超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

ロスト アンド ファウンド全曲レビューその5 「なくしたうた」

2011-05-08 21:01:52 | LOST IN TIME 全曲レビュー






この季節にも合う?LOST IN TIME「ロスト アンド ファウンド」全曲レビューその5、「なくしたうた」です。





5.なくしたうた





ある意味「群青」にも通じる世界観ですが。
色々なものに後悔して
色々なものに挫折して
見たくないもの、聞きたくないものを無為に頭に入れられて
悩んでは立ち直って、立ち直っては悩んで。そんな不毛な生活の繰り返し。
の果てに得たものはこれっぽっち、って形容したくなるほど少なくて
自身に誇りを持てないまま日々だけが無造作に過ぎていく。
必死にしがみついて
必死にあがいて・・・
その様は他人から見たらどれだけ無様に映ってる事だろう。それを想うだけで悲しい歌。
そんな人生を、透明な歌声で、静かに、たおやかに、想起させる、そんな歌です。
静かに染み渡っていくような声と音が魅力的な歌で。


【ドアを叩くのは誰?僕を笑いに来たのかい?】

それは、あまりにも卑屈な言葉ではありますが
実際長い年月を経て
何かを手にした感覚があまりにもないとこういう事を思う時もあったりして
そのうち誰かの目に映る事すら苦痛になっていく。

でも、そこから逃げてはいけないと思う。
この歌自体がそういう歌じゃないから。


【嬉しい事も悲しい事も 何もかも無くしてく僕らは】

生きてると色々なものを失くすな、って思うことはあるけれど
でも、本当は心にいつまでも残る出来事は存在していて
それすら目の前の壁に立つと、忘れそうになるけれど、【それでも】探す事自体は止めない
その壁を登り切るまでは止めない、と。
目指すのは
今目指すのは、
昨日よりもほんの少しだけいい今日。それだけが精一杯で。

結局、何も残らないかもしれないし
総てを忘れるかもしれないけど
【それでも】、その姿勢だけは、その意志だけはキープしていたい。常にそこに向かっていたい。
それはいかにもな気合じゃなくても、死にそうな目でも何でもいい。
何も手にしてないのなら、そこに向かうしか術はないから。




ある意味、辛さのが先立ってる曲かもしれませんが、しっかりと希望も歌われてる所に頼もしさを感じますね。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