今日はLEO今井のニュー・アルバム「Laser Rain」を全曲レビューしてみます。
このアルバムは初めて聴いた時に「なんじゃこりゃ!?」と思うほどビックリしたアルバムで
端的に言うとかなり未体験なアルバムでした。
それなりに音楽は聴いてきたつもりですが
ロックでもあるし、シティポップでもあるし、テクノでもあるし、ニューウェイブでもあるし、
打ち込みでもあるし、ソウルでもあるし、J-POPらしい部分もあるし、
でも「何なの?」と言われたらどこにも当てはまらない。
APOGEEとかと同じく、やってる本人自体がジャンルであるかのような、独自性の塊のような音楽でした。
いい意味でハッキリしてないというか。
ただAPOGEEもそうですが、こういう音楽ってなかなかセールスに結びつかないのが辛い。
新しすぎて逆に食いつきが悪いというか。
Amazonのレビュー数の少ないこと少ないこと。最新作に至っては自分しかレビュー書いてない。
まあとはいいつつ、内容に関してはヘビロテしまくり、本当に素晴らしいアルバムなので
一人でも多くの人に手にとって聴いてもらえれば・・・という気持ちです。
では以下↓
1.Synchronize
非常に不思議な、聴いた事のないような曲。
変なたとえですが軟体動物というか、クラゲを彷彿とさせる曲(なんじゃそりゃ・・・)。
ゆらゆらしていて、骨格がないかのような独特のバンドサウンドに奇妙な気持ちよさを覚えます。
とはいえリズムやコード進行などはきちっとしているんですけどね。
この曲で顕著なのはキーボードによる浮遊感のあるフレーズと加工されたLEO今井の揺れ動いてるボーカル。
頭にこびり付いて離れない、しかし滑らかでもあるので割とスッと聴けるという何ともいえない個性的な曲に仕上がっています。
ちなみに先行シングル。
2.Connector
個人的に思い入れの強い曲。1曲目と同じく人と人との繋がり、コミニュケーションについて歌われた曲なんですが
その歌い方がいつも以上にひきつってて、強引なのでやたら心に残るというか。
歌詞の一つ一つがいちいちメッセージ性が高く、確信を突いた言葉ばかりなのも堪らない。
特に印象に残ったのがこのフレーズ。
「接続を探していませんか」
歌詞自体好きなんだけど、LEO今井の声で歌われると更に特別な、情念がこもっているように聴こえる。
歌詞全体、歌全体を通して「孤独感」みたいなものがあからさまに表現されているような気がして。
たまらない曲である。
ちなみにサウンドもニューウェイブに特化したバキッとしたロックで非常に格好よい。
「Coming out of your brain now」ってシャウトも超セクシーで凄いビリビリ来る。名曲。
3.Fit Of Love
これも非常・・・に変わった曲。
まず加工されたヘリウムのような声が聴こえたと思ったらいきなりLEO今井のラップに入り、
そのまま歌モノ化するという珍しい手法で作られている。
にも関わらず違和感が全くなく、むしろ小気味のいいポップ・ソングに聴こえるというのが凄い。LEO今井ならではの曲。
サビのメロディも郷愁感たっぷりで気持ちいい。
近年の歌モノ系ヒップホップにうんざりしてる人に「こーいうのもあるんだよ」と聴かせてみたい曲。
4.Time Traffic
打ち込み主体の曲なのに、巷の打ち込みバンドサウンドと全然違って聴こえるのはなぜ?と思いきや
音の配置が独特なんだなあ、と思った。一つ一つがはっきりしてるというか。ギターリフとか。
プログラミングに頼り過ぎない感じというか。あくまで生音主体というか。
この曲はRie Fuをゲストに迎えた曲で、呟くように歌う地味なAメロから
神秘的で美しいサビに一気に変わる大胆な曲。
Rie Fuとの声の絡みも面白くて何度も聴きたくなる曲。
5.Laser Rain
声加工しまくり&完全なデジタルサウンドというアルバムの中でも変り種。
しかもなんというか、全く聴いた事のないような曲である。
メロディだけとればそこまでではないんだけど、アレンジが超奇抜というか・・・。
しかもこんな未知数なサウンドにサックスとか付けちゃってる訳だから尚更よくわからない。デジタル・シティポップスか?
でもその「よくわからない」という部分が楽曲の魅力として成立しちゃってるような、ある意味ミラクルな曲。
タイトルにするのも納得。
6.You Me Electricity
まずタイトルが意味不明。サウンドも・・・これまた良く分からない。が、やたら鋭さを感じる。
セクシーさも。結構なまめかしい曲だと思う。歌詞もどことなく官能的なような。
でも聴いてて気持ち良さは抜群だ。
ちなみにいしわたり淳が作詞で参加している。
7.Taxi
これはこのアルバムの中でも印象が強い名曲だと感じる。
というか去年の7月にシングルで切られている曲で
間違いなく去年の夏に一番聴いてたのはこの曲だった。
言葉にするのはちょっと難しいが、ギターリフにしろリズムセクションにしろコード進行にしろ間の奇妙なラップにしろ
「どういう展開なら気持ちいいのか」っていうのを計算して作られている曲という感じがする。
この1曲でキャッチーな面をオールカバーできるような。
ちなみに1回聴いただけではそこまでキャッチーと感じれるかどうかは未知数なので
何度も繰り返し聴く事をお勧めする。
個人的にはシングルのミックスの方が好きかなあ?
