2」でも
松坂桃李さんとの最後の死闘は「デート」だの(笑)「ランデヴー」だの(笑)
「愛を交わしている」だの(笑)「BL」だのとまで言われておられたし(笑)
鈴木さんの闘いぶりには、そう思わせる何かがあるんでしょうか?(笑)
ただ、音羽先生は、妊婦さんに付き添っていた
喜多見チーフの妹(佐藤栞里さん)とイイ感じになっていて、未来の義兄弟と…なんてねぇ?(笑)

もっとも、我が家はやはり、喜多見チーフの「ですね」から目が離せません(笑)
イヤ、最初は、喜多見チーフが、治療方針を説明したり、投薬の指示を出したりしている時に
先回りして返事が返って来ると「ですね」と言っていたのが
その内に、治療方針が「危険です!」と反対された時にも「ですね」と応え
方針を見直すのかと思いきや、そのまま続行で
「ですね」の意味、判ってますか?状態に…(笑)

そこへ、先日の「孤狼の血LEVEL2」観賞があり
鈴木さん演じる、超ヤベ~!ヤクザが、残忍な犯行に及ぶ前に
喜多見チーフの「ですね」の時と同じ笑顔を浮かべるのを観て、心底震え上がったもので(汗)
喜多見チーフが「ですね」のあと、メスで患者さんの頸動脈を掻き切るんじゃないか!?
…みたいな妄想が頭をよぎってしまうんです(笑)

それはともかく…今夜放送された「大使館編」は
喜多見チーフと千住隊長(要潤さん)の「貸し借り」やら
赤塚知事の伝言やら、駒場さん(橋本さとしさん)のうるうるやら、音羽先生の「嘘」やら
グッと来るシーンがテンコ盛りで「やっぱイイわ~!このドラマ♪」と思ってたトコへ

白金大臣と久我山局長(鶴見辰吾さん)の陰謀…
か~ら~の「恋は盲目」な妹の秘密漏洩(汗)
次回は、またまた外事四課と「ツバキ(城田優さん)」登場とのことで
にわかに暗雲が垂れこめて来て、1週間が長いなあと…(苦笑)
あっ!でも、外事四課のお二人に陽性反応が出たため
次回放送日未定となっていたのは、クリアしたみたいで良かったです

今クール中、同じ「医療ドラマ」で「MER」とカブってしまったのが
フジテレビ月9の「ナイト・ドクター」(苦笑)
イヤ、単品で観れば、そこそこ面白いんだけど
いかんせん、24時間前の「MER」と比べてしまうとねぇ…(汗)
こちらは、医師の「働き方改革」のために、夜勤専門のドクターが集められる…という
ある意味「MER」より、現実味のある設定だし

「昼間の医者たち」との引き継ぎシーンでの確執や
夜間の緊急搬送に対応するってことは、ほぼほぼ「救命救急室」状態であり
あらゆるケースや症状に対処するが故に、広い知識や技術を身につけることが出来る一方で
「専門医」への夢や葛藤が生まれるといったストーリーは、とても興味深いものの

共に成長して行こう!的な「仲間との絆」を強調されると鼻につくというか(失礼!)
全員が「優等生」っぽい感じが苦手なのかなあ?(苦笑)
まあ、豪華キャストと高視聴率を誇る「東芝日曜劇場」枠がライバルでは分が悪いし
ナンとかコンプリートを目指そうとは思っております(苦笑)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2021年春~夏の連ドラ5

2021-08-28 21:10:00 | 日記
「コンプライアンス重視の世相に風穴をあける」
ハードなバイオレンス・アクション映画のご紹介のあと(笑)…ということで
ドラマネタ再開は、甲斐さん御用達の(笑)「孤独のグルメ シーズン9」から…♪

新型コロナウィルス感染予防のため「孤食」が推奨されるようになって
このドラマにスポットライトが当てられてましたが
コロナ禍では初めてのレギュラー放送とあって
五郎さんも、他のお客さん達も、お店の方も皆さんマスク姿です

小松幸敏プロデューサーは、ことさらに飲食店の受難を強調することなく
「変わらず店に行ける五郎さんがいることが、応援に繋がれば…」
…との思いで制作しているとおっしゃっていたものの

ある街のお店で食事を済ませた五郎さんが
以前にその同じ街で訪れたことがあるお店を探したら
そのお店がなくなっていた…というシーンが添えられていたりして
やはり「コロナ前」とは変わってしまったんだなあと…(汗)

