●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●国立天文台など、最新データで月の内部構造を解明

2015-12-18 15:01:27 | 月の資源

 国立天文台、北海道大学、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、大阪大学の研究者から成る研究チームは、アポロ月震データと最新の測月データとを組み合わせて月の内部構造を推定した。

 その結果、これまでの研究と比較してマントル下部の軟らかい層がより厚く、その密度がより大きいモデルで観測値がうまく説明できることが分かった。

 この研究結果は、月の歴史の初期にマントルの上部に形成されたチタンに富んだ重い層が、その後マントルの深部に沈んだとする「マントルオーバーターン仮説」を裏付ける。

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●宇宙探査●特別企画展「月の神秘展」で「なんでも質問コーナー」開催

2014-07-11 14:56:47 | 月の資源

 コニカミノルタプラザ(東京都新宿区)では、特別企画展「月の神秘展」~「月」の知られざる秘密に迫る~を、2014年7月15日(火)~8月10日(日)を開催するが、誰でもでも参加できる「なんでも質問コーナー」を下記の通り開催する。月の専門家3名が来場し、展示物の解説を行うほか、参加者からの質問に答えることになっている。

<特別企画展「月の神秘展」の「なんでも質問コーナー」>

【日時】8月2日(土) 14:00~16:00(予定)

【場所】コニカミノルタプラザ ギャラリーA

       国立天文台 理論研究部教授 小久保英一郎氏
 
       会津大学 企画運営室兼先端情報科学研究センター准教授 寺薗淳也氏
 
                 *時間に多少変更の可能性があります。
                 *都合により日程は変更になる可能性があります。
                 *開催日直前の変更の場合はツイッター、facebookでお知らせいたします。

【日時】8月10日(日) 14:00~16:00(予定)

【場所】コニカミノルタプラザ ギャラリーA

       国立天文台 副台長 渡部潤一氏

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●宇宙探査●月の物質からどうやって「酸素」や「水素」や「水」を作り出すのか

2013-03-31 13:01:55 | 月の資源
 人類が月面工場を建設する際、「酸素」や「水素」や「水」が欠かせないが、これらをどうやって月の物質からつくりだすのであろうか。「人類の夢を育む天体『月』―月探査機かぐやの成果に立ちて―」(長谷部信行・桜井邦朋編/恒星社厚生閣刊)に、これにつての解説があるのでここで紹介する。


 月の物質は、その大部分がケイ酸塩鉱物と金属酸化物からなっており、重量比で約45%の酸素が含まれている。しかし、これらの酸素は、シリコン、アルミ、鉄、チタンやその他の金属と大変強く化学結合している。

 月の物質のケイ酸塩鉱物から「酸素」を抽出する方法は、ケイ酸塩鉱物を1500~1800℃で溶融させ、直接電気分解することによって得られる。

 また、月の物質である金属酸化物から、気相熱分解により「酸素」を抽出する。次に、酸化鉄(FeO)を多く含むガラス質を水素還元法により、「金属鉄」と「水」を製造する。

 一方、月の海には、チタンに富んだ土壌で、イルメナイトと呼ばれる鉱物がある。これらは、長い間太陽風に曝されて水素や揮発性ガス(ヘリウム、窒素、炭素、硫黄など)を大量に吸蔵している。この「水素」は、レゴリス(月の表層を覆っている非常に細かい砂の層)を約700℃に熱することで、その大部分を取り出すことができる。

 さらに、このイルメナイトを還元し、生成したCO2をCOとO2に電気分解し、COを再利用することが考えられている。

 レゴリスから「酸素」を製造する方法は、いろいろ考えられているが、水素還元法が、「酸素」を容易に抽出・分離でき、かつ還元剤である「水素」を再利用することができるので、一番効率的だと言われている。

 このほか、レゴリスの還元法として、メタン(CH4)、フッ素(F2)、一酸化炭素(CO)を利用した方法が考えられている。その一つに、レゴリスからフッ素還元法を使い、二酸化ケイ素(SiO2)から「酸素」を抽出することも考えられている。

 
 
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●宇宙探査●核融合の原料の一つ「ヘリウム3」は、月に大量に存在するというが・・・