しかしシャーベットのようなギターリフはいつ聴いても快感!涼やか。
8.High Speed Window
なんとここへきてローファイなサウンドによる歌謡ポップスという配置。
普通シングルのカップリングに入れるような曲を
こういったアルバムに入れてくるとは思い切ったな、と。
曲自体はそこそこ、といったところだが
このアルバムに入ってると目立つ、というか普通過ぎて逆に印象に残る。
これも戦略の内なのだろうか?
もちろんアルバムの中では唯一といっていいくらい一般向けのナンバー。
9.Lemon Moon
この曲は1stっぽい。つまりはロック寄りのシティポップスというような。
どっちかというと新規よりも以前のリスナーに向けた感じの曲。
タイトルが素敵。安心して聴ける佳曲。
10.Word
これは決定的な名曲でしょう!
とにかくサウンドの迫力が凄い。圧倒される。
メロディーだけでも聴いたことないような泣きメロが炸裂してるのに
その上でこの壮大で巧みなアレンジとは。素晴らしい。
ライブとかでは照明と映像をふんだんに使って派手に演奏して欲しい曲。
11.Synchronize{Synchronized Dubbing}
1曲目のリアレンジ・バージョン。
「Word」で終わっても良かった気もしないでもないが、
この曲を入れることによってアルバムの中和を計った感じもする。
シンクロで始まりシンクロで終わるという、コンセプトアルバムとしてのまとまりも増しているような。
ちなみにコーラスでRie Fu参加。1曲目と比べると音数も多い。
もう何度も聴くたびに新発見があるような新機軸のアルバムで
ビックリ箱の様でいて、実は飽きにくいというような面白いアルバムです。
個人的には傑作。
あとLEO今井のメロディーセンスの高さには脱帽。
「Time Traffic」や「Word」とかメロが新鮮でかなり高揚感が。
という訳で2回目の全曲レビューはLEO今井の「Laser Rain」でした。
お気軽にコメントもどうぞ。
このアルバムは初めて聴いた時に「なんじゃこりゃ!?」と思うほどビックリしたアルバムで
端的に言うとかなり未体験なアルバムでした。
それなりに音楽は聴いてきたつもりですが
ロックでもあるし、シティポップでもあるし、テクノでもあるし、ニューウェイブでもあるし、
打ち込みでもあるし、ソウルでもあるし、J-POPらしい部分もあるし、
でも「何なの?」と言われたらどこにも当てはまらない。
APOGEEとかと同じく、やってる本人自体がジャンルであるかのような、独自性の塊のような音楽でした。
いい意味でハッキリしてないというか。
ただAPOGEEもそうですが、こういう音楽ってなかなかセールスに結びつかないのが辛い。
新しすぎて逆に食いつきが悪いというか。
Amazonのレビュー数の少ないこと少ないこと。最新作に至っては自分しかレビュー書いてない。
まあとはいいつつ、内容に関してはヘビロテしまくり、本当に素晴らしいアルバムなので
一人でも多くの人に手にとって聴いてもらえれば・・・という気持ちです。
では以下↓
1.Synchronize
非常に不思議な、聴いた事のないような曲。
変なたとえですが軟体動物というか、クラゲを彷彿とさせる曲(なんじゃそりゃ・・・)。
ゆらゆらしていて、骨格がないかのような独特のバンドサウンドに奇妙な気持ちよさを覚えます。
とはいえリズムやコード進行などはきちっとしているんですけどね。
この曲で顕著なのはキーボードによる浮遊感のあるフレーズと加工されたLEO今井の揺れ動いてるボーカル。
頭にこびり付いて離れない、しかし滑らかでもあるので割とスッと聴けるという何ともいえない個性的な曲に仕上がっています。
ちなみに先行シングル。
2.Connector
個人的に思い入れの強い曲。1曲目と同じく人と人との繋がり、コミニュケーションについて歌われた曲なんですが
その歌い方がいつも以上にひきつってて、強引なのでやたら心に残るというか。
歌詞の一つ一つがいちいちメッセージ性が高く、確信を突いた言葉ばかりなのも堪らない。
特に印象に残ったのがこのフレーズ。
「接続を探していませんか」
歌詞自体好きなんだけど、LEO今井の声で歌われると更に特別な、情念がこもっているように聴こえる。
歌詞全体、歌全体を通して「孤独感」みたいなものがあからさまに表現されているような気がして。
たまらない曲である。
ちなみにサウンドもニューウェイブに特化したバキッとしたロックで非常に格好よい。
「Coming out of your brain now」ってシャウトも超セクシーで凄いビリビリ来る。名曲。
3.Fit Of Love