五郎さん役の松重豊さんは、番組が人気を博し、シーズンを重ねられても
「おっさんが1人でメシを食ってるだけなのに何が面白いんだ!?」と話されていたけど(笑)
コロナ禍になってからのインタビューでは「一人ぽっちで寂しく食べるのではなく
あえて一人で食べることを選ぶ『独食』を描いていると捉えてみたい」とおっしゃっていたし

今や「独身や1人で行動する人」を「ぼっち」と呼ぶことはなくなり
「おひとりさま」や「ソロ活」は「日常」となっていて
同じテレ東では「ワカコ酒」や「ソロ活女子のススメ」など
1人の時間を楽しむドラマが相次いでます

ともあれ…「孤独のグルメ」は、確かに松重さんの言われる通り、スーツ姿の中年男性が
1人で黙々と「誰にも邪魔されず、食べたいものをお腹いっぱい食べる」という
ただそれだけの(失礼!)特に大きなヤマ場もないドラマなんですが

原作者の久住昌之さんによれば、作画を担当なさっていた谷口ジローさんは
「だからこそ、五郎の気持ちを伝えるために、背景もきちんと描かないとダメなんだ」と
1コマお描きになるのに、1日費やされていたらしく、このドラマのスタッフの皆さんも
「五郎が納豆をかき混ぜるのを30秒撮り続ける」というような形で
その精神を受け継いでおられるんだとか…

そうそう!その久住さんが、ご自身のデビュー作「夜行」について…
「アラン・ドロンのようなカッコいい人が
弁当を食べながら、下らないことを考えている話
自分が食事中、おかずを食べる順番を考えていることに気づいたのがきっかけです

カレーライスを食べる時には、ご飯とカレーのルーの配分が、すごく心配になる
途中、福神漬けでご飯を食べて調整していることに自分で気づいて、ちょっと恥ずかしかった
そんな滑稽さを淡々と描きたかった」…と明かされていたんだけど

以前に、大杉漣さん演じる男性が、夜行列車の中で
おかずとご飯のペース配分をしながら、お弁当を食べるというドラマを観たことがあり
もしかして、あのドラマの原作者は久住さんだったんじゃないかと…?(笑)

お漬け物で、ご飯の量を調整していたような記憶が…(笑)
もっとも、このドラマのラストは、最後の楽しみに残しておいた「イカリング」を
口の中に放り込んだら「オニオンリング」だった…ってオチでしたが…(笑)

それはともかく…
予てより、テレ東は他局に比べて制作費に恵まれない(失礼!)というハンデを
知恵とアイデアで補ったり、他局が手をつけたがらない部分を攻めたりと
画期的な番組を次々に生み出して来てますが
ドラマ部門に力を入れ始めてからというもの
毎クール、我が家のお気に入りのドラマを量産して頂いております♪

「孤独のグルメ」「バイプレイヤーズ」などシリーズ化されているものはもちろん
船越英一郎さん主演作品を含めた黒川博行さん原作の一連の刑事ドラマや
オダジョーさんと石橋蓮司さんの「リバースエッジ~大川端探偵事務所」
吉田鋼太郎さんの「東京センチメンタル」など
「キャストありき(笑)」で食いついたドラマもあれば

「湯けむりスナイパー」「まほろ駅前番外地」「下北沢ダイハード」「忘却のサチコ」など
見始めたら止まらなくなったドラマもあったし
奥さんが甲斐さんのラジオ番組に、自分のお気に入りのドラマを3本挙げて投稿したら
甲斐さんがご覧になっていた3本と丸かぶりで大喜びしていた(笑)
その内の2本…「フルーツ宅配便」「デザイナー渋井直人の休日」…がテレ東作品だったし

最近では「死役所」「コタキ兄弟と四苦八苦」「レンタルなんもしない人」「DIVE!!」
「珈琲いかがでしょう」生きるとか死ぬとか父親とか」「シェフは名探偵」
前回の記事で触れました「うきわ」もテレ東だし
「八月は夜のバッティングセンターで」等々、もう枚挙に暇がございません(笑)

あっ!でも、kainatsuさんが「とてもとても良い
色々あって心身に思わぬダメージを受けた今日の締めくくり
このドラマで癒されて、悪くない気持ちで眠りにつけます。来週からも楽しみだ」
…と絶賛なさっていた「お耳に合いましたら」は、設定やストーリー以前に
主演の方が生理的にムリで(失礼!)合いませんでした(苦笑)