2013-03-27 14:30:18 | 月の資源


 東京電力福島第一原子力発電所の事故は、核分裂を利用した現在の原子炉の危険性を世界に知らしめた。また、核廃棄物処理についても今のところ抜本的解決の道筋すら立っていない。現在、わが国では新しい原子炉の高速増殖炉「もんじゅ」の開発に取り組んでいるが、これまで事故が相次ぎ、一部ではその危険性が指摘されている。

 そこで、注目を集めているのが核融合を利用した原子炉の開発だ。核分裂の利用に較べ、核融合炉は次のような特徴を有すると言われている。①核分裂反応のような連鎖反応がなく、暴走が原理的に生じない② 高レベル放射性廃棄物が継続的にはあまり生じない③機能喪失時の炉心溶融リスクがない―など。

 つまり、核融合炉は、核分裂炉のように、常に核分裂の暴走の危機に晒され、大量の放射性廃棄物の処理を迫られることから、避けることができるというのである。

 これまで、核融合炉の開発は、旧ソ連、日本、米国、中国などで行われて来た。現在においては、日本、EU、米国、ロシア、中国、韓国、インドが参加して、国際機関「イーター国際核融合エネルギー機構」が結成され、現在、各国の協力の下、国際熱核融合実験炉「ITER(イーター)」の開発が、フランスのカダラッシュで進められている。

 核融合炉においては、「D-D反応」「D-T反応」「 D-3He反応」の3つの反応が候補に上っている(D:重水素、T:三重水素<トリチウム>、3He:ヘリウム3)。この中の「 D-3He反応」は、必要な温度が高く、技術的にも大変難しいとされ、実用化されるのはまだかなり先になりそうであるが、長いスパンで考えると、実用化は不可能ではないであろう。

 この「 D-3He反応」で使われるヘリウム3(3He)は、地球上にはわずか数百㎏しかないが、月の表面には数百万トン存在するという。そうなると、遠い将来、月面でヘリウム3を原料として、核融合発電を行い、それをレーザーやマイクロ波に変換して地球に送り届けることも考えられる。

 こうなると、他国に先駆け月面上のヘリウム3を見つけ出し、自国のものにする争いが、将来起こらないという保証は何処にもない。仮に条約を結んだとしても、実効支配ということで、特定の国がヘリウム3を独占することも考えられる。

 このヘリウム3に限らず、月の資源は、最初に発見し、自国のものだと宣言した国の所有となるのか。もし、そうならず、世界各国の共有の資源となるとしたら、他国に先駆け月までロケットを飛ばし、リスクを負い月面工場を建設し、月の資源を確保した、最初の国の権利はどう保証されるのか。今や世界各国は、この問題から目を背けることはできない。(勝 未来)
 
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●宇宙探査●月に存在するの資源の種類

2013-02-26 20:50:38 | 月の資源
 月にはどのような資源が存在しているのであろうか。地球の資源は当然有限なわけであり、人類が地球の資源を使い果たした時には、月の資源を利用しなければ人類は生存できなくなるか、あるいは、原始生活に戻るしかなくなる。つまり、月の資源の開発は、人類の未来が掛かっているのである。ここでは、「月探査情報ステーション」の資料を基に月の資源を紹介する。

 1.アルミニウム=月の高地にたくさんある「斜長石」に大量に含まれている。

 2.酸素=月に豊富にある、チタンと酸素が結び付いた鉱物のイルメナイトから酸素を取り出す。

 3.水素=水素は、太陽から吹き付ける太陽風に含まれ、月の砂であるレゴリスに付着している。

 4.チタン=チタンを含んでいるイルメナイトは、月の表側、海の部分に存在する玄武岩に含まれている。

 5.鉄=イルメナイトから酸素とチタンを取り出すときに、副産物として鉄もつくり出すことができる。

 6.ヘリウム3=核融合発電の燃料として期待されているヘリウム3は、月の砂に含まれている。

 7.水=月の南極のクレーターに水が含まれていることをNASAが確認している。

 8.レゴリス(月の表層を覆っている非常に細かい砂の層)=月のどこにでもあるレゴリスを焼き固めて建設資材とすることができる。

 9.ケイ素=月に豊富に存在。

 10.ウラン=月に比較的多く存在。

 11.トリウム=月に比較的多く存在。

 12.KREEP=希土類元素を多量に含むKREEPが、ごくわずかだが月の高地に存在。
      <注>KREEPは、カリウム(K)と希土類元素(REE)とリン(P)の頭文字を取って名付けられた。
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