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●宇宙探査●月と火星を第2の地球に!―SPE―         科学技術研究者   勝 未来

                 ~各国は月と火星の探査計画を着々と実行に移している~   

●宇宙探査●アルマ望遠鏡、巨大ブラックホール周囲に驚くほどマイルドな環境を発見

2015-02-26 17:19:31 | 宇宙

 国立天文台の高野秀路氏と名古屋大学の中島拓氏を中心とする研究グループは、アルマ望遠鏡を用いて渦巻銀河M77の観測を行い、その中心部に存在する巨大ブラックホールのまわりに、有機分子が集中して存在することを初めて明らかにした。

 こうした分子は、ブラックホール周囲では強烈なエックス線や紫外線放射によって壊されると考えられているが、今回の観測成果は、大量の塵とガスによってエックス線や紫外線がさえぎられている領域があることを示唆している。


●宇宙探査●国立天文台など、新星爆発で大量のリチウムを発見 

2015-02-19 19:52:26 | 宇宙

 国立天文台、大阪教育大学、名古屋大学、京都産業大学などの研究者からなる研究チームは、2013年8月に現れた新星爆発をすばる望遠鏡で観測し、3番目に軽い元素であるリチウム(Li)がこの新星で大量に生成されていることを突き止めた。

 リチウムを生成・放出している天体が直接的に観測されたのは今回が初めて。


 


●宇宙探査●SDSS、約5億個の星や銀河を含む最新観測データ「DR12」を一般公開

2015-01-30 11:01:24 | 宇宙

 Kavli IPMU(東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構)の研究者が参加しているスローン・デジタル・スカイ・サーベイ(SDSS) 研究グループは、天文学の史上最大で最も潤沢なデータベースの一つである最新データ「データリリース12(DR12)」をオンライン公開した。

 このデータはSDSSの第3期(SDSS-III)の最終データ。

 一般公開され誰でも利用できるデータのサイズは、100テラバイトを超えており、約5億個もの星や銀河の観測結果が含まれる、天文学の史上最大で最も潤沢なデータベースの一つ。

 2014年6月に終了したSDSS-IIIの観測は、2014年7月に始まった観測プロジェクトSDSS-IVへ引き継がれ、宇宙論や近傍銀河、天の川銀河について研究する6年間のミッションが始まっている。


●宇宙探査●東大Kavli IPMU、暗黒物質の分布をより正確に測定

2014-12-28 19:41:07 | 宇宙

 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU) の斎藤俊特任研究員、奥村哲平特任研究員らは、理論と数値シミュレーションを詳細に比較した研究から、銀河や銀河団の内部および周囲に存在する暗黒物質がどのように分布し、お互いの重力で引き合って進化してゆくのかを計算する際、従来の計算では無視されていた、銀河団よりはるかに大きなスケールの潮汐力のような周囲の環境からの影響を考慮に入れることが重要であることを突き止めた。

 今回の研究成果から、従来無視されていた項を考慮することで、宇宙の暗黒物質の分布をより正確に推定することができるようになる。

 この方法は、既に、BOSSプロジェクト(銀河分光サーベイ)の銀河分布の解析で実際に使用され始めており、今後宇宙の暗黒エネルギーの性質の理解や宇宙のニュートリノの総質量の測定などを通して、宇宙の歴史の解明につながることが期待される。


●宇宙探査●アルマ望遠鏡、双子の星の誕生と成長の様子をとらえる

2014-12-15 15:34:13 | 宇宙

 台湾中央研究院天文及天文物理研究所の研究チームは、アルマ望遠鏡を用いて、おうし座にある生まれたばかりの双子星(原始連星)L1551 NEを観測した結果、ふたつの星を取り囲むガスの円盤(周連星円盤)を発見した。

 また同研究チームは、スーパーコンピュータ「アテルイ」を使ってこの円盤に含まれるガスの分布や運動をシミュレーションした。

 その結果と観測データと比較することで、この円盤は単純な環ではなく、円盤から中心のふたつの星に向かって渦巻き腕が伸びていることが分かった。

 さらに円盤からふたつの星に向かってガスが流れ込んでいることも分かった。

 これは、原始連星が円盤を揺さぶり、円盤のガスが連星に落下し始めている様子を世界で初めてとらえたものであり、宇宙に数多く存在する双子の星の誕生と成長の様子に迫る、重要な観測成果。