ただ、テレ東ドラマの傾向というか、kainatsuさんがこのドラマに癒されていらしたように
「レンタル」さんにしても「コタキ兄弟」にしても、依頼の内容に応えるだけでなく
依頼人の気持ちに寄り添う部分がキモだったし
「生きるとか…」のエッセイストのヒロイン(吉田羊さん)は
担当しているラジオ番組の中で、リスナーからのお悩み相談に乗っていたし

「珈琲いかがでしょう」や「シェフは名探偵」は、お客さんの注文通り…
その人が本当に望んでいるであろう珈琲や料理を出すまでに
話を聴いたり、鋭い観察眼で察したりして、喉や胃袋のみならず、心も満足させていたし
…って、前者は中村倫也さん主演、後者は西島秀俊さん主演なので
お顔を拝見するだけで癒される方も多かったかも知れませんけど…?(笑)

「バッティングセンター」でバットを振り回し
ストレスを発散しようとしている野球未経験の女性たちには
元プロ野球選手(仲村トオルさん)が「野球論」で悩みを解決してくれるし…というか
このドラマに関しては、後半いきなり舞台が野球場になって(笑)

岡島秀樹さんや山崎武司さんら、本物のプロ野球選手OBの皆さんが
本人役で登場なさって、ご自身の経験やエピソードを語られるというのが目玉で
それを女性たちの悩みに置き換えて、解決のヒントに導くというドラマ部分は
ついつい流し気味に観てしまいますが…(苦笑)

寺原洋平プロデューサーによれば…「NHKに説教されるならいいですけど
『なぜテレ東に説教されないといけないのか』と多分みんな思う
とにかく説教くさくなく、何となく背中を押すようにと考えた」…そうで

「この夏、日中は甲子園、夜は『熱闘甲子園』を観て
深夜は『熱闘』まで行かない『微熱』くらいのドラマを観るのはいかがでしょうか?」
と、おっしゃってるのが、いかにも「テレ東」らしいなあと…(笑)

余談ですが…「DIVE!!」は、我が家が若きイケメンたちに目覚めた訳じゃなくて(笑)
10メートルの飛び込み台から、時速50~60キロで落下しながら、時間にして1.4秒の間に
前飛び込み、後飛び込み、前後飛び込み、後踏み切前飛び込み、ひねり飛び込み、逆立ち飛び込み

…という6種類の型の飛び込みを、1人の選手がそれぞれ行うって競技内容と
キャストの皆さんが、スタントなしでその競技シーンをこなしていらしたことに驚き
思わず最終回まで観入ってしまった次第です(笑)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

孤狼の血LEVEL2(ネタバレあり)5

2021-08-27 15:23:00 | 日記
白石監督によれば…「前作のプロデューサーからのオーダーは
描写がハードだと知られる『韓国映画を超えてくれ』」…だったそうですが
町山智浩さんも「この作品は、1970年代の実録ヤクザ映画へのオマージュであるのと
もう1つ、白石監督が目標にしているのが、香港ノワール、韓国ノワールなんですよ

元は、日本のヤクザ映画を真似して、あっちは始まったのに、完全に日本を超えちゃった
やっぱり、アクションが凄まじいんで…ジョン・ウー監督とか、韓国のヤクザ映画とか…
で、それにナンとか迫ろうとして、逆襲しようとして白石監督は頑張ってるんですよ」と話されてます

そのアクションシーンの1つ?日岡(松坂桃李さん)の相棒・瀬島刑事(中村梅雀さん)と
広島県警の中神警部補(三宅弘城さん)が「日岡ーっ!」と叫びながら
大雨の中を走るシーンの撮影は「テンション上がりましたね」と白石監督
「若者を走らせて楽しがっているようじゃまだまだ(笑)
走らせるならおじさんだと思いました」と笑っていらしたけど(笑)

その梅雀さんは「業界1,2を争う雨粒の大きさを誇る」雨の中
濡れたアスファルトの上を革靴で、70~80メートル全力疾走するシーンを
リハーサルなども含め、合計10本こなされたそうで

「65歳で全力疾走は、あとあと来ましたね、腰に…(笑)
でも、こんだけ走ったら、良いシーンになるなと思いました」と振り返っておられました
もっとも、もうお一人の「おじさん(笑)」三宅さんは
「梅雀さんの足の速さに感動しました(笑)」とおっしゃってましたが…(笑)

