超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

サクラサクラ 4巻/もりしげ

2014-04-08 22:08:58 | 漫画(新作)
















もりしげ「サクラサクラ」4巻読了。

















毎回思うんですが表紙の絵が本当に美麗ですね・・・
惚れ惚れするレベルです
ただ美しい、可愛いじゃなくキャラクター性も伝わって来るのが尚ベターです
今回はコレットさんですが表紙だけでも彼女のちょっといたずらな性格が垣間見えるのが最高ですね
そんなコレットさんも引き続き活躍する4巻は正に桜子好きにとっては堪らない新刊に仕上がっていました。

3巻では春がコレットさんにタジタジになっている部分が大部分で
一応桜子との描写もありましたがあの時点ではコレットさん優勢に見えたのが個人的な感覚で
でもそんな中でも桜子を想う春の気持ちが伝わって来たから彼を信じて4巻を待ってられたんですが
その想い通りに春が桜子を一番大切にしてくれた描写にグッと来てしまいました
自身の立ち位置に自覚的でありつつも、
それでも自身の本当の気持ちは捨てない
宣言通りに桜子を愛する発言をしてくれた春がとても格好良く男らしく見えて良かったです
その後の桜子の大胆な発言の数々も少年誌的にドキドキ出来てとっても楽しかったです
春も春で色々我慢してくれてる偉い子ですが、桜子も桜子で上手い具合に感情表現出来なくていじらしい
でもそんな二人だからこそ良いんだろうなあ・・・ってつくづく感じられた前半でした
言動は大胆ですが、心はとってもプラトニックな二人
結局強い引きの割には現状維持であったことは間違いないですが
それでも春の一途さがきっちり伝わって来て好印象を持てるエピソードだったのも間違いないですね
日本が日本でなくなってる状況を彼なりに考え感じつつも、でも基本的には桜子の気持ちや準備を優先する
その着地点が美しく、また桜子派としても十二分にニヤニヤ出来た今巻の脱出騒動でした。
あせらずに、ゆっくり、じっくりと・・・という感じですかね

そういう「日本が日本でなくなってる状況」というシビアな背景もまた良かったです
ただのラブコメ~って訳でもなく、きちんと自分なりに考えて行動するべき時代背景でもあって
それは上手く後半にも繋がって来きてると思います。


散々説明されたように
極端な少子化時代の出来事を描いている今作ですが
そんな中でも春は「みんなで」「みんなの」時間を作ろうと画策する訳です
人がいなくなった、自由が少ない、だからといって退屈に過ごしてやる義理もない
この人数でも部活を作って、「青春」を謳歌しようとする姿勢は主人公の片割れとしては正解じゃないでしょうか
この漫画は春の視点の時と桜子の視点の時に大きく分かれると思いますがこういう姿を見ていると
流石主人公格なだけはあるなあ、と個人的に感心してしまいます(笑
状況の所為にするのは楽ですが
それで納得してちゃ勿体ないですもんね
大人たちの思惑とは別に自分達の意思で気持ちを確認しあい、自分達なりの楽しさを見出していく
そういう能動的なポイントが多々見受けられるのが今作を大きく支持する理由の一つです
結局部活自体は優柔不断な結末に落ち着きましたけど
結末云々よりはその過程こそ重要なものだったんでしょうね
その過程で敷島さんの新しいキャラ性が目覚めていたり(笑 色々と面白いエピソードだったかなと
そういう風に過酷な状況な中でも楽しみや選択をきっちりと見つけてこなしていく様が楽しい漫画です
王道のラブコメディとしても十分に楽しめると思いますけど、
それだけで終わらない楽しさもあるのが更に素敵な一作になっています

「こういう時代だから」ではなく
「こういう時代だからこそ」っていうメッセージを感じさせる漫画に仕上がっていて
そういう部分はしっかりと伝わって欲しいなあ・・・といちファンとしては強く感じてます
勿論後半の桜子とのニヤニヤ模様も見どころですが!
今やすっかり大好きな作品になりました。いや、最初から好きでしたけど。キャラの様子が逞しいな、と。

そういえばこれまた天使系ヒロインとして降臨されたコレットさんも相変わらず輝いています
自分のために一曲歌ってほしいと懇願する彼女もまたすこぶる可愛かったです
三角関係ものとしても楽しめる構成もまた面白かったですね。
今特に夢中になってるラブコメ漫画の一つです。

















冒頭の描き下ろしイラストにて春の女装化も拝めます
ふむ・・・これはこれで「アリ」ですねえ。
本編であってもいいなあ、と(笑

凛としつつも、ちゃんと「乙女」でもある気高い桜子さんが大好きです。




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