(1)若い頃に能登半島を車で一周したことがあり、元旦の能登地震で被災地として出てくる地名を見るたびにどれもが覚えがあり身につまされる。
輪島市での輪島塗り工房では懇切丁寧に輪島塗り工芸品製造工程を工程順に案内いただき、きらびやかな深い工芸品の美しさ、すばらしさに加え若い男女の工芸士が多く働いていて、「若い力」に支えられている伝統工芸、芸術の力強い未来が輝いていたことを思い出している。
(2)ニュースでは輪島塗り工房が倒壊して隣家にも被害が出たとも伝えられて、元旦早々の今年1年またやり切る思いに降ってわいた能登地震の実態がまだつかめない被害の大きさであり、大変な思いが伝わってくる。
(3)当時を思い出して伝統工芸、芸術を引き継ぐ「若い力」の静かだが集中した錬磨で、今回の能登地震の困難辛苦を乗り越える炎を燃やしているのではないかと察する。伝統工芸、芸術を「若い力」、手が支えるモノクローム(monochrome)の世界でこそ、もちろん不自由ではあっても地域の復活、復興は人力、尽力により早いと期待する。
(4)輪島の朝市も火の手が上がり焼失したが、山の幸、海の幸を地元業者が直接売りさばく伝統市場で人力による復活、復興は早いことを期待する。モノクロームの世界の特性に期待したい。
地方過疎化が問題となっているが、地方文化、伝統、工芸、芸術、市場と人間の手、力、能力がダイナミズム(dynamism)の人間社会の力の源泉をいかして、大変な時だがその本領を発揮する時でもある。
(5)家屋、建物の倒壊で中に取り残されている人もいるとみられて、道路不通で孤立した地域もあり、今は救助、支援が優先される時ではあるが、能登を支える「若い力」に復活、復興を期待するばかりだ。