「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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宮城と岩手と福島、プレハブ仮設住宅で5回目の正月を過ごす家族が、少なくとも6万世帯を超える日本の異常。

2016-01-02 23:59:58 | 福島第一原発と放射能

正月になって気になることがあります。

本当に、この国は埋没しつつあるのではないかと言う感覚です。

原発事故だけに留まりません。

放射能を考慮しない震災影響すら、まるまる5年が経過しても、この国は絶望的に対策が取れていません。

この正月、宮城、岩手で、プレハブ仮設住宅で過ごす人が、少なくとも7万人でおよそ3万世帯になっています。

更に原発の影響による福島を含めると、仮設住宅にいる人々は、6万世帯以上になると言うことです。

ピーク時には、9万世帯を超えていたそうですが、これが震災から5年近く経過しても、およそ30%しか減少していません。

ちょっと待って欲しいです、6万世帯を超えているのですよ。もう5年近くが経過していて、震災から5度目の正月を、プレハブで過ごさせる政府、日本という国が、まともであるとは全く、思えません。

実は相当に劣化しています。

これは、1995年、今から20年前におきている阪神大震災と比較すると、すぐにわかります。

阪神大震災から、5回目の正月が過ぎたあたりには、神戸や大阪はどうなっていたのでしょうか。

兵庫県内だけで、最大で46,600世帯が仮設住宅に居ました。

しかし、2000年、震災から5回目の正月を過ぎた頃には、こうした仮設住宅の入居者はゼロになったと会見がされていた状態です。

あのときに、それでも5年はかかったのかと思いましたが、東北の場合は目処も立っていません。

これは、あきらかに政治の失策です。

特に、自民・安部政権が有効な施策を行っていないことは、明らかと思います。

こうした事実を踏まえると、以前よりも明確に、この国は「棄民国家」になっていることは間違いありません。

その国家体制を大半の国民が支持しています。

国家体制や自民安倍政権がおかしいだけではありません。

それを支持している多数の国民が、おかしいのです。

「岩手、宮城両県の計約7万人が避難生活を送る仮設住宅全約3万戸について、東京五輪・パラリンピックが開催される2020年までに解消を図る方針を固めた」(読売新聞1/1紙面より引用)

こんな活字まで躍り始めました。

東京五輪まで仮設住宅に居ろということです。

一体、政治は何を優先すべきなのか、その政治に対してメディアは何を言うべきなのか。

一番は、国民は何を考えるべきなのか、そうした根幹が、20年前の日本よりも、確実に劣化していることは間違いないと僕は断言しておきます。

すべてが、最悪の構造です。

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