いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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自衛隊世論調査。 a survey of public opinion against the self defense forces

2015-03-08 14:12:43 | 日記
 (1)政府、与党が集団的自衛権の行使範囲を世界規模、視野で次々と拡大する方針、意向を検討して「新事態」(new situation)なる概念まで持ち出して、国の安全保障という国民全体の利益、権利に関わる重要基本政策を政府、与党の協議で方向性を決めてしまうという、相変わらずの1強時代を背景とした国民と大きく隔絶した安倍政権の保守独裁政治が続く。

 安倍政権が世界的規模、視野で集団的自衛権を行使しようとする原動力(dynamism)となるのが自衛隊だ。政府は防衛省設置法を改正してこれまで防衛省官僚(背広組)が監視、指示してきた自衛官(制服組)をこれからは直接防衛相を軍事面で補佐する対等役割に制度変更して、着々と環境整備を進めようとしている。

 (2)政府が集団的自衛権の行使範囲を世界的規模、視野で拡大しようとする最大の問題、障害は、パラドックス(paradox)として実働部隊となる自衛隊の機能性、能力、人材にある。
 現在でも自衛隊員の募集の工夫に迫られている人材確保が十分なのか(防衛大学卒業予定者の民間就職も目に付く)、自国を守る個別的自衛権ならいざしらず今後は海外の同盟国の戦闘地域への派遣も現実味をおびて危険度(dangerous limit)も各段に高まるとなると、国際的な保護主義(protectionism)の機運とともに意欲のある人材確保には苦労するのではないのか。

 世界的規模、視野で展開する自衛隊の軍事能力、意欲が政府の期待する通りに機能するのかは重大なこの問題推進の障害となるだろう。

 (3)その自衛隊に対する内閣府が実施した「自衛隊防衛問題に関する世論調査」の結果が発表された。内閣府の個別面接方式での調査ということで、調査対象、仕組みがよくわかない中で評価もむずかしいところがあるが、「現状の取り組みを維持すべきだ」が65.4%(前回比+4.1%)を示し、自衛隊の体制は「今の程度でよい」が59.2%と前回(60%)と同水準であったが、『増強した方がよい』が29.9%(同+5.1%)と同調査の過去最高(報道)を記録した。

 (4)自衛隊が力を入れるべき分野として「災害派遣」が72.3%と項目中最も高く、軍事防衛面(69.9%)よりは災害救難活動への期待の高さを示したものだ。
 近年の尖閣諸島、竹島領有権を巡る中国、韓国との外交、軍事摩擦の影響も「自衛隊増強」論に反映されているのではないのか。
 
 保守的右傾化の安倍内閣の支持率の安定とあわせて世界的に台頭してきているナショナリズムの思想の流れも感じられる結果と受け取られるものだ。

 (5)自衛隊に「良い印象を持っている」は92.2%とこれも過去最高を示し、「災害派遣」の分野項目トップとあわせて災害危機管理、対応への期待、好印象をうかがわせるものだ。

 しかし、日本が戦争に巻き込まれる危険は「ある」、「どちらかといえばある」あわせて75.5%(同+3.2%)と高く、集団的自衛権の行使に国民の過半数が反対(メディア世論調査)する傾向、危惧をも示している。
 安倍政権、自民党は内閣府の自衛隊に関する世論調査結果、傾向を読み取って、軍事防衛政策にも「適切」、確実に反映すべきだ。それが内閣府調査の仕事でもある。

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