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超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

姉ログ 4巻/田口ケンジ

2014-04-18 23:13:46 | 漫画(新作)



















田口ケンジ「姉ログ」4巻読了。





















この姉さんは連載100話を超えてもブレないね~(笑
なんせその100話でケーキ入刀の妄想やっちゃってる辺り本当に弟が好きなんだなと
一人で勝手に葛藤したりツンツンしたり或いは素直に想ったりデレ含む妄想かましたり
改めてオリジナリティの塊、かつ利便性の高いキャラクターだなあと感じながら読んでました
最早「姉ログらしさ」というものが完全に確立され馴染んできて
心地良さすら感じられるようになって来ました
それは何度も何度も妄想ネタを繰り返して研鑽を重ねて来た結果だと思いますけど
さり気にモヤ姉がアキラに好意を抱いたり水面下で愛情を感じさせるシーンをちょくちょく挿入してるからこそ
より効果的にどちらの要素(ギャグ・ラブコメ)も際立ってる感触が個人的にありますね

アキラが何気に女子人気高い事を寂しく思ったり
3巻ではキャンプファイヤーで他の女子と踊ってるのに少々嫉妬したりと
初期よりも更に「本当はブラコンなんでしょ」「意識してるの自分じゃん」って感じれるようになった
それが考え過ぎなモヤ姉の斜め上感を良い具合に中和してるというか
段々とバランスが整えられてきた感じがしますね

初期は初期でそのあまりの斜め上さにゲラゲラ笑ったり強い面白味を感じてた訳ですけど
ずっと同じネタの繰り返しですと「飽き」も生じますから
その点では正当性のある変遷だなあ、って思います
いつも通りなようでいて、実は積み重ねている「想い」の描写の効果もまじまじと感じられる、
よりニヤニヤ出来る印象になって来ましたね
それが堪らない新刊でありました
なんかもうアキラが目覚めたら一気に陥落しそうな気もしてますが(笑
そういう風に読者が自由に妄想出来る隙間もまたこの漫画の良い部分だと思います


基本的にモヤ姉の複雑過ぎる心情を楽しむ漫画だと思うんですが
時折素直に姉妹愛を感じさせるシーンがストレートに挿入されてたり
モヤ姉が良い意味でツンツンするシーンがあったり
アキラへの愛情を感じさせるシーンがあったり、
普段が普段なだけにそういうシーンの破壊力・・・というよりカタルシスかな?が強いんですよね
それは連載を雑誌で追うよりも単行本で一気に読んだ方が如実に感じられると思います
所謂「緩急」を感じさせる構成といいますか
他のエピソードが主人公の勝手な暴走で終わってる分
たまにそういうお話或いはカットが来るとグッと来てしまうというか
そういう部分が実に「巧み」だなあ、なんて個人的には感じます

何だかんだいいつつも、ふぶきさんにアキラは私の弟~とか言われたら
短絡的にカッときて「輝(アキラ)は私の弟です!」って抱き寄せるシーンとか良かったですね(笑
この新キャラのふぶきってキャラは色々とモヤ姉の「揺さぶり」に使えそうで結構期待してます
そういう部分を突いてくれるキャラクターって今回が初めてですもんね
4巻、そして100話突入~という事から鮮度に関しては若干心配してましたが
逆にこれからの展開が楽しみになりましたし
そしてむしろ「姉ログらしいな~」とお馴染みの展開を素直に楽しめたのが素晴らしかったです
それはやっぱり前述の通りただ妄想ネタだけでなく時折好意・愛情ネタを挿入した効果が効いてるんでしょう
この調子で長く長く愛される作品になっていって欲しいです
今現在週刊少年誌ではモヤ姉みたいな主人公って彼女以外いないと思うので(笑
というかつくづく「個性的」としか言えない主人公ですわ。
笑いとニヤニヤをたっぷり提供してくれるのがとみに良いと思います。