そういえば「イチケイのカラス」でも「安定の職権発動」によって検証が行われることになり
その窃盗事件の被告(バカリズムさん)に、体型が一番近いということで
書記官役の梅雀さんが、20~30キロの重りが入ったバッグを持ち
それを自転車に積んで、ペダルを漕ぐ…という実験を何度もやらされた時も
「あとから来た筋肉痛に苦しんでんですよ!」とボヤくシーンが…(笑)

それはさておき…奥さんは甲斐さんのラジオ番組に投稿しなかったものの
白石監督が、Eテレ「SWITCH」に出演なさった際
松坂さんが「『ガッチャマン』の時に、7階から飛んだことあります」
…と話されたのを覚えていらして「3階くらいだったら、自力で行けるかなって…(笑)」
楽しげにおっしゃっていたのが印象に残っていたんだけど(笑)
いざ、そのシーンが登場すると、あまりの迫力にビックリ!(汗)

松坂さんによれば…「ガッチャマン」や「MOZU」での飛び降りシーンは
「ホントに、ただ飛び降りるだけだったので、まあ、3階ならイケるかな?と思ってたら
監督に『一連のアクションの流れで撮りたい』って言われてから、ものすごく緊張して来て
『もしかしたら、ケガするかなあ?』って…(笑)」と思われたらしく

我が家がビックリしたのも、まさにその一連のアクションシーンの最後に
日岡が手錠をかけられたまま、いきなり窓を目がけて走り出したか
と思う間もなく、ガラスを突き破ってダイブしたからです(汗)

イヤ、いくらそのアクションのために、1日リハーサルの時間を取られたとはいえ
「10メートルの高さから何度も飛び降りる内に
ハーネスが足の付け根に擦れて出血」するほどのスタントを
主演俳優の方にやらせて大丈夫なんでしょうか?(苦笑)

ただ、前作の撮影では、監督が「暴れ方そんなもんなの?」と
役者さん達を挑発なさることがおありだったみたいですが
「今回は、コロナでクランクインまで時間が膨大にあったこともあって
役者がホンを読み込んで、掘って埋めてを繰り返したぶん、少し勇み過ぎた感があり
『もう少し抑えよう』と言うことが多かった」んだとか…(笑)

で、その最大のヤマ場…日岡と上林の一騎打ちの死闘について
白石監督は「アレは、2人のランデヴーだと思って撮ってました
だって、殺し合うだけなら、その場でも良い訳じゃないですか
なのに『行くよ』って、わざわざ車に乗るよう促して
トンネルで撃ち合って…愛しか感じないですよ(笑)」と、おっしゃってたけど

町山智浩さんも「上林(鈴木亮平さん)は、本当に可哀想な子供時代があって
モンスターになってしまったんですね。実際は哀れな男なんですよ
本当は、彼はそんな荒ぶる気持ちを、誰かに鎮めて欲しいんですよ
でも、あまりにも強すぎて、誰も彼を倒せないんで、どうしようもなくて暴れてるんです

で、その荒ぶる魂をナンとか鎮めてやろうとする人が、狼の血を継ぐ者、日岡なんですよ
だから、この映画は、実は松坂桃李と鈴木亮平のラブストーリーなんです、本当に…
で、色々あったけれども、最後は2人きりになって、愛を交わすんですよ
ハッキリ言ってBLなんで(松坂さん・鈴木さんの)ファンの人は
見に行った方がいいですよ」と紹介なさってました(笑)

そうそう!以前に、鈴木さんが「駿河太郎さんに似てるって、よく言われるんです(笑)
駿河さんが出られた作品を『観ました!良かったです!』とか言われて…(笑)
駿河さんも『変態仮面の人!』って思われたりしてるみたいだし…(笑)」と話されてたけど(笑)
この「孤狼の血」には、1,2それぞれに出演なさってることで
混乱されてる方がいらっしゃるかも…?(笑)

ともあれ…白石監督は「今、Vシネもなくなって
ラスタチ(最後の立ち回り)のある映画って、ほぼないじゃないですか
それをやれるなら、やり尽くしたいなと…
それに、上林のことを考えると、中途半端な幕切れはあり得ません
ちゃんと殺してあげるのが筋。しかも、その前に見せ場も作らないと…

本当は1日で撮るスケジュールだったんですが無理でした
鈴木さんも桃李くんもアクション映えして、見ていて惚れ惚れしちゃうので…
それに、桃李くんも言ってないのに、コンドームに入れた血糊を
アクション中に見えないように口の中に放り込んで
殴られたあとに口からドバッと血を流すんですよ

