超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

鋼鉄の華っ柱 6巻/西森博之

2012-04-19 18:35:10 | 漫画(新作)


 


西森博之「鋼鉄の華っ柱」6巻読了。






今回も最高の出来でした。前の巻で読者を最高潮にイラつかせてくれた鬼の子供が
この巻を読んだらツッコミ役に成り下がっているという事実が最高に痛快で面白いですね。
一見真道のやってることは非道にも思えるかもなんですけど
ショック療法っていうか
あそこまでやらないと更生なんて普通に考えて無理ですからねえ。人間窮地に立たされないと何も学ばない。
で、そこに彼の優しさが存在しているというか、貶めて自分の立場を優位にさせつつも
その実その行為は相手の為にもちゃんとなっている、っていう。
鬼の子供もそうだけど、
サラダボーイにしたってあそこでへし折ってやらなければ
どんどん屈折した悪い人間になってた訳ですから。ある意味人間浄化装置って感じなのかな?
確かに冷酷で残忍な一面も存在するけれど、決して完璧に不幸にもしないっていう
その「優しさ」が個人的には大いに心に響いた巻でした。
あの子供も、大人に対して牙は向きつつも
最低限の優しさは持ち合わせていたって事で、そこを肯定して伸ばす様に間接的に仕向ける
そんな真道の本当の意味での紳士っぷりに、その手さばきに感動せざるを得ないような
笑えるけど、ざまあって思えるけど、それだけでも済まされないっていう。
そこが最も素晴らしいポイントじゃないですかね。
前の巻で散々コケにしてくれた分、散々コケにされるという因果応報
でも結局やり返すだけじゃ根本的な解決にはならないですよね。
その点で、上手く憎しみを緩和してて良い描き方するなあ・・・と。色々と感銘も受けたvs子供シリーズでした。

後半、そのまんまの勢いで更なるアクシデントをこなすのかと思えば
ここで一息ついて幼少時代のエピソードが展開されます。
成る程、確かに受け流すエピソードだけでは一本調子になりやすいのでここでの挿入は正解。
しかも、幼少も幼少で真道は愉快な紳士っぷりを発揮してるなあ、と(笑)。
彼は子供の頃からある種の俺様主義なのは変わらないんですが
それ加えて物凄く努力家で、
壁一つぶち当たると、諦めずに何度も努力するような人間で
決して天性の才能なんて言葉では済まされない努力型の人間だと言う事が判明するようなお話で
それもまた好感に繋がってて素敵なんですけど、ある程度は自分の身を犠牲にする精神だったり
その上で最終的にはポジションを手に入れるセンスだったり
この頃から悪ガキを更生させる力を持ってたり(笑)。
人間って変わらないなと思える
昔から今の彼らしさの片鱗が垣間見れるエピソードで、より肉付けされた関係性だったりキャラ性の数々は
本編に奥深さや感情移入の幅を与えるには十分のエピソードで。
多分これでもっと真道の好感度上がるのでは。
スパルタ教育に文句を言わずにこなす忍耐力だったり、何気にサムライって言葉も浮かんでくるような
そんな堂々たる偉大な紳士でもある真道さん。完璧人間のように思えて
努力で完璧人間になったんだなあと確認出来る、
それに加えて元々の腹黒さがあるんじゃそりゃ今みたいな最強の存在に育つよなあ、と。
勿論子供ならではの無邪気な視点も楽しめるこちらも良エピソードになってますね。
前の巻と同じく引き上手なラストにもなってるので早くも7巻を読むの楽しみ!





気付いたんですが、真道と関わった人間は誰もがそれまでの性格や状況が変わってて
しかもそれが全部プラスの方向性に寄ってる様にも思えて
それ考えると悪魔の様に思えて実は天使でもあるのかも。
あの子供も、あそこまで強烈な仕打ちにあったらきっともう怖くてあの悪戯しないと思うしね。
そういう部分も含めて真道って素敵なキャラだと思う。男でも格好良いと思うレベル。





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