超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

あきそら 6巻(最終巻)/糸杉柾宏

2011-05-20 14:09:16 | 漫画(新作)





糸杉柾宏「あきそら」6巻、最終巻を読みました。

諸事情もあったようですが、これで終わりです。
2008年から3年もの間いっぱい楽しませて、背徳感を貰って、でも切なさも味わえたこの作品とも
もうお別れなんですね。
気づけば全巻にレビュー書いとるわ。
寂しいけど、糸杉さんの次回作にも期待しつつ。





ええと、ごめんなさい、むちゃくちゃ感動しました。泣きそうになりました。
大好きだって思いました。
糸杉さんのtwitterで事情も見ましたが、槍玉に挙げられているらしいですが、私は涙腺刺激されたし
色々な想いも受け取ったし、確実に一つの「傷」として心に刻まれたと思います。
こういう作品を好き?
そんなのはどうでもいい。
ただ面白く、感動できる物語があって
それに単純に引き込まれて、単純に感動しただけ、それ以外はないです。何度も目頭熱くなりました。
個人的にはこの作品も大切な物語の一つになりましたね。
それくらい良いラストだった。
概要は伏せる。
でもここまで真摯にテーマを描き切ったラスト、受け入れられると思いますね。
答えの出ない物語だからこそ、安易に答えなんて出さない。
答えなんぞ出してやるものか。
答えなんて分からないままで、間違ったまま生きていけ。そういう意志も感じました。怒涛の読み応え。最高です。


結局のところですねえ
自分の欲求通りに好きなまま生きてくのに咎めなんて要らなくて
でも好き勝手やった分代償は必要で。
それをいっぱい払ってたのが彼彼女の両親・・・って訳で。この事実は驚きました。
そして、最後に天国で一緒になれたってラストにはちょっと泣きました。
でもそれが一つの厳しさとして提示されてるんですよね。
アキとソラも同じ道を辿るかもしれない。
好き勝手の代償は高くつく。

そこを超えて・・・ってなると、いよいよもって本気ですよ。本気の物語ですよ。
フラフラと間違った行為を繰り返してきたソラも
この時ばかりは目が本気です。
最後の最後で流されることも拒めた。そしてルナとの行為にもちゃんと意味があって。最初で最後の。
ルナが最中に涙流してたのって
痛み以上に
そういう意味合いも含まれていたんだと思う。そこを考えてもグッときちゃうけど。
でも、彼が選んだのは、選ぶべきなのはたった一人で。
だとしたら、もう何を言う気もなくて。
ラストの互いの表情で、もう満足です。
これで良かったと思える。


元々過激さが売り、そっちが一応売りの漫画だったと思うんだけど
気が付けば最後は本当に真面目に物語を締めようと頑張ってしました。事実この巻は行為のシーンは
最初の方の話だけで
あとは畳むのにページを割いている。気づけばそのバランスも変わってきたけど
でも間違いを犯すって意味ではあれくらいの過激さは必要だったんじゃないかと思える。
それも賛否両論だったと思うけどね。
でも、決してパフォーマンスだけではなかったとは思います。
無責任な逃避も、開き直りも彼らはしなかった。
その「選択」に胸が熱くなるような。
それでも生きることを決めたんだ。その決断に関しては誇って良いと思います。

姉と弟、ってだけでなく様々なテーマを取り扱って
難儀な恋を貫く人々を描いてきたこの作品。
雑誌で読んだ時は確か3話が初めてで、ここまで長い付き合いになるとは思ってませんでしたが
どの展開もどの展開で面白味があっていい漫画だったと思います。
最後なので気合入りすぎの文章になってますが
でも個人的な本音なので。
突き刺さる人には突き刺さる物語だと思います。って〆で終わらせていただきます。

ちなみにこの作品が好きな方は
田中ユタカの「初夜2」とか→http://blog.goo.ne.jp/nijigen-complex/e/1e4294b3d9aaf8becdf7a1f917844689
あとはアニメとその原作の「恋風」なんかも気に入ると思います。
機会があれば是非チェックを。




色んな意味で感じる部分の多い作品でした。が、最後に残ったのは感動の二文字でした。本当にお疲れ様でした。





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