●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査● JAXA、GPM主衛星を搭載したH-IIAロケット23号機の打ち上げに成功

2014-02-28 11:12:41 | ロケット
 JAXAは、2月28日(金)3時37分(日本時間)に、全球降水観測計画(GPM)主衛星を搭載したH-IIAロケット23号機を、種子島宇宙センターから打ち上げた。

 ロケットは正常に飛行し、打ち上げから約15分57秒後には、GPM主衛星を分離したことを確認した。

 今後、GPM主衛星は、通信の確保、姿勢制御を行った後、二周波降水レーダDPRをはじめとするミッション機器の電源投入を行う予定。

 また、同ロケットの搭載された国内7大学の小型衛星7基の分離を示す信号も確認した。
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●宇宙探査●JAXA、2015年度中にX線観測衛星「ASTRO-H」打ち上げ 

2014-02-28 07:24:40 | 人工衛星
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所は、2015年度中の打ち上げをめざし、現在のX線観測衛星「すざく」の後継X線観測衛星「ASTRO-H」の開発を推進している。

 宇宙の物質の8割以上は、X線でなければ観測できないと考えられており、日本は「X線天文学」の黎明期からこの分野で世界をリードしてきており、現在、X線観測衛星「すざく」が活躍している。

 X線観測衛星「ASTRO-H」は、「すざく」の後継機に当たるもので、日本のX線観測衛星としては6番目となる。ASTRO-Hは、世界最先端の観測装置を搭載し、80億光年先までもの遠方(過去)をこれまでの衛星を遥かに凌駕する能力で観測する。

 銀河団の中に渦巻く、X線でしか観測できない数千万度の高温ガスの激しい動きの直接測定や、今までは感度が足りなくて観測できなかった生まれたての銀河の中心にある巨大ブラックホールなどの観測を行い、宇宙がどのように進化して、今ある宇宙になったのかの謎に迫ることを狙う。

・開発の目的と役割:

1.硬X線望遠鏡によるはじめての撮像分光観測
2.はじめてのマイクロカロリメータによる超高分解能分光観測
3.0.3キロ電子ボルトから600キロ電子ボルトと、3桁以上にもおよぶ、過去最高の高感度広帯域観測

を通じて、ブラックホールの周辺や超新星爆発など高エネルギーの現象に満ちた極限宇宙の探査・高温プラズマに満たされた銀河団の観測を行い、宇宙の構造やその進化を探ることを目的とする。

・打上げ日時:2015年度

・場所:種子島宇宙センター

・ロケット: H-IIAロケット

・質量:2.4 t

・軌道高度:550km

・傾斜角:31度

・種類:円軌道

・周期:約96分

・主要ミッション機器(予定):硬X線望遠鏡(HXT)/軟X線望遠鏡(SXT-S,SXT-I)/硬X線撮像検出器(HXI)/軟X線分光器(SXS)/X線CCDカメラ(SXI)/軟ガンマ線検出器(SGD)
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●宇宙探査●JAXA、GPM主衛星打ち上げライブ中継を28日(金)午前2時50分から開始

2014-02-27 21:23:58 | ロケット
 雨雲スキャンレーダー「DPR」を搭載した全球降水観測計画(GPM)主衛星がH-IIAロケット23号機によって、2月28日(金)午前3時37分(日本時間)に打ち上げられるが、JAXAでは28日(金)午前2時50分から、種子島宇宙センターでの打ち上げの様子をライブ中継する。

 これにより、自宅のインターネットを通じて打ち上げの様子を見ることができる。


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●宇宙探査●日本スペースガード協会、ロシア・チェラビンスク隕石落下の研究会開催

2014-02-27 11:13:44 | 地球
 日本スペースガード協会は、3月14日~15日、国立天文台三鷹キャンパス(東京)において第6回スペースガード研究会“地球衝突関連天体研究会~ロシア・チェラビンスク隕石落下1周年記念~”を開催する。

 2013 年2 月15 日にロシア・チェラビンスクにおいて、直径約20m の天体が秒速19km で大気突入し(0.5 メガトンTNT 火薬相当)、強烈なエアーバーストにより7000 戸以上の建物が被害を受け、2000 人近くの人々が負傷した。