●宇宙探査●東大など、すばる望遠鏡で宇宙初期に突然現れた銀河を発見

2014-11-21 20:33:15 | 宇宙

 東京大学宇宙線研究所の研究者をはじめとする研究チームは、ビッグバンからわずか7億年後の宇宙にある銀河を7個見つけた。

 これは、すばる望遠鏡の広視野カメラSuprime-Camを用いて、すばる望遠鏡にとって最も遠い宇宙をこれまでにない感度で探査したもの。

 今回の観測で、ビッグバン間もない頃の宇宙でライマンα輝線を出す銀河が突然姿を現した様子が、初めて描き出された。


●宇宙探査●JAXAと東北大学、赤外線宇宙背景放射線の大きな「ゆらぎ」を発見

2014-11-13 17:19:04 | 宇宙

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所と東北大学のグループは、米国カリフォルニア工科大学や韓国天文宇宙科学研究院等の研究者らとの協力のもとで実施したCIBER実験により、近赤外線の宇宙背景放射にこれまでの予測を超える大きな「ゆらぎ(まだら模様)」が存在することを発見した。
  
 発見した近赤外線の「まだら模様」は、普通の星や銀河等による影響だけでは説明がつかない大きなもので、宇宙には未知の赤外線光源が大量に存在することを示しており、宇宙にある未知の天体の存在について新たな仮説を必要とする新発見であるといえる。

 発見した「まだら模様」の大きさは、既知の銀河全ての影響を考慮した予測値の2倍以上あり、これを説明するためには、宇宙に未知の赤外線光源がなければならないことが示された。

 「まだら模様」の原因となる未知の赤外線光源の候補として、系外銀河のハローと呼ばれる領域に、普通の観測では見えないほどの暗い星がじつは大量に存在するという新たな仮説を提示した。


●宇宙探査●アルマ望遠鏡、惑星誕生の塵の円盤の高解像度撮影に成功

2014-11-07 10:46:41 | 宇宙

 国立天文台は、アルマ望遠鏡が、若い星おうし座HL星を取り囲む塵の円盤を「視力2000」に相当する史上最高の解像度で写し出した、画期的な画像の撮影に成功したと発表した。

 これは、今後天文学の様々な分野において革命をもたらすことを予期させる、画期的な画像の撮影となるもの。

 惑星誕生の現場である塵の円盤が、これほどの高解像度で撮影されたのは、今回が初めて。

 アルマ望遠鏡によって超高解像度撮影が可能となり、惑星の誕生・成長過程の理解が飛躍的に進むと期待できる。


●宇宙探査●POLARBEAR実験グループ、CMBのみで重力レンズ効果による偏光パターンを測定

2014-10-26 18:14:52 | 宇宙

 POLARBEAR(ポーラーベア)実験グループが、世界ではじめて宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の光の振動の向き(偏光)の観測結果のみに基づいて、重力レンズ効果による偏光パターンを測定することに成功した。

 POLARBEAR実験グループは、インフレーション理論のエネルギースケールを決定することなどを目標としており、大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構(KEK)、東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(カブリ IPMU)、カリフォルニア大学バークレー校、同サンディエゴ校などの研究者で構成されている。

 南米チリ・アタカマ高地に望遠鏡を設置して、我々が観測できる「宇宙最古の光」であるCMBを詳細に観測し、そこに現れる特殊な渦状の偏光「偏光Bモード」を調べることで宇宙誕生直後の姿や進化、その背後にある物理法則の解明を目指し実験が進められている。

 今回の一連のPOLARBEAR実験によるCMB偏光観測の初期成果は、重力レンズ効果による小さな渦の偏光Bモードを世界で初めて観測したもの。4.7σ(シグマ)の有意性(99.999%以上の確率)での測定に成功し、将来のニュートリノ質量和の精密観測に向けた道筋を拓いた。


●宇宙探査●東大Kavli IPMU、水素のない超新星の正体を初めて解明

2014-10-17 19:32:14 | 宇宙

  東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構(東大Kavli IPMU)のメリーナ・バーステン特任研究員らは、2013年に見つかり、初めて爆発前後の観測データが得られた水素のない超新星について、観測データを合理的に説明する爆発の仕組みの解明に成功した。

 この理論研究から分かったのは、連星系をなす2つの星のひとつが、外側の水素の層を相手の星にはぎ取られ、軽いヘリウム星に成長したところで超新星爆発をしたということであった。

 超新星爆発の光が十分に暗くなる2015年には、ハッブル宇宙望遠鏡によって相手の星が観測できると予測されている。

 この星を発見することで、星の進化と超新星爆発の理論モデルを観測により実証できると期待される。