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●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●東京大学など、膨大な「すばる」の画像データを解析し公開へ

2014-10-03 11:21:37 | 宇宙

 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)、情報・システム研究機構 統計数理研究所(ISM)、筑波大学と日本電信電話コミュニケーション科学基礎研究所(NTT CS研)は、今後5年間をかけて、地上大型望遠鏡「すばる」で取得される25兆ピクセルにおよぶ膨大な画像データを、最新の機械学習と統計数理、さらに、大規模コンピューターシミュレーションを駆使して解析し、目には見えない宇宙のダークマター分布を3次元で明らかにすることになった。

 この解析の過程において、大規模化する宇宙探査によるビッグデータと情報統計学を融合させた新領域「統計計算宇宙物理学」という学問の創出を行う一方、さらに、万人がオンデマンドで宇宙を探索できる次世代アプリケーション技術を開発する。

 Kavli IPMUでは、ハワイ、マウナケア山頂のすばる望遠鏡に新しく搭載した超広視野カメラHyper Suprime-Camから得られる300夜分、25兆ピクセルのビッグデータを用いて、宇宙の運命を決めるといわれるアインシュタイン方程式の解を導き、宇宙の未来を予測する研究を進めている。

 超高画質の観測データからは様々な情報が得られるが、画像に隠れたダークコンテンツを効率的に抽出することが必須とされている。

 今まで、目視に頼ることが多かった同分野に、NTT CS研の画像処理技術を用い、さらに、ISMとNTT CS研の機械学習とベイズ統計の手法を利用することで、新天体発見や宇宙の未知の現象の探索に迫る。

 また、分散ストレージとデータベース技術を保有する筑波大学との協働により、可視化した天体カタログデータベースを広く一般に公開する。

 世界各国の天文ファンが100億光年先の宇宙をスマートフォンなどを用い、手のひらから、また、家庭のテレビでも楽しむことができる環境の構築を目指すことにしている。


●宇宙探査●小惑星探査機「はやぶさ2」、11月30日に種子島宇宙センターから打ち上げ

2014-09-30 14:15:26 | 宇宙


 三菱重工業および宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、H-IIAロケット26号機による小惑星探査機「はやぶさ2」の打上げについて、11月30日に実施すると発表した。
  
 同時に、打上げ能力の余裕を利用して、小型副ペイロード3基に軌道投入の機会を提供する。

打上げ予定日:平成26年11月30日(日)

打上げ予定時間帯:13時24分48秒(日本標準時)

打上げ予定場所:種子島宇宙センター 大型ロケット発射場


●宇宙探査●惑星分光観測衛星「ひさき」、高温の電子が木星側に流れている証拠を世界で初めて観測

2014-09-29 11:00:51 | 宇宙

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成25年9月14日にイプシロンロケット試験機により打ち上げられた惑星分光観測衛星「ひさき」(SPRINT-A)の観測によって、木星の強力な磁場に取り囲まれた領域(木星内部磁気圏)において、高温の電子が木星側に向かって流れているという証拠を世界で初めて捉えたと発表した。

 これは従来の学説を裏付ける重要な証拠となるもの。

 木星周辺の宇宙空間は強い木星の磁場で満たされ、太陽系内最大の粒子加速器となっている。それらの粒子がどのようにして高いエネルギーを獲得しているのか、論争が続いていた。 


●宇宙探査●東大、鉄の見つからなかった星から宇宙初期のブラックホール生成の痕跡を発見

2014-09-21 15:19:32 | 宇宙

 

 東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構(カブリIPMU)の石垣美歩研究員らは、最近見つかった鉄が検出されなかった星は、宇宙で最初にできた初代星が一生を終えたときの超新星爆発で放出した元素から生まれたことを明らかにした。
 
 見つかった星は、鉄とカルシウムの水素に対する割合が太陽のおよそ1千万分の1以下と、これまでに見つかっていたものよりはるかに低い一方で、炭素の割合が高いという特異な元素組成を示していた。

