いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

新年のすばらしいスピリッツ贈りもの。 splendid present

2011-01-09 19:35:30 | 日記
 (1)ラグビーはボールを後ろに回してつないで(あるいはアンバランスなバウンドのボー
ルを前にキックして)前方の相手のゴールインフィールドにタッチダウンして得点をあげる
ボールゲーム。
 通常のボールゲームは前へ前へとボールを動かして相手に圧力をかけて突破する能動
的ルールだから分かりやすい。ラグビーは随分と抵抗力の大きい見えない壁の空気圧力
を受けながら、15人総力のバインド(bind)の強さで押し上げてボールを動かしスペースを
つくって見つけてボールを後ろに回しながら前進するので、ゲームは攻撃的でも受動的ル
ールで、ちょっと心象的にわかりにくい。

 (2)ラグビーの金言は「すべてはひとりのために、ひとりはすべてのために(one of them,
them of one)」と自己犠牲を讃える。
 だからゲームが終わればレフェリーの「ノーサイド」の宣言で、敵味方もないスポーツスピ
リッツの本質、真髄を具現化し、だから社会規範のパラダイム(paradigm)となりうる。

 ゲームが始まればグラウンド内にはプレーヤーのみで、コーチスタッフは原則としてスタ
ンドで見守る。ゲームキャプテン(プレーヤー)がゲームをコントロールしてキャプテンシー
(captaincy)が重要な力となる。

 ラグビー出身者の社会進路も、他のスポーツ人と違って各自の自由選択が目立ち、有力
プレーヤーでも企業に入って仕事でキャプテンシーを発揮する人もいれば、その後ラグビー
プレーヤーとして活動するにしても必ずしも多くがそろって強豪チームに進むことはなく、
独自の理念でチームを選択し分散することが多い。ラグビースポーツの価値観の多様性
(captaincy)だ。

 (3)正月早々、9日は全国高校ラグビーの決勝が行われ、10日は全国大学ラグビー決勝
が行われる。
 高校決勝では、前年度優勝の東福岡が桐蔭学園に後半に入って21点差をリードされな
がら、驚異的に追い上げ残り1分で同点に追いついてルールにより両校優勝となった。
 ラグビーは「ノーサイド」スピリッツで、他のスポーツのように延長戦や優勝決定ルールを
持たないスポーツスピリッツのひとつの有り様のパラダイムである。ゲームスポーツとして
は勝敗を決定するダイナミズムに欠ける一面はある。

 (4)高校ラグビー決勝を裁いたレフェリー(主審)の長男(2才)は、重い心臓病で療養中
(報道)。同レフェリーの「ノーサイド」で同時優勝となった両校から、同レフェリーに両校の
関係者から集めた手術渡米のための寄付金募金箱が渡された。

 「ノーサイド」で「キャプテンシー」スポーツのラグビースピリッツが高校生に活かされて流
れていることを証明した。2011年正月の若いスポーツ人からの社会へのすばらしいスピ
リッツ贈りもの(new year's splendid present)だった。
 

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