『もう、桃李くん、いつの間にそんなこと覚えたの!?』…って(笑)
そうしたら、こちらは、もう1~2発パンチを増やさざるを得ないじゃないですか(笑)
そんなことをしていると、スケジュールが押して、3日もかかってしまったんです(笑)」

…と説明なさってたけど、嵯峨管理官役の滝藤賢一さんは
「結局、3日間の内、丸2日はずっとスタンバイだったんですよ」と苦笑い(苦笑)
そのせいもおありだったのか?そのあとの蹴りを入れるシーンでは
「力強すぎでしょ!(笑)」との声が上がったとか上がらなかったとか…(笑)

その延びに延びたラスタチに対して「どっちもナカナカ死なねぇな!(笑)」と言われた鈴木さん(笑)
「長過ぎない?と思ったんですが(笑)あとで監督がカットするんだろうと思ったら
全部採用になってて、この監督オカシイ!ヤベェな!って…(笑)
心の中の闇は上林以上なんじゃないかと…?(笑)
監督こそが、羊の皮を被った狼だということが
よ~く判りました(笑)」と返しておられました(笑)

前作から、何かと日岡のことを気にかけている友竹係長役の矢島健一さんも
「ガミさんも五十子の親分も一之瀬もいなくなって、寂しくなってるのかと思いきや
クソ元気な若い乱暴者が山ほどいて、監督の変態オヤジぶりがパワーアップしていて大変な賑やかさ
テレビ放映など知ったことかの潔さ、最高でした!」とおっしゃっていて

「コロナ禍で暴れられなくて、ずっと耐えている観客が『観たい!』と望むバイオレンス
痛みが伝わるようなアクションにしたい」という白石監督の思いは
「アブナイ人」レベルに強くていらしたみたいですね?(笑)

余談ですが…「SWITCH」で白石監督と対談なさっていた
危険地帯ジャーナリスト・丸山ゴンザレスさんが
「その後の瀬島さん」が、麻雀を打っていた雀荘の客の役で出演されていて
その「瀬島さん」は、新たな任務中なのか?定年退職後の姿なのか?
よりも、丸山さんの演技が気になって気になって仕方ありませんでした(苦笑)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

孤狼の血LEVEL2(ネタバレあり)4

2021-08-25 21:15:00 | 日記
甲斐さんは、映画「照和」をお撮りになった深津監督に
「全部わからせようとしなくていいからね」とアドバイスなさったり
甲斐バンドの日比谷野音の映像のテンポが速くなったことについて
「今、ネットTVとかで見れる海外のドラマって、編集のテンポがものすごく速いじゃないですか

あのテンポ感が今の時代のテンポなんだろうし
映像のテンポが速いというのは、スイッチングの速さじゃないですから
色んなところでメリハリをつけながら
この時代の背景に流れているビートを感じさせるということなんですよね」と話されてましたが

白石監督も、この「LEVEL2」に関するインタビューで…
「最近の映画は、とにかく光を当ててしまう傾向がある
時間がなかったり、予算がなかったりして不安だから
撮り直しがないように、みんなの顔に光を当てる
でも、そうした結果、意図的に影を残すといった技術自体が失われつつある

今回は、あえて画面が暗いことを恐れずにやりたかった
ちょっとでも攻めたものを作りたいと思った
そうやって改めて感じたのは、見えないことの気持ち良さ、説明しないことの気持ち良さ
映画は曖昧で良い。何でもかんでも判るのが良い映画とは思えない
判らないことを残すことが重要だと思いました」…と、おっしゃっていて

前作のラストシーンから3年が経ったという設定で、今作をお始めになるにあたり
「普通は、日岡(松坂桃李さん)が悪い刑事に辿り着くまでの道筋を描きそうなものだけど
そのプロセスが見えると面白くない
だから、彼のキャラが振り切ってしまった段階から始まった方が、物語が飛躍すると考えた」
…と、誰もが、その変貌ぶりに驚いた登場シーンについて説明なさったり

この「LEVEL2」の上林(鈴木亮平さん)をご覧になった、ほぼ全ての方が抱かれたと思われる疑問…
上林が服役していた刑務所の看守(青柳翔さん)も口にしていた
「一体どうすりゃ、あがいな人間が生まれるんか…」…という言葉についても

「僕がやりたくないのは、過去の話をしている時に、映画が止まってしまうこと
日本の映画、小説、漫画の欠陥って、だいたい隠していた過去のトラウマを語る時に
どうしても緊迫感が途切れることだと思うんです
だから、本来なら荒れていた中学時代の上林が、五十子親分に拾われるところを
もっと描いた方が良いのかも知れませんが止めました

