超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

ロスト アンド ファウンド全曲レビューその9 「所在なき歌」

2011-06-09 14:37:27 | LOST IN TIME 全曲レビュー





残す所あと2回。LOST IN TIME「ロスト アンド ファウンド」全曲レビューその9。「所在なき歌」です。







9.所在なき歌


【醜態も晒さぬまま】

プライドが低いとか、
腰が低いって言葉はよく聞くけれど
その実本当に何もない人間なんていやしなくて
心のどっかで自分の事を誇りに思ってて。だからいつでも格好良く、スマートであろうとする。
傷を付けない様に、
付かない様に頑張っている。

でも、逆に言えばそんな姿が一番格好悪い。


【9回の裏になって 急に焦る無策な僕】

その結果、大事な時に何も出来ずに
ただぼーっと眺めるだけの人間で終わってしまいます。
残ったのは後悔と叶わない願いだけ。
人生なんてそんな出来事の繰り返し。
格好の悪い自分を出す勇気も
そのまま進む勇気もないままに、ひたすら余裕ぶって、まだ大丈夫だって。
本当は大丈夫な訳なんて一つもないのに。


誰にも届かない言葉や願いなんて
ただ何もない部屋の中で空気に混じって消えていくだけ。
醜態を晒さないって事は
醜態以前に格好悪くて
誰にも届かないって事を例え悲しく感じたとしても
それは当たり前で
何もしなきゃ何も掴めないのは当たり前で。

自分のちっぽけなプライドに捉われて何も出来なくなるようであるのなら
それを取っ払っちまえばいい、って言うのは簡単なことですけど
それが中々出来ないから悩んでいる。
だとしたら、その中で上手くやっていく方法を見つけるしか他はない。
ただ一ついえるのは、この歌で歌われているような状況は確実に失敗だ、って事です。
それに気づいた瞬間の歌。


ミドルテンポですが
サビの部分では熱くリスナーに食って掛かる。
非常に感情に訴えかけてくる曲です。
淡々とリズムを刻むアンサンブルから、
転がるようにもがく直情的なアンサンブルへ。その変化もまた聴き所、だと思います。




「失敗を繰り返して やっと今ふりだしに立った」

最後のフレーズが、また沁みる。
これの繰り返し。
繰り返しの中で、笑って、泣いて。また見つけて。





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