２７％と２５％－まずまずの復調加奈。 come back KANA

　女子バレーボールの東レ（アローズ所属）の大山加奈（２５）さん。１８７cmの
長身をいかしたパワフルなスパイクで１０代で日本代表の主力を努め、オリンピッ
クにも出場経験がある、日本を代表するバレーボーラーだ。
　腰の故障でほぼ２年間のブランクのあと、今シーズンからレギュラーでフルタイ
ムの試合出場となる。

　昨年、故障した腰部の手術をしてリハビリの結果、今シーズンからスパイカーと
して復帰した。
　開幕第１戦の自己７得点の敗戦のオリエンテーションを経て、第２戦のパイオニ
ア戦で２０得点のパフォーマンスでチームの今シーズン初勝利に結びつけた。
　
　チーム総得点７５点中の自己２０得点、自己得点率が「２７％」で、チームは６
人編成。うち、ひとりはレシーバー（receiver）で攻撃参加はできないので、５人
。そのうちひとりはセッター（setter）として攻撃をアジャスト（adjust）するの
がキャストなので、攻撃スタッフは４人ということになる。

　攻撃ひとりあたりの負担率「２５％」ということになる。大山加奈さんの自己得
点率が「２７％」で、攻撃ひとりあたりの負担率「２５％」ということは、そこそ
この普通（ordinary）の復調とみていい。
　２年間のブランクを考えれば、まずはスタートラインに立てたというところだ。
バックアタックも４本決めたということで、フィジカル機能には問題はない。

　これからフィジカルチェックを進めて、故障再発を抑え、エーススパイカーとして、
自己得点率を上げていくことになる。
　エーススパイカーというのは、チームの攻撃の柱（main force)なので、原動力
としてチームを牽引し、ここぞというステージで確実にスパイクを決めて、チーム
の勝機をひらいていく信頼と責任を持つ。

　ブロックを打ち抜く(1)パワーに、パワーを意識させたゲームを読む(2)先見力、
ゲームプランに合わせた(3)応用力、(4)意欲、(5)向上力、そして(6)フェアが求め
られる。
　大山加奈さんは、従来は若さにまかせた今ままでにないフィジカルパワー頼み
の単調な攻撃が中心のバレーボールだった。よく、パフォーマンスを相手に読ま
れていた。

　エーススパイカーとして信頼され、成長するには、パワーを意識させてゲームを
自在にフレキシブルにコントロールする、リードするゲームの先見性が求められる
。身体能力をいかしたサーブにも、特異な能力がある。
　コート・ステージでは、もっと自己主張を発散させるオーラ（aura）が出てきて
もよく、そのためには、身体（能力）をシャープに、眼光するどく相手を射抜き、ヒョウ
のようにパフォーマンスすることだ。
　もともと、女性としてエレガンス（elegance）なんだから、それぐらいで丁度い
い。仲良しクラブのようなパフォーマンスは、いらない。

　バレーボールは、特にスパイカーは、長身で高くジャンプし着地する衝撃度に
加え、空中で反転、ひねりスパイクするため腰への負担も大きいスポーツ。
　ミュンヘンオリンピック金メダルチームの横田忠義さんのように、腰の重い故障
を抱えながらのそれでも手加減しないパワーパーフォマンスを貫いたスパイカーも
いた。

　今は科学トレーニング、フィジカルチェックシステムも向上して、アスリートのパフォ
ーマンス年令も長くなってきている。
　大山加奈さんには先を見据えた完全に近いフィジカルパフォーマンスで試合に
のぞんでほしい。
　もちろん、アスリート以降のすばらしい人生もたくさんあるのだから。