構成という点で言えば、これも引き続きサブキャラ視点のエピをちょくちょく入れてるのも大きいですね
個人的に本誌でサブキャラ主役ですと「モヤ姉出てないな」って単純に思うんですが
こと単行本に於いてはそれが物凄く効果的に働いていて
飽き防止にも繋がりますし、
バラエティ豊かな感触も得られる
こういう点から考えても是非単行本でまとめて味わってみて欲しいなあ、なんて思う漫画です
例えば「靄子のバスケ(笑)」のお話なんかも単行本で読むと良い具合に箸休めになってますしね
元々構成上手な漫画ではありましたが、今回特にその手応えを存分に感じられて嬉しかったですね
相変わらず賑やかな巻末の4コマ(胸ネタが中でもよかった)やカバー裏の1カット集もまた面白い
キャラプロフィールはこの人本当にグラマー好きなんだな~って良く分かって楽しかったですね(笑)。
そんな風に中身もおまけも存分に楽しみ切れた新刊、3巻も良かったですがそれを上回るクオリティだったかなと。

















しっかしモヤ姉は改めて最高のキャラクター、そして主人公だと思います(笑
正に「一人ラブコメ人間」という称号が相応しいですが
何気に弟のアキラがちょいちょいイケメンなのも見逃せません
彼がしっかりと良い男だからこそブラコンにも感情移入出来ますしね。
そういうポイントもまたしっかりしててお気に入りです。飛び道具的作品からより地に足が付いたラブコメへ。

あと、五十嵐さんの毒舌も面白かった(笑)。半分失礼だろう!




夢☆恋‐ドリコイ‐ 1巻/八丸真幸

2014-04-12 22:45:10 | 漫画(新作)



















八丸真幸「夢☆恋‐ドリコイ‐」1巻読了。























これはめちゃくちゃ面白いですね・・・
いや、面白いのは既に雑誌で読んでたんで分かってたはずなんですけど
それでも読んでて終始ゲラゲラ笑ってしまいました
漫画オタクの妄想もここまで来るとある種の病気だなあ、、、とか思いつつ
でも主人公のネクラ(サクラ)はある意味物凄く純粋でかつ幸せそうなんですよね
傍から見れば単なる可哀想な人ですけど
本人的にはあれはあれで幸せっていう
そのギャップこそが一番面白いなあ、なんて読んでいて思いました

世にも珍しい「夢女子漫画」です
夢女子というのは所謂ドリ系と呼ばれる二次元キャラと自分が付き合ってる~というような妄想を繰り広げる
漫画のキャラに本気で恋しちゃってる俯瞰的に見ればちょっと痛々しい人種ですね
そんな夢女子の夢女子模様をストレートに描いている作品なんで
多分苦手な人は苦手だろうけど(笑
逆に言えばその分そういった存在を微笑ましく思えるタイプであればとことんまで好きな作品だと思う
で、自分は後者のタイプだった訳ですね ぶっちゃけ総合的に考えればネクラ達は全然恵まれてませんが
それでも彼女たちは彼女たちなりに彼女たち「だけ」の幸せを感じ取って生きている
それもまた一つの幸せの形だなあ・・・なんて個人的には思えたし
そう思わせる作劇にもなっています
よしんば夢女子方面に知識も興味もなくても
ここまで振り切れていれば多分大抵の人は笑ってくれるんじゃないかな、というクオリティにもなってるので
そういった意味では特に偏見等持たずに素直に彼女たちの日常を楽しんで欲しいですね
全体的にクスクス以上にゲラゲラ笑ってしまうような破壊力のあるギャグシーンが多いので
最後まで退屈せずに読み切れたし
ある意味誰よりも純粋なネクラのキャラが凄く好きになれました
多少の気持ち悪さは含みつつも(笑 でも本質はただ真剣なだけなんですよね
その真剣のベクトルがたまたま漫画のキャラクターという方面に向いただけの事です
ここまで娯楽・表現に夢中になれるって豊かだなあ・・・とも個人的には感じちゃいました
個人的にはドリ系でないので完全に気持ちは理解出来ませんが
漫画のキャラに感情移入をする点は似通った部分もあるっちゃああるので
なんとなく気持ちも理解出来る気がするのもまたこの漫画の良い部分ですね
夢女子であっても、夢女子でなくとも又は男子であっても触れてみて欲しい夢女子作品の傑作になってます
ここまで振り切れた内容なので是非その手の層にはしっかりと受けて欲しいな、って思います(笑