 落下した隕石は、小惑星イトカワと同種のLL タイプ・コンドライトと判明し、惑星間軌道についても詳しく分かってきた。現在、1 万個以上の地球近傍天体(NEO)が見つかっているが、チェラビンスク隕石のような100m サイズ以下の小天体の多くは発見されておらず、スペースガードの観点からも地球衝突危険性天体(PHO)の発見は、急務となっている。

 今回のスペースガード研究会では、ロシア隕石落下1周年を記念して、「チェラビンスク隕石」と「地球衝突関連天体(NEO、隕石、流星など)」および「スペースガード」に焦点を当てた研究交流を行い、天文・惑星科学の分野に限らず、多技に渡る研究分野から参加が見込まれている。

日時:2014年3月14日(金)、15日(土)

場所:国立天文台 三鷹キャンパスすばる解析棟・大セミナー室

主催:日本大学理工学部、国立天文台、宇宙航空研究開発機構、日本スペースガード協会

共催:日本流星研究会、彗星会議

テーマ:チェラビンスク隕石に関する研究
    隕石、流星、惑星間塵、スペースデブリなどの地球衝突関連天体の研究
    小惑星、彗星などの太陽系小天体についての研究
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●宇宙探査●ハクト、月面探査国際宇宙開発レース「Google Lunar XPRIZE」の中間賞にノミネート

2014-02-25 10:06:30 | 月面探査
 ハクトが月面探査国際宇宙開発レース「Google Lunar XPRIZE」の中間賞にノミネートされた。

 民間企業による月面探査を競う国際宇宙開発レース「Google Lunar XPRIZE」に、日本から唯一参加するチーム「ハクト」が、2014年2月19日、Google Lunar XPRIZEが設ける中間賞の書類審査を通過し、モビリティサブシステム中間賞(走行系)にノミネートされた。

 2013年11月にXPRIZE財団とGoogleが発表した中間賞は、順調に開発を進めているチームを経済的にサポートし、更なる投資や認知を上げることを目的としている。そのために、月面ミッション達成で授与される総額3,000万ドルの賞金に加え、総額1,000万ドルを新たに中間賞として設定している。

 現在、公表された中間賞は下記の3つの賞からなる総額600万ドル分。それぞれ月面ミッションには不可欠な要素技術であり、2014年9月末までに、Flight-Ready、すなわち実際に打上げ可能であることを検証できたチームに賞金が与えられる。

 1 イメージングサブシステム中間賞(画像処理系)《4チームまで》:250,000ドル/チーム
 2 モビリティサブシステム中間賞(走行系)《4チームまで》:500,000ドル/チーム
 3 ランダーシステム中間賞(着陸船)《3チームまで》:1,000,000ドル/チーム

 ノミネートチームは、応募書類で提示した開発計画を2014年の9月末までに達成した場合、中間賞を受賞する事が出来る。

 「Google Lunar XPRIZE」は、Googleがスポンサーとなり、XPRIZE財団によって運営される、民間組織による月面無人探査を競う総額4,000万ドルの国際賞金レース。

 このミッションは、2015年12月31日までに月面に純民間開発の無人探査機を着陸させ、着陸地点から500m以上移動し、指定された高解像度の動画や静止画データを地球に送信すること。世界10カ国以上から18チームが参加している。

 ハクトは、「Google Lunar XPRIZE」に日本から唯一エントリーしておるチームで、(株)ispaceが運営している。小惑星探査機「はやぶさ」をはじめとして数々の宇宙機の開発に携わっている東北大学大学院航空宇宙工学専攻の吉田 和哉教授を中心に、月面探査ローバーの開発とチームの広報活動を行っている。
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●宇宙探査<ブックレビュー>●「はやぶさ―不死身の探査機と宇宙研の物語―」(吉田武著/幻冬舎新書)

2014-02-24 11:19:04 | ●宇宙探査<ブックレビュー>●

書名:はやぶさ―不死身の探査機と宇宙研の物語―

著者:吉田武

発行所:幻冬舎

目次:プロローグ・挑戦
   第1部大地の詩
     第1章逆転の糸川英夫
     第2章遺産から財産へ
     第3章栄光、落胆、そして試練
    第2部天空の詩
     第4章虹の彼方へ、星の世界へ
     第5章「はやぶさ」への道
     第6章旅のはじまり
     第7章遂に来た、イトカワ!
    第3部人間の詩
     第8章旅路の果てに
  エピローグ・復活

