前作に引き続き、全曲レビューを敢行します。まずは一曲目の「S.E.」。
1.S.E.
ロストインタイムのライブに行った事がある方ならご存知でしょうが
これはまんまSE、要するにバンドがステージに上がる時に掛かっている曲ですね
今作でも執拗にモチーフとして用いられてる「時計」の音、
直接的に「時計」という言葉が出てなくても時間は有限で止まってはくれないというテーマを示すような
そんな言葉が今作には多いので、
その点でもアルバムの象徴である一曲目にこの曲が流れるのは非常に良いですね。
シリアスであり、優しくもある、そんな今作の雰囲気にはピッタリで聴く前に感情を盛り立ててくれる一曲
インストで一分半という時間の割には密度が濃く、またうねりを上げるギターの音色も印象に残る
この曲もまた今作の傑作度に正しく貢献してくれている楽曲だと思います
こうやって文章を書いてる間にも時計の針は容赦なく進む、
ボーっと過去に意識を蝕まれている間にも
そういう事実を自覚させるような今作に於いては「相応しい」というしかないような幕開けです。
このアルバムに収められている「撥条」という曲は
自分が消えて姿を見せないことで他人が得られる幸福や快感がある、という事実や
理屈とか鼓舞とか義務とか、そういうものを全部取っ払って何かを肯定してみたい「五月の桜」、
個人的に重要だと思える楽曲が点在しているので毎回心を込めて一曲ずつ触れていくつもりです。
このアルバムを聴いていると「明日を生きたい」と思えるから不思議ですね。
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