それにしてもネクラの思考・・・というか精神性は正直かなり斜め上ですね
妄想と一口で言っても単純なものではなく結構複雑で「えっ?」って思うようなものが多いです
間違った方向に想像力豊かというか、はっきりいってひでーもんです(笑
でもそのひどさこそがこの漫画の肝であって
面白い部分なんですよね
周りからの視点だと意味不明でちょっと異常な人だけど
本人的には常に幸せで満たされてるという
ある種「わたモテ」にも通じるぼっち系・日蔭者系漫画の系譜上の作品でもあるんですが
その割には悲壮感がそこまでではなく、なんだか幸せそうだな~って観てて微笑ましくなるのが特徴ですかね
要するに夢女子・非リア充の可哀想な部分や痛々しい部分だけに焦点を当てるのではなく
実は彼女らは彼女らなりにハッピーで退屈しない日常を送ってたりするっていう
それによって満たされ強くなれる部分も確かにあるっていう
一面的ではない描き方がまた好きな作品です

その上、この手の作品では必要以上に敵視されるリア充の皆さんに対しても
実はこちらが苦手意識を強く持ってるだけ~という中立的な描き方をしているのもまたイイですね
結局自分に勇気も努力もないだけなんだよ、って内容になってるのが正しくて好きです
夢女子は客観的に見れば痛々しい存在かもしれませんが
それはそれで一つの幸せだったり
生き抜く為の糧だったりもする
そういう風にマイナスな面を笑い飛ばすだけでなく、プラスな面もしっかりと取り上げてるのが尚素晴らしく
読んでてこっちも気持ち幸せになれるような空気感もまた心地良い作品だなと思いました
漫画の展開に対して本気で泣いて落ち込んだり、
それも顧みればある種の「豊かさ」なんだと思います。
平和だなあ、っていうか(笑

















それにしてもネクラは基本的に良い意味で気持ち悪いけど(笑
時々可愛かったり読んでて「楽しそうだなあ」って素直に思えたり本当に神懸ったキャラクターですね
内容が内容なので万人受けは難しいと思いますがその分ハマる人は本当にハマる作品だと思う
個人的にはめっちゃ大好きです!!
おまけページもネクラの黒歴史&痛々しさ満載ですので本誌派も是非読みましょう

ちなみにこの漫画家さんは某有名少年誌の増刊でラブコメの読切を描かれた時から大好きで
当時記事も書きました(ちょうど2年前かな)
そこから追っかけてこの作品に辿り着いた訳ですが
あの時と変わらずに思いっきり笑えて幸せになれる漫画を描かれてる事が個人的に嬉しかったですね。
これからも支持していきます。



ひとつ屋根の下の 3巻(最終巻)/藤こよみ

2014-04-10 23:59:14 | 漫画(新作)

















藤こよみ「ひとつ屋根の下の」3巻読了。


















う~ん、ときをちゃんときをちゃんときをちゃん・・・
はっきり言って序盤に於いては彼女は単なるお邪魔虫キャラだと思ってましたが
こうやって想いを告げられて号泣するシーンを見てると可哀想にも感じられるのが不思議
理屈とかじゃなく
表情とか演出でキャラの感情が伝わって来るので読んでて堪らないですね
藤こよみさんは作品を重ねる度に画力がどんどん磨かれていってるので今後の作品も是非楽しみです
そんなときをの傷心モードから始まる最終3巻目は真っ直ぐにハッピーエンドに突き進む潔い内容になってます
基本的に殆どの問題をまとめてしっかりと終わっているので有り体に良作と言える仕上がりになったかなと
今まででも最もストレートな恋愛ものになってますが、
その分色々と新境地も垣間見えて面白い作品になっています
特に男子の情欲に関してちょくちょく触れられているのが最たるものでしたかね

