読売新聞(25.10.31朝刊)でよい話に出会いました。まずは新聞記事から。(以下転載)
薬物中毒を克服 歌手ライブに140人
10代で薬物中毒に陥り、立ち直った経験を持つ歌手の杉山裕太郎さん(39)(さいたま市)の講演とライブが30日、松戸市民劇場で開かれた。約140人が聞き入った。
杉山さんは、中学生時代にシンナーや万引きなどの非行に走り、高校中退や暴走族のリーダーを経て19歳の時、覚醒剤に手を出した。
薬を打つ回数が増えて食減少。「このまま死ぬかも」と思った23歳の時、脳裏に一両親の顔が浮かび、実家に戻った。「仕事を探せ」と諭す父に「おめえらのせいでこうなったんや」と、薬を注射する姿を見せつけた。
その時、父が「今まで何も知らなかった。おめえは大事な宝。立ち直るために何でも協力する」と号泣。「おれは愛されていた。今まで何やっていたんや」と思った。その後、2年かけて薬物中毒を克服。つらい時、たびたび音楽に励まされた経験から歌手になり、全国で歌とともに体験談を伝えている。(以下省略)
「ユウタ、お前はお父さんらの大事な息子だ! 一緒にがんばって、止められるように何でも協力する。お父さんたちが悪かった! お前がそんなに苦しんでいるとは知らなかった」と叫びながら、杉山さんを力いっぱい抱きしめ、泣いてくれたという。
杉山さんは、ハッとして、世間体にしか興味がなく、自分への愛情などないと思っていた両親が、今、自分の悲惨な現実を目の当たりにして、自分のために泣いてくれている。その瞬間、杉山さんは、遠い幼年時代に両親から愛されていたことを思い出したと語っています。
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そして、岐阜県にある朝日大学の法学部に入学、首席卒業。現在は、歌を歌い、親子関係を中心に、非行に走り覚せい剤におぼれていった自分のヒストリーを語っているそうです。(以上)
傷ついた心が父親の慈悲を誘発し、その慈悲によって自分を受け入れる心境に開かれていったという構図です。