ただし、暴力の連鎖であるのは伝えたいので
少年時代の彼のバックグラウンドを、1シーンに凝縮しました
なので、現在軸で起きることがトラブルを起こして行く、シンプルな作りにしています
その方が、スリリングで体感も速く感じると思うんです」とお答えになっています

確かに、上林の過去に関しては、父親から日常的に暴力を振るわれ
母親は、それを見て見ぬふりをしていたとか
食べ物もろくに与えられず、近所の中華屋で残飯を貰っていたといった断片的な説明と
生まれ育った家の映像が映し出されるくらいで、詳細は何も語られてませんでしたが
それが余計に、現在の上林に至るまでの経緯の壮絶さを想像させたんじゃないかと…?(汗)

更に、白石監督は「孤狼の血」シリーズのキャスティングについて…
「このジャンルでは『仁義なき戦い』シリーズが面白いけど
作り手にとっては聖域で、下手に触ると火傷する
原作の『孤狼の血』の大上のイメージ(の役者)は
今の映画界にはいないと思った…菅原文太さんしかいないと…

ただ、今の日本で最高の役者って誰だろうと考えたら、すぐに役所広司さんが浮かんだんです
かつて、役所さんが『ジャブ極道』に出ていたけど
あの『ジャブ極道』の人が、今も生きてたら
どうなっているのかを思い浮かべながら、出演依頼した
役所さんは、そのタイミングで、その役を演じることが出来るのは役所さんしかいない
…という廻り合わせを感じるけど、同じものを(松坂)桃李くんにも感じています

この映画は、大上と日岡の継承の話であると同時に
役所さんを継承するのは、松坂桃李だと思った」…と、おっしゃってますが
松坂さんは、前作の公開初日に、続編制作が決定したことをお知りになり
「あ、そうなんだ?続編やるんだ」…というくらいのリアクションでいらしたのが

…って、やっと完成した作品が、ようやく公開になったばかりなのに
次回作に考えを巡らせることは、ナカナカ難しいんじゃないかなあ?(苦笑)
朝ごはんを食べている時に「夕飯は何が食べたい?」と訊かれるみたいな…(笑)

でも、後々になって「あれ?ガミさんがいなくなったってことは…
えっ?僕が役所さんの立場になるんじゃ…?」とお気づきになり
「膝がガクガク震えました(笑)」と明かされてました(笑)

白石監督が、そもそも最初に松坂さんをキャスティングなさったのは
「ただのイケメン俳優で終わるつもりがない役者だから」だそうですけど
鈴木さんには「上林を日本映画史に残る悪役にして欲しい」とオファーなさったらしく

鈴木さんは「当初、自分には荷が重いんじゃないかと、お引き受けすべきかどうか迷った」ものの
「脚本を読み込み、上林の核は何か?と考えていて行く過程で
僕自身が最も怖いのは『自分が悪いと思っていない悪だ』という結論に至った

上林の行動は極悪非道だけど、彼にとっては全て己の正義に則った行動なんだと腑に落ちると
徐々に上林がヒーローに思えて来た
僕の中で、彼の全てが正当化されて行きました
現場で監督から『上林、悪いなあ』と言われると『悪いのは日岡です』と返してましたから」
…と「ネガとポジ」が反転するように「上林」の気持ちに寄り添われたみたいですが

「悪人を描かせたら日本一!」と言われる白石監督も
「悪は、誰の中にも存在するものだし、でも完全な悪の人って、僕はまだ見たことがなくて…
『凶悪』で、ピエール瀧が演じた須藤って男は
平気で…自分のコミュニティ以外の人間だったら、平気で殺すんだけど
家に帰ると、子供たちに優しくて、きっと良いおじさんだったりするじゃないですか

本当の悪って、そういうもんなんじゃないか?
単なる…やっぱりあの…一面的な悪じゃなくて多面的な人間
悪ければ悪いほど、多面的な人間を見せるようにしてますね」…と、おっしゃっていて

今作も、スクリーンには映っていなくとも
上林が、今の幹部たちの「牙を抜かれた」状態を歯がゆく思ったり
「わしゃ必ずそのデカ見つけ出して、地獄見せちゃるけぇ」と復讐を誓ったりするのは
五十子親分を「実の父親」として慕い、忠義を尽くしていたからじゃないかと…
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする