ギボウシの仲間は東アジアの特産種で、約40種ある
若い蕾が橋の欄干に付ける擬宝珠(ぎぼし)に似ているのでこれが訛ってギボウシと名が付いた
ユリ科ギボウシ属の山野の草地や林内などに生える多年草
根茎は太くて短く横に這う
葉は大きく長い柄があり、葉身が長さ20~30cmもある
卵状楕円形で、先は尖り基部は心形
若葉はウルイと呼ばれ山菜の中でも美味しいものの一つ
7~8月に1m近い花茎を出し、先に白色~淡紫色の花を横向きに多数付ける
花は5cm程の筒状鐘形 基部に緑白色の苞がある
葉の汁を服用すると腫れ物や吹き出物に効果がある
若芽はさっと茹でて汁の実 各種和え物 煮物 酢の物 花はテンプラや甘酢漬けにすると美味しい
ミソハギ(禊萩)はお盆の頃に咲き、仏前に備えることが多い
名前は、祭事に用いることにより 禊の萩が詰まって付いた
ミソハギ科の山野の湿地に生える多年草
高さ0.5~1m程になる
葉は十字対生で長さ2~6cmの広披針形 基部は茎を抱かない
7~8月に葉の脇から集散花序を出し、1.5cm程の紅紫色の花をつける
花弁は4~6個
雄しべと雌しべにそれぞれ長さが長 中 短の3型があり、長い雌しべには中と短の雄しべ 中の雌しべには長と短の雄しべ 短の雌しべには長と中の雄しべが付く 自家受粉を防ぐ仕組みと言われている
若菜をサラダにして食べる国もあるが、日本では食用にはしていない 食べたら美味しいかも・・
花が終わる頃、全草を採取して洗い、日干しにして乾燥させたものを煎じて飲むと下痢止めによく効く
薄暗い林の中で、パッと目を引いたヤマユリ
ユリ科の高さ1m程の多年草
山野に広く自生するほか、観賞用に栽培されている
茎は直立して1~1.5m程になる
葉は長さ13cm程の披針形
6~8月 茎先に芳香のある20cm程の大きな花を斜め下向きに開く
花被片は6個で反り返り、白色地に赤褐色の斑点と黄色い筋が入り、基部には乳頭状の突起がある
雄しべは6個、細い花糸の先に線形の葯がT字型に付いている 花粉は赤褐色
雌しべは雄しべより少し長く、柱頭は粘液を出しヌルヌルしている
鱗茎はいわゆる百合根で滋養強壮 咳やたんに効く すり下ろした鱗茎に酢を加えると腫れ物 打ち身 乳腺炎に良い
天ぷら 甘煮 きんとん 塩蒸し 茶碗蒸しの具などに良い ほろ苦さが身上
オミナエシの花が咲きハエやアブが飛び回っていた
オミナエシ(女郎花)の語源ははっきりしないが、延喜年間(901~923)の頃から女郎花と書くようになった
秋の七種の一つ
オミナエシ科の日当たりのよい山野に生える多年草
根茎は横に這い、株のそばに新苗を作って増える
茎は80cm程になり、上部はよく分枝して 8~10月に黄色の花を散房状に多数つける
花は黄色で4mmほどで花冠は5裂し筒部は短い
筒部の下の子房には小苞が接している 雄しべは4個 花柱は1個
子房は3室に分かれているが、1室だけが完全で結実し、残りの2室は不完全で結実しない
秋に根を掘り取り、水洗いして日干しにする
煎じて飲むと腫れ物 解毒 利尿に効果がある