いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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関心の低い安倍訪米。 it's indifferent to visit to u.s. of premier abe

2015-05-01 19:47:32 | 日記
 (1)安倍首相が「この」時期に訪米してオバマ大統領と首脳会談を行う政治的意味について不可思議というしかない。不可思議というのは、日米首脳が会わなければならないマクロ政治上の「必要性(necessity)」についてだ。
 中国の東シナ海、南シナ海への軍事的圧力に対して日米共同して示威表明を鮮明にすることが考えられるが、日米安保、軍事同盟関係があるから今更日米示威表明でもない。

 オバマ大統領は来年11月までの任期で、すでに米国では来年11月の大統領選に向けて動向が始まっている。オバマ大統領は長年国交断絶で経済制裁を取ってきたキューバと国交回復に向けて着手しており、大統領としての政治仕上げの実績づくりに取り組み、仮に日本を最も重要なパートナーとして認め関係強化を内外に示そうというなら、それはそれで結構なことかもしれない。

 (2)なにしろオバマ大統領は今にして安倍首相を国賓待遇でもてなして、日本首相として初めての米国議会上下両院合同会議での演説まで用意するという厚遇だ。
 ところが米国内メディアの関心は、すでに退任まで18か月のオバマ大統領と国賓安倍首相の首脳会談よりは中国のAIIB設立、参加問題、国内ボルティモア黒人暴動騒ぎの方に集中(報道)しており、当のオバマ大統領までもが日米首脳会談の記者会見でボルティモア騒動の話に10分以上も時間を割いて、会見同席の安倍首相に謝るひと幕(同)もあったほどだった。

 (3)日米首脳会談と言いながら、オバマ大統領と安倍首相の「個人的(individuality)」なそれぞれの思惑での国賓待遇での安倍首相の訪米という感想だ。
 オバマ大統領としては同盟強化を進める日本の安倍首相を招いて米国が財政圧迫の軍事費削減による世界戦略の代わりの一翼を日本に求めて、また米国が主導するTPP交渉でも日本の協力、譲歩を内外に印象づけるオバマ政治「仕上げ」の思惑が見える。

 (4)長期政権を目指す安倍首相としては来年11月の米国新政権の行方が気になるところで、すでに実効性のないオバマ政権との関係強化には意義が少ない。
 ただし、オバマ政権の軍事肩代わりと安倍首相の集団的自衛権の行使、安保法制整備による日米同盟強化は政治的思惑が一致して、それぞれの政策を推進する強い意思、意図、追い風を確認する安倍首相の訪米だ。

 安倍首相の米議会上下両院合同会議での演説を設けてまでそこであえて主張して、今国会での安保法制成立、促進の意思表示をしたことに日米首脳同士の思惑がよくあらわれている。

 (5)安倍首相はオバマ大統領の国賓待遇の厚遇に、集団的自衛権の行使、安保法制整備による世界視野の日米軍事同盟強化の「おみやげ」で応えてみせたのだ。
 当然のように日本国内、野党からは、頭ごなしのまだ審議も始まってもいない国会軽視の批判が聞かれる。

 これほど日米首脳個人同士の政治的思惑による訪米もめずらしい。米国内でも関心の比較低いのも致し方のないところだ。

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