 宇宙探査機「はやぶさ」ほど日本人全体に科学や宇宙への関心を高めてくれたプロジェクトはないであろう。小惑星「イトカワ」に降り立ち、その土を地球に持ち帰るという夢のようなテーマに果敢に立ち向かい、それを成し遂げたことは、賞賛に値することは勿論ではあるが、それ以上にこれからの日本人の生き方の先導役となるような人生訓的で哲学的な問題も提起したプロジェクトではなかったと思えてくる。

 吉田武著「はやぶさ―不死身の探査機と宇宙研の物語―」(幻冬舎新書)は、そんな大プロジェクトを日本のロケットの父と呼ばれる糸川英夫の挑戦から説き起こし、実に緻密にプロジェクトの全貌を解明してくれる。

 単なる物語に終わるのではなく、可能な限り技術的にも正確な資料を添えて解説してあるところが圧巻だ。この本は、まだ「はやぶさ」が地球に帰還しないうちに書き上げられたが、地球帰還の模様も補足されており、完結した内容となっている。

 宇宙とロケットに関しての素人でも読め、しかも同時に、将来宇宙とロケットの専門家を目指す人にとっても参考になるという、2つの側面を同時に満足させることに成功した貴重な記録といえる。(勝 未来)

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●宇宙探査● 三菱電機、トルコの通信衛星の打ち上げに成功

2014-02-21 10:21:55 | 人工衛星
 三菱電機は、2011年3月にトルコの国営衛星通信会社であるTurksat(トルコサット)社から受注した通信衛星「Turksat-4A(トルコサット4A)」の打ち上げに成功した。

 「トルコサット4A」は、2月15日カザフスタンにあるバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、ロケットからの分離に成功したもの。

 今後、「トルコサット4A」は、地表から約36,000km上空の静止軌道まで自律移動し、静止軌道上での性能確認試験を3月中旬までに終え、トルコサット社へ引き渡す予定。

 今後、「トルコサット4B」の2014年中の打ち上げが予定されている。
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●宇宙探査●理研など、超新星「カシオペア座A」は非対称に爆発したことを発見

2014-02-20 16:43:38 | 宇宙
 理化学研究所(理研)は、米国カリフォルニア工科大学などと共同で、「カシオペア座A」が超新星爆発した時に生成された元素のうち、チタンの放射性同位体「チタン-44」が放出した高エネルギーのX線を捉え、鮮明な天体写真の撮影に初めて成功した。

 これにより、超新星爆発が従来説の「球対称」や「軸対称」爆発ではなく、非対称な爆発だったことが分かった。

 これは、米国カリフォルニア工科大学のブライアン・グレフェンステット博士、フィオナ・ハリソン教授と、理研仁科加速器研究センター玉川高エネルギー宇宙物理研究室の北口貴雄特別研究員らで構成される国際共同研究グループの成果。

 国際共同研究グループは、高エネルギーX線を集光できる望遠鏡を開発し、2012年6月にアメリカ航空宇宙局(NASA)の小型科学衛星「NuSTAR( Nuclear Spectroscopic Telescope Array)」に搭載して打ち上げた。この望遠鏡の利用で高エネルギーX線による鮮明な天体写真を初めて撮ることができるようになった。これまでの検出器に比べ100倍の感度で高エネルギーX線を観測することができる。

 理研玉川高エネルギー宇宙物理研究室は、2015年に打ち上げ予定の次期X線観測衛星「ASTRO-H」計画に参加している。ASTRO-H衛星は、日米を中心に世界の研究者が協力して開発を進めている衛星で、元素と電子の反応により放出される低エネルギーX線を、従来の10倍以上の感度で検出できる装置を搭載する計画。この新しいX線検出装置により、これまで宇宙では確認されていなかった元素が、超新星爆発から見つかるものと期待されている。

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●宇宙探査●日本宇宙フォーラム、「航空機を用いた無重力簡易実験」の参加者募集

2014-02-18 10:55:50 | 宇宙
 日本宇宙フォーラムは、 6月8日に実施予定の「航空機を用いた無重力簡易実験」の参加者の募集を開始した。

 無重力簡易実験とは、航空機の放物線飛行(パラボリックフライト)によって作り出される無重力空間(約20秒間×5~7回)で簡単な実験を行うもので、一般の人でも無重力の不思議を味わうことができる。