 石垣研究員らは、太陽の数十倍の質量をもつ初代星が超新星爆発を起こしてブラックホールになる場合の理論計算を行い、この時に放出される元素の組成が観測された元素組成と非常に近いことを示した。
 
 以前の理論計算からは、初代星が太陽の数百倍もの巨大質量を持つ可能性も示唆されていたが、今回の結果は、宇宙の初代星はそのようなモンスター星ばかりでなく、今日の天の川銀河でも見られる星と同じような質量の星が含まれていたことを示す。


●宇宙探査●国立天文台、銀河同士の衝突後に円盤構造の銀河がつくられることを発見

2014-09-19 10:52:15 | 宇宙

 国立天文台は、アルマ望遠鏡をはじめとする電波望遠鏡による37の衝突銀河の観測により、銀河どうしが衝突した後に高い確率でガスの円盤構造を持つ銀河が作られることを初めて確かめた。これは、我々が住む天の川銀河のような円盤銀河の起源に迫る、重要な成果。

 国立天文台の国際研究グループは、衝突の最終段階にある37個の銀河における分子ガスの分布を、世界中の電波望遠鏡の観測データを使って調査した。

 分子ガスが放つ電波を検出できた30個の衝突銀河のうち、24個の衝突銀河において、分子ガスが円盤状に回転していることを突き止めた。

 しかもそのうちの半分は、銀河中心部の星の集合体よりも大きく広がったガス円盤を持っていることもわかった。ガス円盤の中で将来的に多数の星が作られると、結果的にこれらの銀河は星とガスの円盤を持つ円盤銀河に進化していくと考えられる。


●宇宙探査●米アリゾナ大などのグループ、巨大小惑星の衝突を赤外線望遠鏡でとらえる  

2014-08-29 23:21:54 | 宇宙

  東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(カブリIPMU)のウィプー・ルジョーパカーン特任研究員を含む、米国アリゾナ大学などの研究グループは、米国航空宇宙局(NASA)のスピッツァー宇宙望遠鏡を用いた赤外線の継続的な観測から、若い恒星系を周回するダスト(塵)が爆発的に増大する様子をとらえた。

 この現象は、岩石でできた2つの巨大な天体が激しく衝突して起きたと解釈できる。地球のような岩石惑星は、長い年月の間にこのような衝突を繰り返して形成されると考えられている。

 今回の結果は大規模な衝突の前後を通して観測した初めての例で、岩石惑星の形成についての理解を深めるもの。


●宇宙探査●国立天文台などの研究チーム、宇宙初代の巨大質量星の痕跡を発見か

2014-08-22 20:19:03 | 宇宙

 国立天文台などからなる研究チームは、すばる望遠鏡を用いて天の川銀河内の星の調査を行い、これまでに知られていない特異な元素組成をもつ星(SDSS J0018-0939)を発見した。

 この星は、くじら座の方向に、我々から1000光年ほどの距離にあり、太陽質量の半分程度という小質量星。

 この星の特異な組成は、巨大質量の初代星によってつくられた可能性があり、今回の観測結果は宇宙初期における巨大質量星の進化と元素合成について手がかりを得る上で、新たな知見をもたらす可能性を秘めている。

 ビッグバン後の宇宙に最初に誕生した星のなかには、太陽質量の100倍を超える巨大質量星が存在したと考えられている。しかしながら、これまでその観測的な証拠が見つからず、初代星をめぐる謎のひとつとされてきた。


●宇宙探査●宇宙地図作成のSDSS、宇宙誕生後30億年~70億年の新たなフェーズ開始

2014-08-21 17:36:49 | 宇宙

 宇宙ゲノムプロジェクト「SDSS(スローン・デジタル・スカイ・サーベイ)」では、これまで14年間にわたり宇宙地図を作成してきたが、今回、新開発の機器を導入して、さらに詳細、広範囲の観測を行う新たなフェーズ (SDSS-IV) を開始した。

 これまで、SDSSでは特に宇宙誕生後20億年から30億年までと70億年から現在までに的を絞って宇宙地図の作成を進めてきたが、今回の新たな観測(eBOSS)では、宇宙誕生後30億年から70億年の間の銀河やクエーサーの分布図の作成を行うことにしている。

