超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

閃光少女 1巻/あさのゆきこ

2012-10-27 14:20:28 | 漫画(新作)








あさのゆきこ「閃光少女」1巻読了。








この方の描く女性キャラって本当魅力的ですよねえ。
物凄いタフで、おてんばで、芯があるんだけどその実繊細な部分が往々にしてあったりして
相当ナチュラルに、ありのままに描けてる感じがしていて。きっとこういうのは女性作家ならではの、
男性作家には決して描けない絶妙な塩梅だったりもするんですかね。
男は女の子は半分守る対象ですけど
女の人からしてみたら、逆に私がひっぱるよ的な・・・
そういう力強さを感じました。特にメインの光ちゃんが好きなんですけど
時折見せる不敵な笑顔とか、目配せとか、男性読者的にはグッと来ちゃうんですよね(笑
中でも最後のお話の光ちゃんはやたら色っぽくて最高でした
でも、お色気があるとかそういう事ではないんですよ?
お色気は一切ないけれど、
それでも全体的にキャラが活き活きしてて、艶っぽくて、ドキッとしてしまう。
こういう魅せ方もあるんだ、と改めて表現の面白さも感じ取れた新刊
非常に満足の行く出来でした。
「夕焼けロケットペンシル」といい、地味で文科系の題材に加えて恋模様も混ぜる
それがこの方のスタイルと言えばスタイルなんですかね?
でも、だからこそ
恋愛メインでないからこそ
時折挟まるそういう雰囲気にドキッとする節はあって
更に言えば、恋愛も込みって事が分かってるからこそ期待もして読める
そういう部分でもバランスの良い漫画に今回も仕上がってるな、と。

本音を言えば、最近はカメラ系の漫画もそこまで珍しいものではなくなってるので
そこまで読むのに気乗りをする題材でもないなあ・・・と
そんな事を考えながら読んでたのは事実
だけど、光の過去編とその後の流星群のお話を読んだら
そのオチの付け方に感心してしまったというか、本当にハートフルに落としてくるなあ・・・と
前作は文房具屋って題材が新鮮で多分読む気力的にはあっちのが上だったんだけど
読み終えたら読み終えたで、全然しっかりと物語を紡げてるな、と
テーマ性や題材が多少ベタ(?)でも
最終的にはきっちり感動させられてしまう
そんなあさのゆきこさんの地力を感じさせられる一冊で
ある意味この作者なら何を書いてもこの作者の色になるのではないか・・・なんて
そんな事も何気に思ったりもしましたが
本当に素朴で、無添加な印象
失ってしまった情熱は、同じ情熱を抱えた人間の熱によって蘇る
そして、情熱だけを抱えて頑張ってる人間にはそんな先人の生き様が役に立つ。
きれいにwin-winの関係になってるのが素敵な漫画ですけど
加えて、写真って言う地味な題材でも
撮る被写体によってキャラクターの個性付けがされていて
案外読み応えはそこまで地味でもなく、コメディとしても楽しめる余地も十分に
ただ単にアイテムとしての題材ではなく、きちんと題材を使って物語を回してる印象があって
その点でも個人的にはジワジワと気に入れた良質な新作だと思いました。
絵柄はフワッとしてて可愛らしいんですけど
言動的にはリアリティ追及タイプなんですよね。そう見える。
そういうコントラスト的にも十分に楽しめる漫画、この先の展開も注目しています。








個人的な趣向なんですけど、先生と生徒って関係性は大好きですね(笑
だから濱野先生と光の関係はめちゃめちゃ気になる所なんですけど
前述のように
この1巻の時点でニヤニヤ出来る箇所がいくつか!
まあ先生と言っても教師ではなく顧問という立場な訳ですが、
これからの関係の発展にもワクワクしつつ、そんな彼と彼女の「再起」にもしっかり期待しつつ。
相変わらず優しくて温かい気持ちになれる良い作品でした。推し。





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