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道後温泉

2008年03月31日 | 日々の雑感
道後温泉

上さんと道後温泉に旅行した。最終日は移動だけで何もしない日だったので当初はもったいないなと思っていたのだが、雨が降って、観光の予定を入れていてもきっと情けないことになっていただろうから、ある意味ラッキーだったのかもしれない。

道後温泉といえば何といっても夏目漱石、正岡子規ということになるのだが、まず何よりも道後温泉本館である。これは「坊ちゃん」の中にも最近できたばかりという説明があるように相当古い建物らしい。

旅館ではないから泊まることはできないし、旅館の入浴サービスとも違うから食事はできないから、温泉を楽しむだけのところだが、坊ちゃんも毎日湯に入りにきていたように、なかなか風情のあるところでじつにいい。はっきり言って道後温泉はこれでもっているようなものである。

浴室は一階にあり、入浴だけの神の湯階下コース、二階席でお茶とせんべいをいただきながら一休みできる神の湯二階席コース、霊の湯という小ぶりの浴室に入って二階席でゆっくりくつろげる霊の湯二階席、個室で坊ちゃん団子をいただける霊の湯三階個室席とある。私は入浴だけのコースに二回入った。「坊ちゃん」を読んでいると坊ちゃんは毎日下宿から路面電車に乗ってやってきて、今で言う霊の湯三階個室席という一番高いコースに入っていたようだ。坊ちゃんの間という漱石関係の資料が展示されている三階の部屋を見学するときにこの個室ものぞき見たが、係りの人がお茶を持ってきてくれたりして、なかなかいい雰囲気だ。道後温泉に泊まるのでなかったら、ちょっと奮発してここでくつろぐのもいいかも。

上さんが出てくるのを待っているあいだに過去の映画・テレビドラマの坊ちゃんの出演者の写真とかそのほかの新聞記事などを読んでいると、どうも「千と千尋の神隠し」の湯屋はここがモデルになっているらしい。そういえば、なんという様式なのか知らないが、凝った造りの正面ファサードや天辺にある振鷺閣とつづく外観はそっくりだ。

泊まったホテルは完全洋風のホテルで食事もフレンチのコースだったので、余計に本館の古い感じが気に入った。道後温泉というところは個々の旅館やホテルが所狭しと立っているのはいいとしても、車がどんどん入ってくる構造になっているので、危なくてのんびり歩いていることができない。排気ガスはくさいし、この点をなんとか街づくりとして考えてほしいものだ。そんなに広い区画ではないのだから、マイカーは締め出して、ホテルの送迎用のマイクロバスだけが進入できるようにするなどして、もっと宿泊者や訪問者がゆっくり散策できる町にしたほうがいいと思う。
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