超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

ボクのアイドル/河下水希

2010-04-26 22:07:37 | 漫画(雑誌感想)


今日発売のジャンプには河下水希の新作読みきりが載っています!!
これだけでも買う価値あり。
早速・・・というほど早くもないけど
つらつら感想などでも。
 というか「あねどきっ」終了してまだそんなに経ってないのに再びジャンプで彼女の漫画を読めるとは。
しかも、この後増刊にも2本載せるって!幸福すぎるっ。
そしてそろそろ短編集熱望です。絶対にページ数溜まってるはず。



率直な感想としては、面白い。
そしてただ単に面白いってことじゃなく、水準以上に面白い。
要は今回も最高!って感じなんですけど
その理由としては何気に新境地開拓してるんですよね。
 まずメインヒロインが黒髪ロングじゃない(笑)。
更には憧れ系ではなくむしろ手のかかる妹みたいな関係だし(同級生だけど)
珍しく押しが弱い感じの女の子なのも新鮮味が。
 何よりアイドルを求めて探し回るって設定自体が彼女の漫画にしては珍しいし、
全体的にマイルドで優しい仕上がりになってるんですよね。
お色気系のシーンはあることはあるんですが、
それもそんなに生々しい感じとかじゃなくて。ほわ~っとした感じの。
元々主人公の二人がどっちも引っ込むタイプなんで、それもあって長年のファンとして新鮮さを感じるんだろうか。
とにかくページを読み進めていくのがひたすらに楽しかったです。
オチもキレイに決まってたしね。

個人的に語りたいポイントは2つあって、
まずヒロインの桃の可愛さ。
これ重要ですよ。
端的に言って、めちゃめちゃ可愛いです。
制作期間はきっと短かったんでしょうが、そんなんお構いなしに本気のヒロイン造詣。
おっとりぽわぽわ系というのは最近の彼女の漫画では今宵くらいだったと思うんですが
今宵よりも性格が普通で、且つその普通っぽさが逆に良い感じ。
つまりは過去の焼き直しになっていない。
という点で実に素晴らしいヒロインとして描けていたんじゃないかと思う訳です。
 もう表情の一つ一つがいちいち可愛くて。
河下水希の描く人物には他には無い温度感みたいなのがあって、相変わらず良い。

余談ですが、主人公の晴史くんも、いかした良い奴だと思います。
この手の作品の主人公としてはかなり良い部類に入るんじゃないかな。
誠意があって、少年らしい無邪気さもあって。
アイドルが見つからなかった場合に自分が変わりに衣装を着て歌う!って心意気は
ある意味潔かったと思います(笑)。


もう一つは、やっぱり最近の河下水希の特徴として
表情と心理描写の進化、ってのがあるん思うんですけど
今回でもそれを如実に感じさせてくれて。
なんかどんどんと表現がタフになってきてますよね。
「初恋~」以降。
そこから河下漫画を好きになった人にとってはこれもまた極上の作品だと思うし、
過去のイメージに縛られてる人には是非一度読んでもらいたいし。
「桃になんて顔させてるんだろう-」以降の下りなんか、思わずちょっとしんみりしちゃいましたよ。
こういう趣のあるシーンを描くのが本当に上手くなったと思う。
っていう言い方はちょっと偉そうで嫌なんですけどね。
でも本当に見とれちゃうからなあ。
確かに作画に関しては今のジャンプでは浮いてしまういくらい美麗になってるけど
ストーリーや構成に関してもそれに負けないくらいの力があると思うんですよ。
まあこれは結構前から言い続けている個人的な感想なんですけど
その個人的な感想を維持させてくれるには十分な秀作でした。
読切向けの設定とは分かってはいますが、
それでも連載とかでもこの二人の関係を見守りたいな~とか思いつつ。


したら、今週金曜発売のジャンプの新増刊にスピンオフが載るらしい。
しかもヒロインの桃視点でですよ!
これは正直楽しみだと思わざるをえないですね。
田中ユタカと河下水希からは相変わらず目が離せません。






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