藤こよみさんは女流作家のはずですが
なぜここまで男子の情欲を理解されてるのだろう?ってくらいに
男子の切実なそういう感情を執拗に描かれていて、それが実に良いな、と(笑
それが邪まだとか助平なだけじゃない~って部分まで踏み込んで描かれてたのは収穫だなと
こういう方面を更にディープに突き詰めた新作なんかも読んでみたいですけど(笑)。
取り敢えず画力、表現力、そして新境地獲得と実りは相当に多かった印象の新作です
展開を一切もったいぶらなかったので
結果的にはそこまで長引かずに終了しましたが
その分怒濤に次ぐ怒濤の展開が繰り広げられているのである種「濃い」とも表現出来ますね
ちゃんとときをの対処を最後までやり抜いた事、そして久太の劣情の行方をきちんと描いた事も含めて
割ときれいにまとまった秀作に仕上がったかなと
いつもの如く今回もちょっと短いは短いんですけど
間違いなく経験は積まれたとは思うんで今後の活躍に是非期待したいです。
とっても「純真」な二人の物語、楽しませてもらいました。カバー裏のウェディング模様もまた素敵!

最終回も順当にハッピーで楽しめたんですが
個人的に礼堂先輩のその後(?)が気になります
短く完結されたのであんまりサブキャラ自体は掘り下げられてませんでしたが
その分色々と想像して楽しめる余地があるかなあ、と 彼女みたいな人が落ちる所も見てみたかったけど(笑
しかし誰も切り捨てない丁寧な作劇は最後まで貫かれていてとても良かったですね
ときをの顛末は驚きましたけど、これはこれでワンエピソード作れそうでイイ感じでした
オチに関してもこれまでの苦労があったからこそ・・・グッとくる印象で
まとまってはいるけど
盛り上げる事も忘れてない構成がまた好感触でしたね。

・・・本当はファンとしては藤こよみさんの長期連載を読んでみたい気持ちもあります
この作品を読んでると様々な観点からポテンシャルの高さを強く感じるので
でも、それはそれとして
短い巻数であってもこうやってしっかりと纏め上げ印象に残るシーンを作れる地力は流石ですね
ときをちゃんは最終的にはいじらしく可愛いキャラに仕上がったし、りり姉の美しさも本物だった
今まで踏み込んでなかったポイント(男子の情欲、叶わなかった想いによる号泣等)にも踏み込んでたので
やっぱり今思う事はまた藤こよみさんの作品が読みたい!って事ですかね
素敵な作品をありがとうございました。


















それにしても久太は女流作家が描いたとは思えないくらい
男性の目から見てリアリティのある主人公だったと思います
前述しましたが、そういう方面を突き詰めた作品を描いても形になる気がしました
ニヤニヤも切なさも情欲もドラマチックさも一遍に詰まってる小気味良い秀作です。
後は表紙が毎回シンプルで潔くて良かった(笑

そんな未来はウソである 4巻/桜場コハル

2014-04-09 22:38:08 | 漫画(新作)


















桜場コハル「そんな未来はウソである」4巻読了。























前半のラブコメ推しの流れが最高でした・・・!(笑)。
上手い具合に関係性を駆使してニヤニヤまで持っていく構成力が見事だなあ、と
何にも変わってないようで徐々に仲良くなっていく高山くんとミツキの雰囲気が素晴らしいです
その中でお約束のラブホネタがあったり勘違いネタがあったり順当に楽しめるトピックが多いですね
基本的に桜場コハル作品はさり気ない日常のクスクスを中心に据えてると思いますけど
この作品では徐々に高まって行くラブコメ模様も味わえるので
やっぱり「みなみけ」とは違う魅力があるなと
少しずつミツキも高山くんに惹かれていく描写が増え始めてるので
5巻も楽しみ・・・って出るの来年の夏だそうです。これまた遠いな(笑
とはいえ刊行ペース激遅の今作でも割と状況はシンプルだし楽しみどころもはっきりとしているので
間隔が空いてても特に思い出す必要もなく続きを楽しめますしその点に関してはこれまた上手いな、と
心地良いじれったさを受けつつもニヤニヤモードも多々搭載されている好感触の新刊でした
作中で言及されてる通り高山くん格好良いけれど実は目つき怖いんだよね(笑)。
そういうかゆい所に手が届くネタも今回冴えてたかな、と
何気にメイン二人(ミツキとアカネ)の過去話も挿入されてるのも評価ポイントですね。

