いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

岸田首相の所信と手帳。 belief and memobook of premier kishida

2021-12-07 20:29:32 | 日記
 (1)岸田首相初めての所信表明演説が行われた。先の施政方針演説は教科書ごった盛り演説と書いたが、今回の所信表明演説はコロナ関係は別にして経済、とりわけ新しい資本主義、成長と分配に多くを費やして外交、安保、災害、憲法改正を付け足した内容となった。

 (2)本ブログでも書いた国の役割は「人」を育てることと同じ、「人」への投資を積極的に行うとしたことは国家の重要な政策だ。新しい資本主義、成長と分配の好循環の取り組みは看護、介護従事者の給与の引き上げ、民間企業の賃上げ、給与を引き上げた企業の税額控除の引き上げ、過去最大規模の35兆円の補正予算と「投資」を前面に出しているが、財政裏付け、財政健全化には触れずにいわゆる「バラマキ予算」の指摘、いいとこどりの「前のめり」政策が印象的だ。

 (3)確かに予算は使う時、使う必要のある時は借金をしてでも使わなければならないが、そのためには増える国民投資(税負担)の返済計画、プライマリーバランス(基本政策を借金なしで実施する)を具体的に示す必要もある。

 恩恵を受ける現世代、将来投資につながる次世代と合わせて年次計画的な負担、分担、財政健全化の道筋をつけることも政府の責任だ。

 (4)岸田首相は前回の施政方針演説でも故事名言を引用していたが、今回の所信表明演説でもコロナ対策で儒教の経典(報道)にある「遠きに行くには、必ず邇(ちか)きよりす」を引用して、ものごとには順番が大切だと細心かつ慎重に対応すると表明した。

 (5)日本経済の回復に向けては、米国元大統領J.F.ケネディの「屋根を修理するなら、日が照っているうちに限る」を引用して、事業者への手厚い給付支援、大型補正予算で万全を期すとした。ケネディ語録を引用して、政策もそうだがリベラル(liberal)を印象付けた。

 (6)岸田首相は以前の記者会見でこれまで直接国民と会って聞いた要望、話を書き留めた「手帳」を掲げて、国民の声を聞くことが特技だと語っている。首相になっても地方におもむき国民、市民と車座になって話し合う姿が紹介されており、予算にいかしていくと語っている。

 (7)所信演説で『全国各地で苦しい状況にあっても、必死で、未来を切り開こうとする、多くの「人」に、お会いしてきました』と述べているので、いちいち事細かに内容の紹介は時間的にもむずかしいだろうが、せっかくの国民の声なので聞いた話はまとめてでもいいが紹介し、話を聞かせてもらいたいものだ。

 (8)それがこれまでの保守思想の強い政権の政治運営で疎遠となっている国民と政治の距離を近くするものだ。

 

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