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獣医師国家試験

2007年01月16日 | 大学でのひとこま
獣医師になるためには国家試験があります。
卒業前の3ヶ月、私のクラスは連日勉強会をやって、みんなで必死に勉強しました。過去問や私立の獣医学科の学生による予想問題集(通称猫の手)、各講座のメンバーによる各専門の講義・解説。私たちの頃は4年の学部に2年の修士積み上げの6年制だったので、修士論文を書かなきゃいけなかったんですが、それを12月までにおえ、残りの三ヶ月は国試一直線。

思えばよく勉強したものだと思います。
2年生の解剖学に始まって、暗記科目のオンパレード。解剖学、生理学、組織学、発生学、薬理学、毒性学、繁殖学、内科学、外科学、伝染病学、病理学、公衆衛生学、免疫学、微生物学、、、、。獣医学というのは百貨店のようなもの。あれもこれもやらなきゃなりません。発生学の試験の時、手が鉛筆で真っ黒になり、これ以上鉛筆が握れないほど文字を書いて、それでも点数はぎりぎり。組織学はあと1点で落とし、翌年の再試験。薬理学で答えられなくてばかにされた「麦角アルカロイド」。試験には忘れられない思い出がたくさんあります。

国家試験の勉強会では、私の担当は「実験動物学」でした。
あのころの獣医の国家試験では「実験動物学」はたった4問しか出題されません。したがって、クラスメイトの中には最初からこの科目を勉強しない、と言う人もいました。そんな中、限られた時間で覚えるならこの項目!とヤマをかけて私が話した内容がズバリ出題され、福岡の試験会場で「やった~」と一人こっそり喜んだものでした。

獣医師と言っても、基礎研究に進んだ私には、獣医師免許が必須となる場はあまりありません。でもあの頃これでもかこれでもかと頭にたたきこんだいろいろなことは、けっこうその後も定着して私の中に残っています。百貨店を出てよかったなと思うこともしばしば。よく言えば全体が見える、悪く言えばおおざっぱすぎて細かい知識が足らないということなんですが、それでも、広く浅く、いろいろな勉強をしてきて良かったなと思っています。

今年ももうすぐ国家試験がやってきます。
ほとんど免許を使わないという私でも、これがなければ今の仕事はしていないはずで、やはり大事なものです。免許とそれを得るための努力。どちらも私を助けてくれたと思います。


コメント
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