これも非常・・・に変わった曲。
まず加工されたヘリウムのような声が聴こえたと思ったらいきなりLEO今井のラップに入り、
そのまま歌モノ化するという珍しい手法で作られている。
にも関わらず違和感が全くなく、むしろ小気味のいいポップ・ソングに聴こえるというのが凄い。LEO今井ならではの曲。
サビのメロディも郷愁感たっぷりで気持ちいい。
近年の歌モノ系ヒップホップにうんざりしてる人に「こーいうのもあるんだよ」と聴かせてみたい曲。
4.Time Traffic
打ち込み主体の曲なのに、巷の打ち込みバンドサウンドと全然違って聴こえるのはなぜ?と思いきや
音の配置が独特なんだなあ、と思った。一つ一つがはっきりしてるというか。ギターリフとか。
プログラミングに頼り過ぎない感じというか。あくまで生音主体というか。
この曲はRie Fuをゲストに迎えた曲で、呟くように歌う地味なAメロから
神秘的で美しいサビに一気に変わる大胆な曲。
Rie Fuとの声の絡みも面白くて何度も聴きたくなる曲。
5.Laser Rain
声加工しまくり&完全なデジタルサウンドというアルバムの中でも変り種。
しかもなんというか、全く聴いた事のないような曲である。
メロディだけとればそこまでではないんだけど、アレンジが超奇抜というか・・・。
しかもこんな未知数なサウンドにサックスとか付けちゃってる訳だから尚更よくわからない。デジタル・シティポップスか?
でもその「よくわからない」という部分が楽曲の魅力として成立しちゃってるような、ある意味ミラクルな曲。
タイトルにするのも納得。
6.You Me Electricity
まずタイトルが意味不明。サウンドも・・・これまた良く分からない。が、やたら鋭さを感じる。
セクシーさも。結構なまめかしい曲だと思う。歌詞もどことなく官能的なような。
でも聴いてて気持ち良さは抜群だ。
ちなみにいしわたり淳が作詞で参加している。
7.Taxi
これはこのアルバムの中でも印象が強い名曲だと感じる。
というか去年の7月にシングルで切られている曲で
間違いなく去年の夏に一番聴いてたのはこの曲だった。
言葉にするのはちょっと難しいが、ギターリフにしろリズムセクションにしろコード進行にしろ間の奇妙なラップにしろ
「どういう展開なら気持ちいいのか」っていうのを計算して作られている曲という感じがする。
この1曲でキャッチーな面をオールカバーできるような。
ちなみに1回聴いただけではそこまでキャッチーと感じれるかどうかは未知数なので
何度も繰り返し聴く事をお勧めする。
個人的にはシングルのミックスの方が好きかなあ?
しかしシャーベットのようなギターリフはいつ聴いても快感!涼やか。
8.High Speed Window
なんとここへきてローファイなサウンドによる歌謡ポップスという配置。
普通シングルのカップリングに入れるような曲を
こういったアルバムに入れてくるとは思い切ったな、と。
曲自体はそこそこ、といったところだが
このアルバムに入ってると目立つ、というか普通過ぎて逆に印象に残る。
これも戦略の内なのだろうか?
もちろんアルバムの中では唯一といっていいくらい一般向けのナンバー。
9.Lemon Moon
この曲は1stっぽい。つまりはロック寄りのシティポップスというような。
どっちかというと新規よりも以前のリスナーに向けた感じの曲。
タイトルが素敵。安心して聴ける佳曲。
10.Word
これは決定的な名曲でしょう!
とにかくサウンドの迫力が凄い。圧倒される。
メロディーだけでも聴いたことないような泣きメロが炸裂してるのに
その上でこの壮大で巧みなアレンジとは。素晴らしい。
ライブとかでは照明と映像をふんだんに使って派手に演奏して欲しい曲。
11.Synchronize{Synchronized Dubbing}
1曲目のリアレンジ・バージョン。
「Word」で終わっても良かった気もしないでもないが、
この曲を入れることによってアルバムの中和を計った感じもする。
シンクロで始まりシンクロで終わるという、コンセプトアルバムとしてのまとまりも増しているような。
ちなみにコーラスでRie Fu参加。1曲目と比べると音数も多い。
もう何度も聴くたびに新発見があるような新機軸のアルバムで
ビックリ箱の様でいて、実は飽きにくいというような面白いアルバムです。
個人的には傑作。
あとLEO今井のメロディーセンスの高さには脱帽。
「Time Traffic」や「Word」とかメロが新鮮でかなり高揚感が。
という訳で2回目の全曲レビューはLEO今井の「Laser Rain」でした。
お気軽にコメントもどうぞ。