それにしても相変わらずの勘違いネタとはいえ
意図せずにミツキが高山くんにラブラブアタック仕掛けてる構図は実に面白かったです
抱きつくオチとか本当にミツキがいじらしい天使に見えるものなあ・・・
画力の上達も素晴らしい
そしてバレンタインネタはいかにもラブコメの王道!って感じのオチでこれまた良かったですね
あのオチが真実だったら・・・?と想像するとこれまたニヤけられるのでおススメです
そういう真っ当なラブコメモードが今回いつも以上に機能していて
桜場コハルの恋愛描写が大好きな身としてはかなり堪らない出来栄えでしたね
普段は恋愛要素とか全く感じさせない垢抜けないミツキだからこそ時折ドキッとする場面があって
それが来る度に読み手としては順当にニヤニヤする事が出来る・・・という実に良い具合の構成になってます
まだちょっとミツキが初めて意識したかな?って程度なんで本格的な進展はまだですが
この調子なら益々の進展を望めそうかな、と感じる事が出来たのが嬉しかったです
その分三角関係的な要素は薄れましたが、
まあこれはこれで地に足が付いていて正解かな、と。
でも時々アカネちゃんのサービスショットも挿入されるんで彼女が好きな人にとっても良好なのでは
冒頭からレベルの高い露出エピソードで個人的にはとっても満足出来ました(笑)。意外と発育いいのね。


後半はラブコメ要素はちょっと弱まり
代わりに新キャラとアカネの友情巻き込まれエピが中心になりますかね
これはこれで桜場コハルの王道の日常ネタ多数で安定して楽しめる出来栄えですが
こうやってコミックスで読んでると高山くんとミツキの恋愛物語であると同時に
彼女が孤独から解放される、孤独じゃなくなっていく話なのかなと
勿論彼女は望んで一人になってた訳ですけど
何だかんだで登山を楽しみにしてたり、一緒に海に行ったり、話を聞いてくれたりと
「やれやれ」って気分は変わらず、それでも誰かと一緒に遊んだり話したりする楽しさを経験していく
そういう側面もあるんじゃないかなあ・・・なんて密かに思ったりもしました
グループに入る事は受け入れつつ、って流れも正にそうじゃないかと

そっち方面でも一つの「結実」を目指して欲しいなあ、とか感じつつ
最新の経過報告、過程描写の塩梅としては全体的にすこぶる良い調子なのを確認出来る4巻目
何気に呪いを使える(アカネの存在によりウソではないのも判明済み)新キャラ・おハナちゃんの存在も
ちょっと刺激的なアクセントになっててイイですね 彼女もまた上手い具合に使って欲しいです
前半ラブコメ重視、後半アカネの友情エピ重視とバランスの取れた最新刊ですね。

細かい部分では、ミツキに対してだけ激甘判定の高山くん(笑)だったり
彼の友人二人のキャラ、父親のキャラなんかもよく練られてていいなあ、と
サブキャラの描写力の凄さはやっぱり10年以上「みなみけ」やってただけあってめっちゃ冴えてますね
本筋だけではなくそういう脇道も面白く感じられる辺りもまた優れてるなあと個人的に。
直感だけで突発的にみんなで海に出かけたりする自由な空気もまた、好き。


















あと、表紙イラストが今までで一番良いですね
割とイメージの中のアカネが上手く再現されてる印象で。
そして幼き日のミツキは正に天使!大人になっても、だけど!