 この期間は宇宙の膨張がダークエネルギーによって加速され始めた、宇宙論において大変重要な時期と考えられている。

 今回始まった観測プロジェクトのひとつ、Kavli IPMUのケビン・バンディ特任助教が研究代表者を務めるMaNGA (Mapping Nearby Galaxies at Apache Point Observatory; アパッチポイント天文台近傍銀河地図作成) では、新開発の結束光ファイバーを利用して、ひとつの銀河の中の多くの点を同時に分光観測し、銀河の中の星とガスの分布図を作ることで、何十億年もかけて形成された銀河の成長の仕組みの解明に挑むことにしている。

 MaNGAの研究チームは、光ファイバーを正確に配列して束ねる新しい技術を開発し、米国ニューメキシコ州のスローン財団の2.5m望遠鏡の既存の機器と組み合わせた観測手法を実現した。

 これまでのほとんどの観測では、ひとつの銀河から1点の分光観測結果を得られるだけだったが、MaNGAの観測では、ひとつの銀河の最大127点を同時に分光観測できる。

 この新しい装置を使い、6年間で10,000個以上の銀河の観測を予定している。これは、これまでの装置で行った場合の20倍の速度に相当する。

 


●宇宙探査●東大と慶大、謎の宇宙竜巻「トルネード」の形成過程を解明

2014-08-19 15:14:49 | 宇宙

 国立天文台は、酒井大裕(東京大学)と岡 朋治(慶應義塾大学)らの研究チームが、電波望遠鏡による詳細な観測を行った結果、謎の宇宙竜巻「トルネード」に付随している二つの分子雲を検出したことを明らかにした。

 また、それらの分子雲と「トルネード」が激しく衝突している証拠も見つけた。さらに分子雲同士も、過去に激しく衝突したことを観測結果は示しており、これにより「トルネード」の形成過程が解明された。

 宇宙竜巻「トルネード」は、らせん状の特異な形をした天体。過去の研究で、回転ブラックホールからの双極ジェットによって形成されたとする説が提唱された。しかし、ブラックホールの候補天体が見つからず、「トルネード」の正体についての論争に終止符が打たれることはなかった。

 今回のの観測結果から、分子雲の衝突によって発生した衝撃波の影響で、一時的に効率よく物質がブラックホールに落ち込み、ブラックホールから双極ジェットが吹き出したことによって「トルネード」は形成されたようだと研究チームは推測している。


●宇宙探査●理研と京大、金などの重い元素が中性子星の合体によることの可能性を証明

2014-07-18 15:30:18 | 宇宙

 理化学研究所と京都大学の研究チームは、地球上に存在する金やウランなど鉄より重い元素が、中性子星合体によってつくられたものである可能性が高いことを明らかにした。

 水素やヘリウムは宇宙の始まりのビッグバンにより生成され、それより重い鉄までの元素は恒星内部の核融合により生成される。レアアース、金やウランなど鉄よりさらに重い元素は、大量の中性子の核融合により生成されると考えられている。

 しかし、その大量の中性子の核融合がどのような天体現象によるものなのかについては、長い間明らかにされていなかった。それは中性子星合体によるものであるとする説があるが、これまでの研究によると、放出される物質のほとんど(90%以上)が中性子であるために非常に重い元素だけがつくられると考えられ、太陽系や他の恒星で観測される重元素組成を説明できないことが問題となっていた。

 共同研究チームは、東京大学などのスーパーコンピューターを用いて、一般相対性理論とニュートリノの影響を考慮した場合の中性子星合体の数値シミュレーションを行った。

 その結果、中性子の一部がニュートリノを吸収して陽子に変わるため、中性子の割合が60~90%程度にまで減少することが分かった。

 この数値シミュレーション結果をもとに元素合成の数値計算をしたところ、観測による太陽系の重元素分布とほぼ一致していた。

 これにより、今まで明らかにされていなかった金やウランなどの鉄より重い元素の起源が、中性子星の合体である可能性が高いことが示された。