(1)コロナ社会の移動規制、自粛の雌伏の3年を経て文学、芸術、音楽が一気に活性化する、花開くと期待したが、そうはならなかった。その間、村上春樹さんがかって書いた短編小説を書き換えて(あるいは書き加えてか)長編小説にして発表し、P.マッカートニーさんが70年後半にJ.レノンさんがデモテープに残した楽曲を昨年1年かけてAI技術を使ってジョンの声を取り出して、生前のG.ハリスンさんのギターギグにポール、R.スターさんの楽器、コーラスを入れて「最後のビートルズのレコード」として発表したことぐらいが印象に残るものだ。
(2)コロナパンデミックで移動が規制、自粛されて自宅などでじっくり構想、発想、展開を練って考えて、思案し、コロナ後に一気に花開くと考えたが、作家、文学者、音楽家、芸術家という創作者たちは日常から離れた非日常での刺激、関心、取り組み、必然性が創造性をつくりだすものなのかもしれないと思う、コロナ後の静けさだ。
(3)しかしすぐにではなくても、コロナの3年間の間に着手したものがこれから2年、3年かけて準備、考え、思案したものが、あたらしいものを時代をつくりだして発表していくことに気を長くして期待したい。
先端的なAI技術を使って当事者、関係者スタッフが著作権継続正当性の中で過去の著名作家のシリーズものの続編をつくったりするのはマンガ、アニメであたらしい試みとして出てきているが、時代つなぎのもので新作、新シリーズとはいえない。
(4)どうも文学、芸術、音楽は世界各地に出かけてこれまで体験、経験したことのないものに出会い刺激を受けて吸収、理解、思案して、多様なぜいたく(luxury)な知識を蓄積してそこから湧き出す、想像する、つくり出す作業が必要なのかとも思う。
(5)特に音楽は「ビートルズ後」はビートルズのインパクトがあまりに強すぎたのか世界的に低迷が長く続いており、こちらは世界各地にそれこそ星の数ほど「源流」があり、音楽の宝庫ともいえるアフリカ、南米の混乱(紛争、戦争)不安定(政治、経済)の世情社会が音楽発信、創造性に影響しているともいえる。
(6)ビートルズも英国で徴兵制が解除されなかったら、ビートルズの4人が兵役についてバラバラになりその後の「ビートルズ」が出現しなかったかもといわれている。