超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

絶望17巻と久米田考察

2009-05-16 22:12:19 | 漫画(新作)
絶望先生の新刊が発売された。
久米田信者といってもいい私はもちろん当日に買い、レビューも描いた(一日遅れで掲載)。
今までの巻と比べるとやや手癖感が強く、前半はそれほどでもなかったのだが
後半は普通に面白いと思えたし、何よりもおまけページが相当面白かったので今回も満足できた。

というか今でも昔の絵柄は再現できるんだなあ、と思って。おまけ漫画「罪期の家」を読んで。
以前にも南国アイスの絵柄をおまけページで再現してたけど
今回はあれよりも更に近い(鉛筆書き?だからかもしれないが)。
 しかも「育ってダーリン!!」に関してはわざわざ旧版の表紙という芸の細かさ。
もちろん自分は旧版と新装版両方とも持ってるけど(おまけページが違うので買う価値はあると思う)。
 あの作品も歪んだ漫画だったなあ。きちんと完結させた時は内容と併せて感動させてもらったものだが。

そんな久米田康冶の作品がまさかここまで受ける時が来るとは思わなかった。
ずっとコアなファンのみに支えられていくんだろうと思ってた。
この間は今時の女子高生が絶望先生を電車の中で読んでるのを見た(すごい事だ)。
サンデーからマガジンに移っただけでこの成功っぷり。
まあサンデー時代は基本的にどれだけ単行本が売れても逆プッシュされてた訳だから仕様がなかった部分もあるけれど。


しかし近年久米田康冶を知った人が「南国アイス」の1巻を読んだらどう思うだろうか。
「ルートパラダイス」を読んだらどう思うだろうか。
ぶっちゃけ、見せないほうがいいだろう。
あまりの落差に失笑するかもしれない。

でも個人的には全部大好きだけどな!嫌いな作品などない。短期打ち切りになったルーパラですら面白いと思ってるぜ!


話が逸れました。

久米田康冶は作品ごとにスタイルを変えてきた漫画家であり、
その完成系が「かってに改蔵」なのは今なら間違いないと言える。
それを応用させたのが「さよなら絶望先生」なので、今が彼にとって万全の状態というか、
この先ずっと使える方法論を得たというか
漫画家として行くべき道が定まった、約20年目にして最高の充実期であることも間違いないと思う。

そんな久米田康冶にとってもはや過去の作品は既に消したい過去というか
イメージを損なう心配もあるわけで、
ここまでしつこく自己批判するのも当然といえば当然なのかもしれない。
ただ単に元々そういう性格なのか、或いはキャラ作りの一環という可能性もありますが。
ファンとしてはこう思ってしまった。
全裸にもなってたしね。
(コンニャク風呂とかバカ過ぎる・・・。)


最新17巻のおまけ漫画「罪期の家」を読んで、ふとそんなことをダラダラと考えてしまいました。


しかし北崎拓→赤松健ときて今は畑健二郎にシフトしてしまってるなあ。
やっかみの標的が。
 「コナン橋落ちろ(笑)」も衝撃的だったが。
(そういや新刊でもコナンネタあったなあ。原作の絵柄完全に再現してて凄い)




あと氏家ト全の「生徒会役員共」2巻も購入。
久米田康治が下ネタを描かなくなった今、竹内元紀と共に少年誌では貴重な下ネタ作家である。
いつも同じなんだけど、いつも同じでいいというか。
そっちのほうが逆に凄いですからね。こういう作家の場合。

しかしこの作品では結構まったりネタが多い気がする。
あと微妙にラヴの香りが・・・。
生徒会長のシノはクーデレっぽくて好きですね。
というかツッコミがよく練られてるなあ、と思う。
「それ何人に言った?」とか。


あと新創刊のゲッサンこと月刊少年サンデー買いましたが予想以上に面白かった。
サンデーで自分に不向きなものを描かされ、散ってしまった作家たちが生き生きと自分の描きたいものを描いてる感じが。
ある意味去年の雷句騒動に対する答えみたいなものなのかな。
これは購読決定。