 前回(平成24年3月31日)のフライトでは「無重力で水を飲む」や「無重力逆立ち」等、無重力ならではの楽しい実験が行われた。

 参加申込の締切は4月25日で、募集人数は2名。

 実施日: 平成26年6月8日
 離着陸場所: 県営名古屋空港(愛知県西春日井郡豊山町)
 費用: 407,000円(消費税込)/人
 募集人数: 2名 (定員は7名だが、すでに5名が予約済み)
 申込締切: 平成26年4月25日
 問合せ・申込先: (一財)日本宇宙フォーラム 無重力簡易実験係 中川
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●宇宙探査●NASAの火星テラフォーミングを100年で実現させる計画は本物か?

2014-02-14 22:29:48 | 火星

 2月13日の「コズミック フロント」(NHK-BSプレミアム夜10時~11時)で「火星改造! テラフォーミング最前線」が放送され、現在NASA(米航空宇宙局)推進している、火星をわずか100年で人類が住める環境にするテラフォーミング計画の概要が明らかにされた。

 NASAは、2030年代に有人宇宙飛行で人類を火星に送り込む計画を推進しているが、同時に、火星を、現在の不毛の大地から地球のような生命溢れる星につくり変えようという構想、つまり、“火星のテラフォーミング計画”にも取り組んでいるのだ。

 テラフォーミング研究を30年以上続けるNASAのクリス・マッケイ博士は「わずか100年ほどで火星のテラフォーミング示現できる構想」を提案しているというから驚きだ。

 その構想とは・・・まず、火星を温めるため、温室効果ガスとして、人間に無害なC3F8ガスを火星に送り込み、火星の温度を上昇させる。15年ほどで火星の温度は5度の上昇が期待できるという。

 火星の温度が上昇すると、火星の表面の氷が徐々に融け出し、水を得ることができる。

 人間の食糧はどうするか。そのキーとなるのが合成生物学である。合成生物学の技術により、火星の厳しい自然環境でも生き延びることのできる紫外線に強い微生物を人工的につくり出し、火星に送る。この微生物は、自ら糖をつくり人間の食糧源となる。

 さらに、火星の土壌からは煉瓦や鉄をつくり出し、それらを建設財として建設物をつくる。

 火星のテラフォーミング開始から、40年ほどで火星の温度は、25度上昇しマイナス30度ほどになる。この時期に、低温でも育つ高山植物を火星に植え、光合成により酸素を発生させる。植物の繁殖により、火星の地表は地球と同じように緑に覆われる。

 2035年から火星のテラフォーミングをスタートさせて、100年後の2135年には、火星の温度はマイナス5度ほどになり、人類が住める環境となる・・・というのがそのストーリーである。

 ただ、このストーリーにはいくつかの疑問が生じる。まず、最初に火星に送り込まれる要員の地球への帰還の方法はあるのか、という疑問だ。因みに今民間で計画されている火星移住計画では、地球への帰還の切符は用意されていない。仮に本人の同意を得たとしても、片道切符で、過酷な環境の火星で一生を終えるとなると、果たして人道上許される行為であろうかという疑問。

 それに、温室効果ガスにより、40年ほどで火星の温度は、25度上昇しマイナス30度ほどになるとあるが、この40年間、火星上の要員の水と食糧、酸素それに居住スペースは保証されるのかという疑問。

 そして、最大の疑問は、火星のテラフォーミングに要する費用である。番組中ではこれについて一切言及がなかった。各国が協力してISS(国際宇宙ステーション)を実現させるのが、今のところ精いっぱいではないのではなかろうか。火星のテラフォーミングには、ISSの何十倍、何百倍の費用がかかるのではないか。そうなると例え技術的には実現可能でも、絵に描いた餅になりかねない。

 怒られるので、大きな声では言えないが、以上の疑問点を考えると、NASAの火星のテラフォーミング計画は、テラフォーミング研究者たちが研究費の継続のために打ち上げたアドバルーンとも考えられなくもないのでは・・・。

 なお、「コズミック フロント」の「火星改造! テラフォーミング最前線」は、2月17日(月)夜23:45~24:44に再放送されるので、見なかった方は、是非ご覧になることをお勧めする。

(勝 未来)

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