(1)10月31日に起きた銃を持った男の埼玉郵便局ろう城事件は、その直前に起きた病院に発砲した事件との関連性が疑われている。86才の男が逮捕された。以前大阪でも病院にうらみを持つ高令受診者の男が病院に灯油をまいて放火して、自身を含む医師、多くの受診者が亡くなるという惨事が起きた。
(2)冒頭事件も病院にうらみでもある高令の男の犯行だとすれば、同様の事件が続く。大阪の事件では献身的な診察で地域、周囲から信頼も厚い評判の医師が患者のうらみの対象となって被害を受けた。ほかにも地域、周囲から信頼され評判の町医師が家庭医療訪問で訪れた家庭で患者から銃で撃たれて被害を受ける異常な事例があった。
(3)高令加害者が特徴で、長寿社会で病気しがちでなかなか治らない、好転しない不満でもあるのか、その責任を病院、医師に向けて感情を制御できない直情、直行型だ。
高令化社会を迎えて単身生活者も増えて、一般的に生活費も十分ではなく不自由で精神的にも苦しむ、落ち込むケースは考えられて、社会からひとり取り残され切り離され隔絶された孤独感、寂寥感からの破滅型犯罪だ。
(4)はけ口として頼りにするものへの反動としての一方的な不満、不信が考えられて、手段、方法が先鋭化、過激的に向かうのが特徴で、破滅型の特徴であり、灯油、ガソリンによる放火、銃を使った攻撃、襲撃型が目につく。
狙われているのが町医師少数で診療する人目につきにくい町医師、病院であり、政府も都市部、大学病院での診療過多、集中化に対応するために町医師の活用を推奨しており、かかりつけ医師となれば患者の健康状況、治療方法、困りごとにも把握、相談、対応がよりこまかく、ていねいに対処できる利点はある。
(5)そういう利点ばかりみていると、一方でその利便性、親近感、病院スタッフの少なさが攻撃、犯罪性に向かいやすい状況を生み出している。政府としても町医師の活用の推奨だけではなく,個人病院の安全性について基準、対策、支援を示すことも必要だ。
それと高令者の孤独、社会との隔離、隔絶、連携をどう克服していくのか、人生100年時代を迎えてカウンセリング活用の重要性も大きな課題だ。対策が遅れている。