思い付き

外国の料理を食べると、時々、思いもしない食材が入っていてビックリする事がある。例えば、子供の頃から、キュウリは生で食べるか漬物の材料位にしか思っていなかったけれど、炒め物や揚げ物に入っていたりして、驚かされる。

慣れ親しんだ食材も、全く違う調理法があって、知らない食べ方が有るのかも知れない。

フルーツサンドを食べたいと言っていた友人が帰省したので、スイートママに買いに出かけた。朝行けばあるだろうと思い、8時頃行ったら残り3個しかなかった。全部買ったのだけれど、家人が1つ食べたいと言うので2個になってしまった。

それを友人に渡すと、夜の宴会の時に食べると言う。そうなの？と疑問に思いながらも、食べたいと言った本人がそうしたいと言うんだから仕方がない。そうする事にした。

夕方、宴会用の刺身を仕入れ、ビールと酒を買いに行くと、一体何人で飲むのだろうかと思える程買ってしまった。酒好きが買い出しに行くと、酒の量が多い。足りなくなる事が心配でついつい多めに買ってしまうのだ。その辺りの我慢が無い。

酒宴が始まり、ビールもそろそろ飽きて来たので、日本酒に移行する時に、そのサンドイッチが出て来た。ホイップクリームと日本酒が微妙に合う。先入観で物事を考えなければ、素直に美味しいと言える。

そのサンドイッチに赤身（まぐろ）を挟んで少し醤油をつけて食べた人がいた。端っ子の方のサンドイッチだったのでフルーツが何も入っていなかったのだ。一瞬、え！と思うのだけど、彼女から出てきた言葉は、「美味しい」だった。

パンとホイップクリームと赤身の組み合わせは意外にも美味しかった。マグロが入った分少し醤油を付けると美味い。

サンドイッチに赤身を挟むと思うと少し変わって思えるけど、生ハムと思えば同じ事だし、パンに載せて食べるカナッペと思えばそんなに特異な食べ方では無かった。ただ、ホイップクリームと赤身に少しの醤油が加わる事で、日本酒に合うオードブルになるとは、お見事の一言に尽きる。

こんな感じで商品開発していたら楽しいだろうなと、やった事のない他人の仕事を羨ましく思う。



酒宴を港橋の長い耳の動物の店に移す。
店内満席で、歩道の椅子に席を設け外で飲む事にした。ここでは始めに「バドワイ○▽※ーください」と言うと店主の「うちはハイネ◆△です」と言う会話で始める事を常としている。今夜も、それをやろうとしたら「もう、ＢＡＳＳしかありません。」と先を越されてしまい大笑いをした。

店内の客がどんどん帰るのに、一向に中へどうぞと言われない。そう思いながらも外で飲むのも良い季節になっていた。夜風が気持ちよく、べろべろに酔っ払って来た。

シャキッ

つまみの注文に店内に入ると、カウンター席に座っておられる女性に見覚えがあり、「以前、お会いしました？」とお聞きすると「ええ、その席で会いました」と去年の事を良く覚えておられた。酒席の事をよく覚えている数少ない人種の一人だ。自分の事を覚えていてもらえて、嬉しくなって、酔いが倍増した。
きっと次に御見かけするのは来年ですね。

さつき通りって意外と車通りが少ない。4人の酔っぱらいの声だけが通りに響く。
（クエックエッ。団の面目まるつ…）