サクラサクラ 4巻/もりしげ

2014-04-08 22:08:58 | 漫画(新作)
















もりしげ「サクラサクラ」4巻読了。

















毎回思うんですが表紙の絵が本当に美麗ですね・・・
惚れ惚れするレベルです
ただ美しい、可愛いじゃなくキャラクター性も伝わって来るのが尚ベターです
今回はコレットさんですが表紙だけでも彼女のちょっといたずらな性格が垣間見えるのが最高ですね
そんなコレットさんも引き続き活躍する4巻は正に桜子好きにとっては堪らない新刊に仕上がっていました。

3巻では春がコレットさんにタジタジになっている部分が大部分で
一応桜子との描写もありましたがあの時点ではコレットさん優勢に見えたのが個人的な感覚で
でもそんな中でも桜子を想う春の気持ちが伝わって来たから彼を信じて4巻を待ってられたんですが
その想い通りに春が桜子を一番大切にしてくれた描写にグッと来てしまいました
自身の立ち位置に自覚的でありつつも、
それでも自身の本当の気持ちは捨てない
宣言通りに桜子を愛する発言をしてくれた春がとても格好良く男らしく見えて良かったです
その後の桜子の大胆な発言の数々も少年誌的にドキドキ出来てとっても楽しかったです
春も春で色々我慢してくれてる偉い子ですが、桜子も桜子で上手い具合に感情表現出来なくていじらしい
でもそんな二人だからこそ良いんだろうなあ・・・ってつくづく感じられた前半でした
言動は大胆ですが、心はとってもプラトニックな二人
結局強い引きの割には現状維持であったことは間違いないですが
それでも春の一途さがきっちり伝わって来て好印象を持てるエピソードだったのも間違いないですね
日本が日本でなくなってる状況を彼なりに考え感じつつも、でも基本的には桜子の気持ちや準備を優先する
その着地点が美しく、また桜子派としても十二分にニヤニヤ出来た今巻の脱出騒動でした。
あせらずに、ゆっくり、じっくりと・・・という感じですかね

そういう「日本が日本でなくなってる状況」というシビアな背景もまた良かったです
ただのラブコメ~って訳でもなく、きちんと自分なりに考えて行動するべき時代背景でもあって
それは上手く後半にも繋がって来きてると思います。


散々説明されたように
極端な少子化時代の出来事を描いている今作ですが
そんな中でも春は「みんなで」「みんなの」時間を作ろうと画策する訳です
人がいなくなった、自由が少ない、だからといって退屈に過ごしてやる義理もない
この人数でも部活を作って、「青春」を謳歌しようとする姿勢は主人公の片割れとしては正解じゃないでしょうか
この漫画は春の視点の時と桜子の視点の時に大きく分かれると思いますがこういう姿を見ていると
流石主人公格なだけはあるなあ、と個人的に感心してしまいます(笑
状況の所為にするのは楽ですが
それで納得してちゃ勿体ないですもんね
大人たちの思惑とは別に自分達の意思で気持ちを確認しあい、自分達なりの楽しさを見出していく
そういう能動的なポイントが多々見受けられるのが今作を大きく支持する理由の一つです
結局部活自体は優柔不断な結末に落ち着きましたけど
結末云々よりはその過程こそ重要なものだったんでしょうね
その過程で敷島さんの新しいキャラ性が目覚めていたり(笑 色々と面白いエピソードだったかなと
そういう風に過酷な状況な中でも楽しみや選択をきっちりと見つけてこなしていく様が楽しい漫画です
王道のラブコメディとしても十分に楽しめると思いますけど、
それだけで終わらない楽しさもあるのが更に素敵な一作になっています

「こういう時代だから」ではなく
「こういう時代だからこそ」っていうメッセージを感じさせる漫画に仕上がっていて
そういう部分はしっかりと伝わって欲しいなあ・・・といちファンとしては強く感じてます
勿論後半の桜子とのニヤニヤ模様も見どころですが!
今やすっかり大好きな作品になりました。いや、最初から好きでしたけど。キャラの様子が逞しいな、と。

そういえばこれまた天使系ヒロインとして降臨されたコレットさんも相変わらず輝いています
自分のために一曲歌ってほしいと懇願する彼女もまたすこぶる可愛かったです
三角関係ものとしても楽しめる構成もまた面白かったですね。
今特に夢中になってるラブコメ漫画の一つです。

















冒頭の描き下ろしイラストにて春の女装化も拝めます
ふむ・・・これはこれで「アリ」ですねえ。
本編であってもいいなあ、と(笑

凛としつつも、ちゃんと「乙女」でもある気高い桜子さんが大好きです。